日記一覧
┗70.滅紫の黎明(11-15/40)
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15 :
へ/し/切/長/谷/部
06/05(金) 02:17
よもや俺に回ってくるとは…
>>>59の俺から回してもらった。改めて礼を言わせてくれ。いつも読ませてもらっている日記の持ち主とこうして関わりが出来るのは嬉しい。
主命は禁止語句なのか?それじゃあ燭/台/切にでも…と思ったが、奴は遠征で居なかったのでな。つまらん回答なのは百も承知で俺が答える。
『もしも、子どもに聞かれたら?』
#『大人と子供ってどう違うの?』
過去に、あの頃に戻りたいと思ったら大人、早く大人になりたい、未来が来てほしいと思ったら子どもじゃないか?大人になると途端に過去が懐かしく、愛しく思えるものだからな。
#『空はどうして青いの?』
あの色を青色と名前をつけた奴が居るからだ。あれを赤、と昔の人がつけていれば、今は空が赤色だったのかもしれん。
#『どうして犬は助けるのに牛は食べるの?』
犬を食う奴もいるぞ…そういう問題じゃないか。勝手な人間の都合、だな。お前のその純粋な感性は大事にするべきだ。
#『どうして人を殺しちゃいけないの?』
お前に家族や友人が居るように、その人にも居るからだ。大勢の人間が居ても、一人一人違う人間で違う人生があるんだからな。それに殺したって、周りの人間にもその人は記憶されている。その人を失った皆の人生が狂ってしまうだろう?
#『なんでみんな学校に行くの?』
学びたいと思うからそこに行くんだ。本来は、な。学べる時間は後になればなるほど、大事な時間だと気付く日が来ると思う。だから今は嫌でも、未来の自分のためにきちんと行くんだぞ。そうすれば、きっと過去の自分に感謝する日が来る。
#『どうしてお金持ちと貧乏な人がいるの?』
どうしてだろうな。家柄、家業、稼ぎ…色んな要因があると思う。ただ、金持ちだから幸せだとは限らないし、逆に貧乏だから不幸とも限らない。金持ち、は読んで字の如く、金を持っているだけだからな。
#『どうして戦争があるの?』
お前も友人と喧嘩したりするだろう?それと同じことだ。ただ違うのはもっと金を持っていて、敵対する人間同士の数が多いことくらいだな。傍から見てみれば考え方が違う人間が居るのは当たり前のことだ。寧ろ同じなんて気味が悪いと思うんだがな。それでも古今東西争いが耐えないのはもっと汚い大人の事情、ってやつだ。…大人になれば嫌でも解る。
#『どうして人は死ぬの?』
順番に死なないと地上が人で溢れてしまうだろう?それに俺達刀と違って、人間の身体はあまり長いこと生きるのに耐えられないらしいからな。修理も兼ねて一度空に帰るんだ。そうしてまた捏ね直されて象られて、息を吹き込まれ地上に帰ってくる。だからきっとまた出会えるさ。
#『赤ちゃんはどこから来るの?』
お前の父と母が抱く愛と希望からだな。俺達が生まれた時もそうだったらしい。丹精込めて、丁寧に愛情を注がれて作られたんだ。そんな風に、お前が生まれる前もまだ見ぬ希望に胸を膨らませた両親がお前を作って、愛情でそこに迎えてくれたんじゃないか?
#『どうして鳥は飛べるの?』
翼があるからだ。俺やお前にはそれがないから飛べないわけだが、その代わりになるものはいくらでもある。案外鳥だって、どうして人間にはあんなことが出来るのか…なんて羨んでいるかもしれないぞ?
#『幸せとか不幸ってなに?』
気付くか気付かないかの差だ。同じことを体験したって、幸せだと思う奴も居れば、そうじゃない奴も居る。小さな欠片を幸せだと拾い集められる奴は、何があっても幸せで居られる。
#『今までの答えってホントなの?』
…さあな?お前が大人になってから確かめてみればいい。もしかしたら違う答えが見つかるかもしれない、でもそれはそれで良いんだぞ。お前が見つけた、お前の答えだからな。
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14 :
へ/し/切/長/谷/部
06/03(水) 03:18
時間が過ぎるのは存外早い。気付けば湿った土の匂いが立ち上る季節になった。雨粒が紫陽花の尖った広い葉と薄紫の蕚を叩く音が響けば、僅かに頭部に痛みを覚える。この花を見ると、もうそういう時期なのかと染々思うな。
この花は土の性質によって蕚の色を変え、酸が強ければ強いほど、赤く染まる。逆もまた然り、だ。 本丸にも裏庭の垣根の辺りに少しばかり植わっているが、この幅広の葉はどうも蝸牛にとっては居心地が良いものらしく、蝸牛の長屋が出来上がっている。短刀達がよくつついているが、気を付けないと紫陽花には毒があるぞ。
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13 :
へ/し/切/長/谷/部
06/02(火) 01:47
ああ、それは今まで歩いてきた轍なんだと、そう思った。決して緩やかではなかった。泥濘に足を取られて、躓いては転んでの繰り返しで。何か尊いものを失っては立ち止まって、過去を偲び惜しんで、時には慟哭しながら痛む身体を引き摺り、漸く此処まで来たんだと。傷が付けば付くほど磨かれ輝きを増すそれは、いつしか俺の中で在ることが当たり前になっていたらしい。塞ぎ込んで地面を見詰めていた瞳が、もう一度天を仰ぐこの瞬間をしかと見届けたい。過去への決別と、未来への一歩を。
愛してくれるか、だと?
愚問だな、骨の髄まで愛してやろうじゃないか。骨が軋んでその唇が痛みを訴えようとも、離しはしない。
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12 :
へ/し/切/長/谷/部
05/31(日) 03:47
椿がその重たい頭をもたげ、青々とした芝の上へと落ちた。一つ、また一つと叩き付けられる様に落ちていくとその度に耳障りな音が響く。さあ、俺の前には今幾つ転がっている?
真紅の絨毯の様に辺りにその花弁を散らせば、俺の靴の爪先を汚した。見下ろすと悲痛な面持ちのまま、落ちたことにすら気付いていない様子の花と目が合ったが、 最早興味もない。靴裏で踏み潰す様に擦り付ければ最後、影も形もなくなった。
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11 :
へ/し/切/長/谷/部
05/28(木) 00:11
視界が歪んで珠の様な冷や汗が額に浮かんだ。悟らせてはいけない、背中を向けてはいけない。戦う為の道具たるもの、逃げるわけにはいかない。
誰かを傷付ける為の道具でしかない、そう思っていた。所詮そこに宿って微かに形作られた魂の様なもので。紛い物、擬きでしかない。霧散すれば消え去り、朧気だった形すら失われる。誰かを守る為に存在するなどと、あの頃の俺にはとてもじゃないが思えなかった。
人で在りたい、などと過ぎた願いを唇に乗せることは許されない。 言葉は紡がれず、喉の奥で潰えた。
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