日記一覧
┗86.美しく残酷にこの世界から去ね(1-5/36)
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5 :
歌_仙_兼_定
05/25(月) 16:19
人里へと降りる。雅やかな衣装が翻る。
異物を見るような眼は気にしない。ただ人の暮らしが見て見たかっただけだからねぇ。
小さな小さな村だった。色合いの似たような建物が並び、石の筒がところどころで高く伸びている。
石の筒は紐をかけていたから何かを伝える物なのかもしれない。僕にはそれが何かよく分からなかった。
地面も土と違って石でできているためか、硬い。
山奥でみた四角い箱が沢山あった。
>「ねぇ、君」
風の流れと思考の海を堪能している最中、呼ばれる。
急速に引き上げられるこの感覚はいつ感じても、慣れない。
>「君も刀_剣_男_士だろう?珍しいね。単騎出陣かな?」
柳のように長い青緑の髪の男が話しかけてきた。
見たことの無い…洋装というのだろうか。紺色の様相に死に装束を肩にとめていた。
僕は意味が分からず立ち去ろうとする。止められた。
>「ツレないなぁ、歌_仙くん。」
>「歌_仙_兼_定。君の名前だよね。」
#「…何故貴様が知っている。」
>「僕達の本_丸にもいたからだよ。でも君はいっとう珍しいよね。」
#「珍しい?」
>「んーん、気づいていないならいいよ。もしかしたらあっちの軍隊から逃げ出した刀なのかな?」
>「興味があるよ。」
>「少し気になることは沢山あるけれど。君の本_丸はどこだい?」
#「本_丸?」
聞きなれない言葉の羅列
蛇の目を持つ男に僕は心底不機嫌になった。
桜の下で生まれて以降、こんな「感情」を持ったのは初めてかもしれない。
胸が焼ける様に痛い。相手に刃を突き立てたくなる。けれど、この世界がもはや戦乱の世でないことは
明らかだった。何故だかそう感じた。蛇のような男がにっこりと笑う。
>「やっぱり逃げてきた刀だね。ねぇ、僕の本_丸に来なよ。僕たちの主も喜ぶよ。」
#「…貴様の言う事など聞かん。失礼する。」
すっかり機嫌を悪くした僕は踵を返し、山への路をとった。
頭が情報で溢れる。雅ではない。早く帰りたい。
歩幅を大きく、腕を早く振りながら僕は桜の元へ戻っていく。
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#「…青_江、ここにいたのか」
>「あ、石_切_丸…聞いて。歌_仙君を見つけたよ。」
#「之_定を?ここは戦場ではないが…。」
>「誘ったけれどちっともきてくれない。つれないよねぇ…。」
#「君の言い方が悪かったんじゃないか?」
>「石_切_丸までそういうのかい…硬くていやだねぇ。態度が。」
#「……。」
>「分かっているよ。僕は君に馴染んでいるだろう?僕が欲しいなら欲しいっていえばいいじゃないか。」
#「……其れならば良い。私と違って君は妖_刀だから、邪な者に魅入られるのが心配なだけだよ。」
#「さぁ、帰ろう。主殿が待ちかねている。」
>>6
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4 :
歌_仙_兼_定
05/24(日) 19:13
春夏秋冬は流れていく。誰に引き止められようと。誰になきつかれていこうとも。
芽吹き、茂り、赤らんで、落つ。
雅だねぇ。
それなのにこの老いた櫻といったら。人知れず、僕が目覚めたときから咲いている。時間に反するかのように。淡く光る花びらは妖しく美しい。
だが、雅に欠ける。
ここにいると、夢を見ている気分になる。一炊の夢。栄華を具現化したようなそれは醜い人間の顕示欲のようで君が悪い。
#最も
僕もその一振りには違いないが。
>>5
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3 :
歌_仙_兼_定
05/24(日) 18:51
気が付くといつも風景がかわっている。
始めはかの人の倉だった。小_夜と一緒に話していた気がする。
瞬きすると山のなかだった。美しい原風景。人が立ち入ることすら許さない。
遠くに町並みを確認したと思ったらいつのまにか廃れていた。
今度はあの廃墟にいってみよう。何かおもしろいものを見つけられるかもしれない。筆と紙がほしい。いつしかのように、歌をうたいたいからね。
#かえることのないうたを
生きているかぎり、繰り返し。
>>4
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2 :
歌_仙_兼_定
05/23(土) 17:43
僕は主人を知らない。
気が付いたら美しい櫻の下で目を覚ましていた。他に気配はない。以来ここで寝泊りをする。腹もすかないし、汚れることもない。意志はあるようだね。
僕は僕でありつづける意義を見いだす。
時折、四角い箱が通る。楽しそうにゆれる。あれの名前を僕は知らない。
四角い箱が谷底におちた。興味本位で降りていくとまだ息があった。
かわいそうに。僕は引導を渡した。計算ごとは苦手でね。何人なんて数えていない。赤かった僕自身が櫻の元に戻ると、いつのまにか清められていた。
>>3
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1 :
歌_仙_兼_定
05/21(木) 21:16
妖となり、半永久的に咲き誇る――桜に捧げる無限の37体目
【但し書き】
一、創作風(創作設定有)
一、エログロ横文字有
一、NPC有
一、同性愛異性愛諸々愛混在
一、何でも許せる者向け
一、無明
一、無明
一、僕は君の知らない誰かであることは確か。
【はじまり】>>2
【閑話休題】>>17,>>28
【本棚】>>30
【その他】
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