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┗283.短編小説のコーナー(201-207/207)
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201 :げらっち
2023/12/07(木) 22:49:55
あ、歌詞だったのねん。
ほら、やっぱり短編じゃ収まりきってない…
ベリーは「コメディ・ライト短編」を1本でもいいから書きなさーい!
それだけでかなり幅が広がる
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202 :ベリー
2023/12/09(土) 22:17:37
コメディ・ライト、書き方が分からないよ!! 俺為を舞台にしたら幾分か書きやすくなるかな……。ええい! そういうなら、お手本で俺為世界を舞台にげらっちさんがコメディ・ライトを書いてくださいよ!!!!(((
コメディ・ライトね……コメディ・ライトかぁ。何を書けばいいんだろう……分からない……。
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203 :ベリー
2023/12/11(月) 22:13:42
『白鳥の王子様』
ふと、考えることがあるの。私だけの王子様がやってきて、この酷いお家から私をさらってくれないかしら、って。そんなことありえるはずがない。わかっているわ。
朝は日のでる前に起きて水をはこび、火をもやし、煮にものをし、せんたくをする。それだけでも大変なのに、私のお姉様二人はもっと意地悪をする。
私の母の形見である首飾りを奪ったり、豆を灰の中にぶちまけて拾わせようとしたり。
しまいには、私にかまどの中へ寝ろっていうの。灰だらけのあんな場所で寝るなんて、もちろん嫌だと拒否したわ。けれど継母までもがかまどで寝ろと言いだしたの。これ以上反発したら何をされるか分からない。しかたなく、かまどの中で灰かぶりになって寝ているの。
そしたらお姉様たち、私を「シンデレラ」っていって面白おかしく笑うんですの。私のエラって名前と、灰って意味を混ぜて作った言葉なんですって。それほど私は汚ならしいみたい。灰かぶりにしたのはお姉様たちなのに……。
そうだわ。明日、お姉様たちは義理のお母さまと一緒に、舞踏会へいくといっていたわ。明日までにドレスのサイズを調整しろって無茶振りもいわれた。早く仕立てあげないと、また機嫌を悪くさせてしまうわ。
◇
次の日の夜、お姉様たちはドレスや宝石を身にまとって舞踏会へ行きましたわ。ああ、舞踏会。なんでも王子の婚約相手を探す会なんですって。私も行きたいわ。けれどそれはお姉様たちが許さない。家にいろってキツくいわれたわ。お姉様たちに内緒で舞踏会へ行こうにも、舞踏会へいけるようなドレスはもっていない。
ああ、素敵な王子様。どんな方かしら。こんな家からつれだしてくれないかしら。そんな甘い希望の未来。今の窮屈な木の靴じゃなくて、金の靴で、王子様と踊るのよ。
「それはいい。君も舞踏会へいったらどうかね」
あら、声がする。ここには私以外いないはずなのに不思議だわ。どこから声がしたのかしら。あら、窓の外に鳥さんがいるわ。しかも真っ白。白い鳥さん。珍しいから、ちょっと窓を開けてみましょう。
「開けてくれてありがとう、エラさん」
「あら、私の名前を知っているの? 不思議な鳥さん」
「もっと不思議がるところがあると思うけどね。僕は魔法の鳥なんだ。苦しむ君を見かねてやってきた」
「あら、それは親切に。ありがとうございますわ」
「それだけじゃない。君の願いも叶えてやろうと思ってね」
「願い? 叶えてくれるって、そんな……」
なんだか現実じゃないみたいだわ。この鳥さん、私の名前を知っているし、喋るし、私の苦しみも知っているし、不思議で仕方がない。私は夢でもみているのかしら?
「夢じゃない。現実だよ」
あららこの白い鳥さん、心まで読めるみたいだわ。ほんとうに魔法の鳥さんなのね。
「そうだよ。君は本当に純粋な子だね。さて、ほら願いを言ってごらん。僕が叶えてあげる」
そんな急に言われても、願いなんて思いつかないわ。
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204 :ベリー
2023/12/11(月) 22:15:40
「そうだ、今日は舞踏会があるんじゃないかい? 連れて行ってあげようか?」
まあ、それは素敵な提案。でもお断りさせていただきますわ。
「それまた何故だい?」
舞踏会にいったって、王子様の婚約相手に選ばれない限り、私の生活が変わることはないじゃない。私が王子様に選ばれるはずがない。一夜の夢を見たって、次の日から私は「灰かぶり」。シンデレラのままですもの。
「そうかなぁ。行動の前に諦めるなんて、勿体ない気がしない?」
「いいえ。しませんわ」
「そうかぁ。君がそういうなら、別の願いを考えよう」
願い。どうしようかしら。この家からでたい。誰かに愛されたい。誰かに、私を見てほしいわ。そうだ。
「白い鳥さん、私をここから連れ出して?」
「僕が君を? それはどういう意味だい?」
「そのままよ。白い鳥さん。いいえ、王子様。私をここから連れだして? 私、あなたのことが好きになってしまったの」
「それまた唐突だね。この短時間で、君が僕を好きになる要素がどこにある?」
「だってあなたさっき、『苦しむ君を見かねてやってきた』って言ってたじゃない。誰も私のことなんかみていなかった。けれどあなただけは、私の日々の苦しみを知ってくれている。見ていてくれていた。私は、私を見てくれたあなたが好きですわ」
白い鳥さんは自分の羽を口にあて、まるで人間みたいに驚いたポーズをとりましたわ。頬も少し紅潮して、こっちまで顔が熱くなりそう。
「こんな僕で、よければ。君をここから連れだそう。森の奥の、僕のお家へ来てくれるかい?」
「ええ、喜んで!」
すると私の体を光が包んだ。気づけば私は金の靴に青いドレスを纏っていましたの。まあ不思議。これが魔法ね。
顔を上げてみると、白い鳥さんは白い衣装をまとった王子様になっていました。
「じゃあ、シンデレラ。いこうか」
白い鳥さん──いえ、王子様が手を差し伸べてくれる。私はその手をつかもうとして、そうだと思いつきましたの。この金の靴を片方でも、この家に置いていきましょう。
「どうして靴を置いていくんだい?」
「私が、ここにいた証を残したいの。さあ、いきましょう王子様」
ちゅ、と王子様の頬に軽いキッス。すると王子様は照れて目を背けた。お可愛いことっ。王子様は私を連れて窓枠からジャンプ。ここは二階だけど、落ちることはなかったわ。魔法の力で浮いていますもの。私と王子様は、鳥のようにあの森の方へ、飛んでいきましたわ。
ああ、私今、最高に幸せだわ。ありがとう王子様。さようなら、意地悪なお姉様たち。
◇
後日、エラが去ったことで家事が回らなくなり、困った継母たちが置いてあった金の靴を頼りに、エラを探しに行くのは、また別のお話。
──
オラァ、コメディ・ライトじゃああ! これコメディか……? 小説サイトの新釈グリム童話企画で書いたものです。私にしては珍しく綺麗なハッピーエンドになったので投稿。
本当は、シンデレラに『お姉様方に復讐したい××(滅茶苦茶酷いこと)をお姉様たちにさせてあげて。アハハハ!』的なのを書こうとしたのですが、なんかキャラが暴れちゃって私をハッピーエンドに導いてくれました。いい意味でキャラが暴れた短編でした。
『白鳥の王子様』>>203-204
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205 :げらっち
2023/12/15(金) 11:07:25
コメディかはわからんが、雑さで笑えたぞい
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206 :げらっち
2024/01/12(金) 20:30:28
SSS 天堂任三郎正義の1日
彼の名は天堂任三郎。日本を守る護国戦隊、日の丸戦隊ニッポンジャーのニッポンレッド、日の丸を背負う男である。
2025年、或る夕方、ニッポンジャーの詰め所に1本の電話が入った。それは民間人からの通報だった。
任三郎の部下であるカプ子はその内容を親玉に伝えた。
「任三郎さん! すぐ近くの住宅街で火災です!! 出動しましょう!」
「なに、それは大変だ!! 歯磨きが終わったらすぐ出動する!」
任三郎は歯を磨いていた。
「その間に助かる命も助からなくなりますよー!! 一刻も早く出動しましょう!」
「ダメだ! 正義のヒーローたるもの、きちんと歯を磨かなくちゃいかん!! 口内環境も守れない俗物に日本の平和が守れてたまるか!」
任三郎はカプ子にコップを投げつけた。
任三郎は10分かけて入念に歯を磨くと、コスチュームに着替え始めた。
任三郎は日本国旗をマント代わりに羽織った。すると、国旗がほつれているのが目に入ったのか、彼は言った。
「代わりを持ってこい!」
「任三郎さん! マントなんて引っかかったり現場では邪魔なだけですよー!!」
「この非国民!! 私は日の丸を背負って戦っているのだ!! こんなだらしない日本国旗でいいわけが無いだろッ! 今すぐ代わりを持ってこい! 1分1秒を争う世界だ、もたつくな!!」
カプ子は急いで新品の日本国旗を用意した。
任三郎はそれを羽織り、トイレを済ませると、ようやく出動した。
他の隊員は訓練に励んでいたり社内研修を受けていたり非番だったりしたので任三郎とカプ子のみの出撃になった。
住宅街の一角から炎が上がっており、多数の野次馬がそれを取り囲んでいる。
「何人か逃げ遅れてるみたいだぞ……」
「あ! ニッポンジャーのお出ましだ!! もう大丈夫だぞ!」
任三郎は人垣を押し除け、炎光を見た。
既に3軒もの住宅に延焼していた。まるで巨大なガスコンロを見ているかのようだった。家屋が焼かれているのだ。その中から、助けを乞う、臨死の声が聞こえる。
「くっ……もう少し来るのが早ければな」
そう言う任三郎に対し、カプ子はあんたが歯磨きをしたりマントに拘るせいだろと言いかけたが、処罰を恐れ心の中でつぶやくだけにとどめた。
「まあいい。ここは正義のヒーローとして当然の事をするまでだ!」
任三郎は腕時計のダイヤルを回す。途端に彼の体は赤いスーツで包まれる。
「大和魂、スタンダップ! 日の丸戦隊ニッポンジャー! ニッポンレッド!!」
野次馬から歓声が湧く。
すると任三郎は、火災現場の観察を始めた。燃える建物の中からは悲鳴。一向に救出に行く姿勢は見られないので、カプ子は叫んだ。
「何してるんですかー!!」
「何って見りゃわかるだろー!!!」
任三郎は逆に怒鳴った。
「今後火災が起きた時どのように救出するのかを考えるために火災についての分析をしているのだ!! 私は大和の国を背負っている。正義のヒーローならこのくらい当たり前だろー!!」
カプ子はブチ切れた。
「正義のヒーローなら目の前の人を助けろボケがー!!!!」
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207 :げらっち
2024/01/12(金) 20:42:43
カプ子はニッポンイエローに変身し、火災現場から4人を救出した。皆重症だった。
任三郎は記者の取材を受けていた。
「なに、正義のヒーローとして当然の事をしたまでです」
カプ子は任三郎の歯をへし折ってやろうか迷ったが、減給を恐れ踏みとどまった。月20万を下回ると大好きな怪獣映画のフィギュア収集ができなくなってしまう。
レスキューファイブが火を消した後、カプ子は単身火災現場を調べ、これが放火魔の仕業であると看破した。
「任三郎さん、これ放火ですよー! 天井に穴が開いてました! 相当の放火好きの犯行と見られます! パトロールを強化しましょう! 今からでもパトロールしますよー!!」
だがもう深夜だった。
「呆れかえるほどの、抜け作めッ!! 正義のヒーローならば早寝早起きは不文律、夜道を出歩くなど以ての外だ!! 早く帰って寝なくっちゃ! 寒いし風邪をひいてしまう!!」
任三郎は家に帰ろうとしたが、カプ子は止めた。
「私は寒くてもパトロールしますよ!! 自分と日本の平和、どっちが大事なんですかー!!?」
任三郎は胸を張って答えた。
「私が風邪を引いちゃったら日本全体の危機だ!!!」
任三郎は帰ってしまった。
カプ子はニッポンジャーを退職し、民間戦隊に加入することにした。
おわり
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