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スレ一覧
┗1407.telescope(22-26/32)

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26 :Dr./レ/イ/シ/オ (H/S/R)
2025/01/17(金) 01:39

絵に描いたまでの酔っ払いに、呆れが無いと言えば嘘になる。けれどそれを指摘すれば墓穴を掘るとはわかっていて、非難の言葉は飲み込む他に無かった。指摘にそれを思い返すのは、或いは僕だけなのかもしれない。けれどどこで誰ととも語らない彼に――高級幹部の職務として、機密事項であればそれは当然のことだ――腹を立てるのも致し方ないだろう。カンパニーが彼に与える役割を理解していたって、その理解とは別に、あれは僕の男だ。アベンチュリン。砂金石。あらかじめ誂えられた一つの席。役割ではない君の名を、僕は何度だって呼びたいよ。……これを読んでいるのかもしれない君に、言い訳をするのならば、きっと僕も君から飲み下した酒精に酔っている。かもしれない、きっと、と、予防線を張るのも僕の悪癖だろう。酔った僕が、どのようになるか君は知っているはずだ。これは私信だ。唯一、僕の愛しい彼に向けての。


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25 :Dr./レ/イ/シ/オ (H/S/R)
2025/01/16(木) 02:51

好き勝手を書かれたページを一番上にしたまま、気が付けば数日が経ってしまった。眠るつもりもないのに潜り込むベッドで彼に触れて、そのうちにやって来る微睡は心地が良い。すぐ隣でシーツに身を委ねた愛おしい存在に、穏やかな眠りがあれと願うのは当然のことだろう。だから僕は話の途中だろうが平気で寝息を立て始めるあの男の、着飾った香水とは別の清潔に甘い香りだとかマヌケに緩んだ寝顔だとか、僕の腕を下敷きにして寝癖を作ろうとしている金髪だとか、そんなものたちを胸に収めてしまえば、充分に時間を使っただけの意義を感じてしまう。拗ねているだなんて、まったく勘違いをしてくれたものだ。安眠を手に入れたことには加点、寂しがりやだとかいうその言い草には減点、最終的な評価を出す前に最後でペンを持ち替えた意図を聞いてやろう。そう思っていたのに、次の晩は彼に眠りへ誘われて、それだけも言えずに眠ってしまっていた。


今も腕の中で眠っている彼に、苦しみが少なければいい。よく眠って明日の朝目覚めた彼が、いつものように眦を緩められたならいい。そうであるように、僕は眠りに寄り添っている。


自覚とは一歩先へと足を進めるための大前提のうち一つだ。愚鈍を取り除くためには、まず自身の愚鈍の程度を認めるところから始まる。「患者」が必要とするのなら僕は「医者」として、治療の手を差し出すことを躊躇わない。しかしいくら他者から治療を施されたところで、以降を保ち生きていくのはあくまで患者その個人でしかない。愚鈍の根絶には言うまでも無く、患者の意思が必要不可欠だ。そしてそれは、愚かさに似て恐怖や不安が思考に根付いているというのなら――愚鈍という単語を、恐ろしさに置き換えても変わりはないはずだ。僕がそれの根絶に、手を貸すつもりだというところまでを含めて。
前半は「教師」として繰り返し使ってきた言葉だが、今このときここに書き記すのは、半ば自戒のようなものでもある。彼に揺らされるまま思考と言動を侵していく愚かな感情を、やはり僕はまだ全体像すら碌に掴めていない。もう半分は、自身の自己評価さえ他人に言語化を託したあの男に向けて。背伸びの前に、僕に見えている君がどれだけなのか、よく思い知るといい。


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24 :ア/ベ/ン/チュ/リ/ン(h/s/r)
2025/01/13(月) 10:45

“二の腕の世界”
彼の胸中は魔境だ、擦り寄ると当たり前のように抱き締めてくれてそれが嬉しくて温くてころりと寝てしまう。悪夢に魘されてた日々が嘘のように安心して眠れるんだ。
寂しがりやな彼を置いて早々と眠りに旅立ってしまうのはどうかと思うから、せめてもう少しくらいは改善しなきゃ。そう、最近はおやすみもロクに言えてない。
眠たくておやすみのキスも出来ないよ。

ふん。

もー、拗ねないで。



有言実行。今日は君を夢路まで見送れた。

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23 :Dr./レ/イ/シ/オ (H/S/R)
2025/01/13(月) 01:26

言葉の不要な夜に、けれど一切の静寂が訪れたなら、紙とペンが何より価値を持つこともあるだろう。畳んだメモのみではやけに薄ら寂しい雰囲気が漂ったものだから添え書きを寄せたが、とはいえ、内容にはなにも変わりはない。


少なくともこれから数日の間は、彼がそのペンで書き込んだページを見返すたびにきっと今日を思い出す。あの声色に、表情に、体温を。まさかそこまで見越してこれを強請っていたのなら、悔しいが反論のしようがなくギャンブラーは僕の一枚上手を行ったと認めざるを得ない。少しずつで良いのだと、そう言いたくなるのは僕の臆病だろうか。まさか僕の厄介な性質に彼を巻き込むつもりはない、とは、この期に及んでというものだが。


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22 :Dr./レ/イ/シ/オ (H/S/R)
2025/01/10(金) 11:08

健康な肉体を保つためのトレーニング、入浴、読書。場合によっては頭に入浴を挟むこともあれば、その日のコンディションを見てトレーニングの内容・回数も変動する。日常的な僕の帰宅後のルーティンだ。そこに、何は無くともこのノートのページを手繰る時間が増えた。そのとき側には居ない、けれど僕の思考の中には喧しく侵食して消えない、あの男の影が厄介な翳りに変わる前に出来る対処はそれぐらいだった。けれどそれも、彼自身が側に居るのなら必要は無くなってしまうものだ。本人が覗き込むその隣で、言葉はノートに書き付けるより声にした方がよっぽど速いだろう。つまりここまでは、ペンを握るだけの時間が持てなかったことの言い訳でしかない。我ながら、見苦しい時間の浪費だ。帰宅を彼に迎えられて、休日は彼と一日を過ごして、互いの指を絡ませて、僕の夜は目の前で生きた笑みを輝かせる彼のものだった。それだけの話だ。
二つ前の夜、彼に促されて専用のペンを置くことにした。インクの色はどちらも、彼の指定に寄せている。あの男は僕に見せる仕草のひとつひとつも、ここに書き残す筆致でさえ甘く、何より素直だ。ポーカーフェイスを失っても尚、彼に根付いたギャンブラーの振る舞いをやめるつもりはないとは言うくせに。

記憶が朧で大変に恐ろしいことだが、前のページのほんのささやかな書き置きに、言葉を返そうとして文章になる前のメモがあった。これだけ惚気を書いているノートに、畳んで貼り付けておくくらいは良いだろう。あの夜の僕が確かに彼に残そうとして、機会を失ってしまった言葉なのだから。


僕の願いを叶えようとしてくれるところ
だけど生活に関しては譲らないところ
全部いとしい


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