日記一覧
┗262.備忘録(129-133/152)

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133 :不-動-行-光
02/28(日) 23:09


駄馬、駄犬、ダメ刀。
愛や恩に報いる事の出来なかった俺らみたいなのはさあ。
じゃあどうしたら良かったんだろうな、なんて。

答えは分かってる。嘘だ、全然分かってない。
お前は分かってるのか。分かってないだろう。なあ、(零れた酒で墨が溶けている)

愛される為には先ず自分を愛せとか相手を愛せとか。
ありゃ嘘だ。真っ赤な大嘘だ。だってそんなの、キリが無いだろう。
自分を愛せなかろうと、誰かを愛せなかろうと、使えるなら刀は欲される。
俺みたいなダメ刀にさえ、またお呼びか掛かる位だからな。
価値の有無は、使う奴が決める。それだけの事なんだ。それだけなんだよ。
燃えて折れて潰されて、様々にして刀として使えなくなったって、価値を認められれば求められる。
切れるとか、切れないとか、そういうんじゃないんだ。使えるかどうか、なんだよ。
使えるってのはさ、喉を掻き切れるとか、主を護れるとか、そういうんじゃなくて。
どんな形であれ、恩を返せるか否か、なんだよ。

ダメ刀の末路を、本当は、知らないんだ。
何の因果か生き残って、求められて、求められて、求められて。
価値が有ったんだろう。そうだろうな。公自慢の逸品だ。そりゃそうだろうさ。
だから何だって言うんだ。求められて愛されて、俺は結局、返せないまま。

今の主には、せめて、恩義を返せるんだろうか。分からない。
俺は短刀だから、常にあんたの傍に居なくちゃ、あんたの事が分からない。
朝から晩まで、寝る時もずっと、傍に置いてくれなくちゃ、役目を果たせているのか分かんないんだよ。
敵があんたの寝込みを襲う時、あんたの傍に居なければ、俺は、また。

>誰かの腕を求めろと、いけ好かない顔が嘯いた、夢を見た。お前はそうしない癖に。


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132 :膝-丸
02/28(日) 22:28


うすみどり、と、呼ばれる日を怖れている。

長く刀をやっていれば、それだけ当然縁は増える。
あちらでああ呼ばれ、こちらでこう呼ばれ。
兄者が俺の名前を思い出せないというのも、どの名が正しいのか分からない、という所も有るんだろう……多分。きっと。そうあってくれ。頼む兄者。俺は兄者を信じているぞ。

うすみどり、と。
そう呼ばれていた頃の刀達との、多くの縁は途切れてしまった。
ほんの少しだけ、残っている物もあるが。
途切れてしまった? 否、俺が斬ったんだったか。どちらでも同じか……。
だが、奴等も刀、我等も刀、何れ何処かで相見える日が来るのでは、と、思いもする。

いつか何処かで俺の事を、うすみどり、と呼んで親しんでくれた彼等と。
今の姿で顔を合わせるのには、とてつもなく勇気が要る。
何せあの頃は若かったのだ。生まれて間も無く、持ち主が持ち主なだけに鼻もこれでもかと伸びていて、今思い返してもその青臭さにうんざりする有様だった。
あの頃の詳細を昔話として語られたら、と思うだけで、浮き足立つような心地になる。
どうか、もう二度と、うすみどり、と呼ばれる事が無いようにと。俺は祈って止まない。


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131 :歌-仙-兼-定
02/14(日) 20:54


おめでとう!!!!!
>>>206本丸の方に向けて腹の底から叫ぶ)

一先ず確保。
そろそろ作っていたお菓子が出来上がる頃合いなものでね。

>>>

任務に次ぐ任務で休む暇が見当たらない。
常に追いかけられているような状況が、しんどいような、いっそ楽しいような。
何か問題が起こった時、どうしても誰かを責めてしまいたくなりがちだけれど、自分が出来る事も有った筈だと必ず振り返るようにしている。
後からだから言える事、かも知れない。けれど、だからと言って自分を甘やかすのは好みでは無いからね。
うっかり零してしまった愚痴にも反省して、明日も背を伸ばして任にあたりたいものだ。

#すっかり遅くなってしまった私信

>>>318
寒中見舞いどころか余寒見舞いの季節となってしまってすまない。
病が流行っていると聞くけれど、君の所はどうだろうか。
僕はお陰様で、大きな病気などせず、新年から遡-行-軍討伐に勤しんでいるよ。
「友人」と言ってくれて、本当に有難う。その言葉は昨年に綴られたものだけれど、僕が目にしたのは今年の事だから、今年起きた嬉しい事、に書き連ねておきたい。
君の帳面に綴られる、楽しげに遊んで居る様子や、丁寧な言葉での語りを、これからも拝読出来る喜びに浸りつつ。遅ればせながら、今年一年、君の目に多くの美しい物が映る事を祈って。

>>>89
温もりの残った座布団は一先ず脇に置いておくとして、バトンを受け取ってくれて有難う。
うん、すまない、すっかり忘れていた。そして尊敬する君達にこういうツッコミを入れるのはとても躊躇われるのだけれど、言わせて欲しい。
脚に興味が無いだのこだわりが無いだの、一体何の冗談だい?
随分詳細に語ってくれているのは君達の性格故の事かも知れないけれど、それだけ語れるなら立派にフェチだよ! 脚フェチを自認する僕が思わず感心して唸ったレベルだよ!?
と、まあそれはさておき。
随分と長い間帳面に綴られる様子が無かったから、少しばかり心配していたのだけれど、相も変わらず二人とも元気そうで何よりだ。
やはり、君達の綴る言葉が好きだなあ、と思う。人の温度が有る、と言うのかな。君達の帳面を捲る度、感嘆の吐息が零れるんだ。
これからも一ファンとして、君達の記す言葉を楽しみにさせて貰うね。

>>>206
結婚を知ったその瞬間に思わず叫んでしまったよ……我ながら風流じゃないなと、後々深く反省した。
けれど、それほどに嬉しかったんだという事で一つ、無礼を許して欲しい。
改めて、ご結婚おめでとう御座います。
祝いの品は何が良いだろう、と色々に考えたのだけれど、表紙も中身も全て真っ白の、辞書かと紛うような分厚くて丈夫なアルバムを贈らせて貰おうと思う。
二人で表紙を飾って、これまでの事も、これからの事も、二人で選んだ様々な事を残せるように。
僕も相変わらず元気だよ。君達も元気そうで何よりだ。今年一年、病などせず健やかに過ごせるよう祈っている。
誰かの慶事で、こちらまで胸が詰まる程に嬉しかったのは久々だ。本当におめでとう、末永くお幸せにね。


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130 :歌-仙-兼-定
02/12(金) 00:36


夜の訪れる一瞬前、空が瑠璃色になる僅かな時間。
たまたま外に出て見上げた空がそんな色をしていると、何処か違う所に迷い込んだ気持ちになる。
逢魔が時、と言うには、少し遅いか。
けれどあの時間こそ、異なる場所と繋がるような、そんな気がするんだ。

自分の居場所は何処に有るのだろうと、たまに考える事が有る。
勿論僕は主の刀だ。主の元に有るのが正しい。
では、主とは誰だろう。
僕を此処に呼んでくれた彼は、確かに僕達の主だ。だけれど、僕本来の身は、別の所に在る。
僕はあの家によって守られ、ある時など大金を払って呼び戻して貰った身でさえあるのだ。
あの家が無くては僕はない。僕がなくては、僕の主は僕を呼べなかった。

「二君に仕えちゃならないのは、人間の話だろ? 俺らにそれは無理だって」

それが出来れば理想かもしんないけどな、と。
後-藤は困ったように笑う。
そも人でさえ二君に仕えない者の方が少ないのではなかろうか、とも思う。
考えてみればこんな言葉は、今はとうに無くなってしまっているのかも知れない。

「でもさ。俺達にはただ一つ、絶対変わんねーってモンが有るだろ」
――変わらないもの?
「矜持、って奴」

とん、と胸を叩いて、彼は笑う。いつも背丈の小ささを気にしている彼が、なんだか酷く大きく見えた。

「主が変わっても、どんな苦境に立たされても、燃えても、折れても、どんな事が有ったって。俺は俺だ。天下に名の知れた粟-田-口の刀として、そこだけは変わるつもりねーもん」

それはきっと、人でいうなら魂のようなものだと思う。
真っ直ぐに伸びた背が、一点の曇りもない両の目が、いかにも、かの吉-光の刀らしい、と思った。
自分の在る所が自分の居場所、という訳だ。それは、弱くては決して出来ない考え方だ。

――雅だなあ。

呟いた言葉は、おやつがチョコレートだと知って上がった彼の歓声に掻き消された。
誰ぞが週末に向けて練習しているらしいそれは、恐ろしく甘くて、ほんの少しだけ苦かった。


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129 :加-州-清-光
02/06(土) 03:20


自慢じゃない、というか、最早コンプレックスなんだけど。
良い子だね、ってよく言われる。
ありがとーって笑って答えるけど、アレさ、なんで褒め言葉みたいに扱われてるんだろうね。

そもそも、良い子って何さ、っていう。
都合の良い子? 聞き分けの良い子? 使い勝手の良い子? ……あ、使い勝手が良いのは嬉しいな。刀の身なら。……話が逸れそうだ。
ええと、何て言うのかな、よくわかんないけど、もやもやするんだよね、胸の辺りが。

良い子で居ると可愛がって貰えるの? っていうと、まー、可愛がっては貰えるんだよ。
でもなんか、俺が求めてるのと違うっていうか……、ああ、そう、つまりさ。
良い子じゃなくなったら愛して貰えないんだね、って思っちゃう。

そりゃあ、俺は良い子かも知れないよ? でも、ずっと良い子な訳が無いじゃん。
この身には欲が宿る訳で、良い子じゃなくなる場面だって、少なからず有ると思う。
そうなった時にさ、「良い子だね」って愛してくれた人は、良い子じゃなくなった俺を愛してくれるの? って。
それが不安で、俺は「良い子」で居続けるから、実際どうなのかはわっかんないんだけどさー。

良い子、に限らず、レッテルって奴には大概そういうのが有るよね。
頭が良いね、とか、強いね、とか、元気だね、とか、どんな言葉であれ、さ。
そうあれかしと望まれたら、そうあろうとしちゃうのが道具の性ってもんじゃん?
だからかな。押しつけがましい、って程大袈裟じゃないけど、なんとなーく、嫌な気持ちになっちゃうのかも知れない。

「俺は主の事を尊敬しているし、素晴らしい方だと思っているが、あの方を完璧な方だと思うつもりは無い。というか、思いたくない。その様な言葉を背負わされるのは、重圧だろう」

長-谷-部は、主に陶酔しきった顔をする癖をして、しれっとこういう事を言う。
これ聞いた時は思わず膝を打ったよね。そう、それだよ、って。
自分で言われるのは嫌だなーって思うわりに、人にはついつい言っちゃいそうだから、気を付けて行きたいよね。

そういえば、主は俺に良い子だとは言わないな。その辺り、やっぱり刀は主に似るのかも知れない。
主は、どんな俺なら愛してくれるんだろう。聞いてみようかな、でも怖いなあ。


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