スレ一覧
┗891.とりごや(79-83/98)
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83 :
燭/台/切/光/忠(刀/剣/乱/舞)
2025/03/16(日) 19:11
またね。
僕のほうに出/陣のある日は、どうしたってやっぱり、一緒にいられる時間は少なくなっちゃうんだよね。もう僕の練/度も、こんなに高くなったことだしさ。いくさ場の前線に出るような機会は、それこそ昔に比べれば、めっきり減ったわけだけれど……そのうえで、ねえ。たまには現場でかたなを振るう感覚も、思い出さないといけないよって。そう命じられているのさ。主から直々に言われてしまっていては、しかたがないよね。普段は本/丸の執務室に、君のことも堂々と連れこんで……そこで毎日、のんびりと! 戦/績やら何やらの書類仕事を、やらせてもらっているわけだしさ。これくらいのときどき……なら、僕もがんばってくるよ。
それでも、君と離れることはつらいなあ。いざ離れなきゃいけないって瞬間も、そのあとにずうっと離れている時間もね。あの手ざわりが、あの鳴き声が、あの匂いが恋しい。あの音。ごはんを食べるときの音、足のつめが鳴るときの音……。さみしいものは、どうしたってさみしいんだ。でも……ねえ、君。僕らが一緒に生きていくには、ほんのすこしばかり、「お金」ってやつが必要なんだって。もちろん君には、それがなんだかわからないだろうけど……大丈夫! 僕がそれを持ち帰りさえすれば、この話はすぐにおしまいだからさ。そのためだけに、行ってくるね。君もさみしがってくれている様子が、 痛いほどによくわかる。僕のちいさなお姫さま。君もどうか、留守番をがんばってくれよ。
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82 :
燭/台/切/光/忠(刀/剣/乱/舞)
2025/03/15(土) 14:10
初物。
今年の畑で採れたいちごは、まだちょっとすっぱかったね。僕の選びかたがいけなかったのかな? ……そ、それでも! こういうのは体験してみることこそが、いちばん大切だからね。季節のものを、一緒に楽しめた時間。それそのものが、僕としては幸せだったよ。そうは言っても……君はあんまり、興味がなさそうな雰囲気だったな。そういうわけで……残りは全部、僕が食べざるを得なかったわけだけどさ。この時期にしては、なかなか寒い日だったのに!
レパートリー。
僕はね、あきらめないよ。だって! 君には、いろいろなものを食べてみてほしいんだ。本/丸で暮らしているみんなに対しても、同じように思ってはいるけれど……ううん。ほら……君には、畑もなにも見せてあげられないからさ。僕は内/番の日に、感じられるじゃないか。あたり一面に、緑色の広がる景色。それから、肥料の匂いに……ふかふかとした、土の触り心地も。そういうものを、君は知らずに生きるだろう? だから、せめて……自然や季節の、エッセンスというかさ。外の世界の、豊かなニュアンスを……ほんの切れはしだけでも、届けられるものは、届けたいなって。そう思うんだ。
それはおまえのエゴだろうって言われちゃったら、否定できないけどね。それを言うなら……贈りものなんて、得てしてそんなものじゃないかい? 自己満足、それでいいのさ。おおいにけっこうだよ。僕のかわいいお姫さま。こんな茶番に付き合ってくれて、どうもありがとう。
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81 :
燭/台/切/光/忠(刀/剣/乱/舞)
2025/03/15(土) 14:10
君へ。
君が死んでしまう夢を、一時期は夜ごとに、あらゆるシチュエーションで見ていたんだよ。それなのに、最近ではもうずいぶんと見ていなくて……でもね。毎日を綱渡りのような気持ちでやり過ごしているのは、いまでもやっぱり変わらないよ。一日の終わりになると、決まってこの部屋で思うんだ。君は今日も、ちいさなからだで、精一杯に生きていたね。僕といえば、今日もなんとか……君のいのちを、きちんと守れたみたいだ。君がおだやかに眠っているってことは、まあ……そういう結果なんだって。ここでは背伸びして、言いきってしまってもいいだろう! 僕らは無事に、生きのびたんだよ。
ねえ、君。外の世界には、春が来たんだってさ。君は、季節ってやつを知らないね? 僕が教えていないんだから、当然だ。もしかしたら……僕らが一緒に迎える、はじめての春だったりするのかな。そうだとしたら、とてもうれしいニュースだよね。本当の話なのかどうか、カレンダーを確かめてこないといけないな。
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80 :
山/姥/切/国/広(刀/剣/乱/舞)
2025/03/13(木) 17:06
「ゆ/う/ぐ/れ/の」、
「森/に/溺/れ/る/無/数/の/木」、「つ/よ/く/愛/し/た/ほ/う/が/く/る/し/む」。
さみしい……と、いうよりは。こころの内側に、空洞があるふうな心地だった。そこに、なにもない……ということ、を。ただ、ぼんやりと……感じて、いた。痛みは、なかった。しかし……うすら寒い気は、していた。あきらめるという、状態……を。写/しも、ついに……学習、したんだろうか。しずかに降り積もる、雪のように……つめたい、気持ちが。……うすい層に、なって……。胸のうちで、少しずつ。重なって、重くなっていく……のが、わかった。
責めたい心は、まったく……なく。ただ、やり場のない……哀しさだけが、ある。……いつ、どこに。捨てたらいいのか、わからないんだ。
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79 :
燭/台/切/光/忠(刀/剣/乱/舞)
2025/03/13(木) 17:05
あそぼう!
こんなところになにを書いたって、べつに何にもならないんだってことは、僕だってよく承知しているつもりでいるよ。ただ……僕というひと振りがいま、こうして生きているんだって事実を、ほかのだれかに覚えていてほしくてさ。焼けたかたなの、記憶の精度だなんて……あんまりあてにならないものだって、君もそう思うだろう? だからね、君に覚えていてほしいんだ。そう、君だよ。そこの君。あっ、いま目を逸らしたね。つれないじゃないか! 君、君だよ。どうしてだか、この冊子を開いてしまった……そこの君。ねえ、僕と話をしないかい。
これを読んでくれている君が、いったいいつの時代のだれなのか? そんな情報すら僕はまだ、把握できていないわけだけれど。そこらへんの事情はまあ、この際どうだって構いやしないんだ。ええと、なんだっけ? そうだ! 些事ってやつさ。だから、ねえ。君の好きなことばを、いっぺん僕に聞かせてくれないかな。詩の断片でも、ひとつの単語でも……なんだっていいんだ。それを紙きれに書いたらね、僕のこの名前のところから、一通だけ投函してほしいのさ。この思いつきって、すっごく楽しそうな遊びだろう! これで僕と遊んでくれる君は、君の名前もどうか一緒に記しておいてほしいな。僕からの希望は、それだけ。かんたんだろう? 僕のお姫さまが眠っちゃったあとは、どうしたって退屈な時間なんだ。ちょっとだけでいいから、ね、付き合っていってくれよ。
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