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┗Aについて。(123-132/141)

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132 :跡部景吾
2010/03/01 00:30

日吉は昨日今日と古武術の試合だったらしい。
帰って来た時の妙に険しい表情を見て、負けたか、と声を掛けた俺は恋人として終わってるような気がした。
それに気付いたのは、アイツが無言で俺を睨んだ後だったが。
その頭を乱暴に撫で回すと、うるさい、と呟いた後、ばつが悪そうに視線を逸らした。
まだ何も言ってねえだろ、日吉。

だが実際は、残念だった試合結果よりも、古武術関係のお偉方や、その家族やらの接客が相当に疲れたらしい。
父親が師範ってだけで結構な猫被りが必要だったと、結構な間、日吉はぼやいていた。
そういやコイツ、対人関係に弱かったんだなと、極めて他人事のように思う。
疲れた面倒だったと心底ダルそうに語る日吉の顔を見ると、安堵にも似た愛しさが込み上げてきた。
毒を帯びた言葉の端々に、何の遠慮もない事が分かる。

『アンタ、なに笑ってるんですか』

お前が俺の恋人だからだよ。





†  †  †  †

っつう日記を書いてる最中、ウナギな告知に気付いてビビッた。
生きている内に一度は話してみたい相手現在首位の相手だったんで、対人戦向きの人間を派遣。
人生二度目の集会は予想通りに溺れたが、ツラを拝んでその声が聞けただけで満足した。
質の良い音楽を聞いたような気分だ。

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131 :跡部景吾
2010/02/27 00:56

平和ボケした頭だと我ながら思うが、時々日吉が死んじまった時の事を考える。

他人の死を経験して生を実感するように、他人の生を強く実感すると死を感じるのかもしれねえ。
時事ネタなら、フィギ.ュアスケ.ート。
トップアスリートに生を感じる事は少なくないが、エフ.ゲニー・プ.ルシェ.ンコの『ニジ.ンスキーに捧.ぐ(2004ロシア.杯)』は、見る度に死にそうだな、と思う。
勿論、俺がじゃねえ。氷の上で踊るその男がだ。
悲壮感を感じさせる楽曲も相俟って、そのまま壊れてしまいそうな儚さを感じる。燃え尽きる前の蝋燭のようなイメージだ。
恐らく、これ以上はないだろうと思わせる、いっそ危ういほどの完璧さをそこに見ているからだろう。
それは生の限界と似ている。


日吉。お前に触れる時、抱き締める時、時々ゾッとするほど存在を儚く感じる。
俺は中二感覚でお前との関係に酔っているだろうが、それを抜きにしてもやはり思っちまうんだよ。
それは多分、限界に近いほどお前が俺の傍にいるからで、同時に俺の限界でお前を愛しているからだと思う。
大袈裟な話だと思うか?まあ、お前がどう思おうが、構いやしねえが。
お前がいるだけで風景が鮮やかになる。蝉も花も悲しいと思える。
こんな風に、ポエムなんだか何なんだか分かりゃしねえ寒い日記も書ける。
錆び付いていた感受性が外側に開いていく。

お前がただ傍にいるだけで、俺は生きた時間を、生きていける。

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130 :跡部景吾
2010/01/24 06:29

寝ても覚めても日吉が愛しい。

アラームよりも早く目が覚めた朝、最初にとった行動は手探りで存在を確認する事だった。
俺に背を向けて眠る日吉は、規則正しく息を吸い、吐く。僅かに肩が膨らんで、生きている事が分かる。
抱き締めても起きねえのは何故なんだ、日吉。
普段は気配に敏感で、やたらと神経質な癖によ。

死んでもいい。
どうしてこんな風に考えちまうんだろうな。
冷静になれば、死にたいとは全く思わねえぜ。1ミリもな。
それなのに、お前を抱いて目を閉じると、やはり俺はそう考えちまう。
お前が好きで仕方なくて、吐き出しそうで、途方もなくて、このまま死にたくなるんだよ。

日吉、お前は俺の心臓だ。

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129 :跡部景吾
2010/01/23 00:26

日吉と、時々隠れてキスをする。
気配のない部室で。密室化した生徒会室で。屋上へ繋がる踊り場で。あるいは、夜の公園で。
完全な死角さえ確保出来れば、制服姿のアイツの股に脚を割り込ませる事もある。
俺達は若く、それ以上に衝動的だ。


今日の放課後、三階に続く階段を上り切る少し前で、部室へと急ぐ日吉に偶然出くわした。
段差のせいで俺より数センチも高い位置にいる日吉は、一瞬だけ驚いてみせた後、すぐに他所行きな表情を取り繕った。

「これから部室か?」
『はい』
「俺は生徒会の雑務だ。今日のメニューは忍足から聞け」
『わかりました』

周囲には俺達以外いない。…にも関わらず、俺も日吉も、喉に癖が染み付いたかのように当たり障りのない言葉だけを選ぶ。
何故かそれが妙におかしく思えて、俺は続く筈の言葉を失った。
互いしかいねえ今この瞬間ですら、『先輩と後輩』を演じる自分達が滑稽で面白い。

背後も確認しないまま一段先へと踏み込み、日吉の襟口を力任せに引き寄せて、斜め下から唇に噛み付く。新鮮な角度だ。
反射的にきつく瞼を閉ざした日吉は、唇が離れると同時に両目を軽く見開き、声なき声を発して俺を責めた。
ああ、この表情は『何考えてんですかこのハゲ!』だな。それが解るからこそ俺は何も言わねえ。ただ、からかい半分に目で笑う。

「今日の部誌担当はお前だ。コメント欄、忘れずに書いとけよ」
『…はい』
「どうした?」
『いや、何でもないですよ。それじゃ』
「ああ」

階段を上ってくる女子グループの声に気付いて、日吉は平静を気取る。
そうして別れた擦れ違い様に、小声で『バカですか』と言われた気がして、俺は背を向けたまま『嫌じゃねえ癖に』と脳内で毒突いてやった。

街中で手を繋ぐような開けっ広げな恋人行為なんざ、俺達ホモ野郎カップルには難易度が高え。
世間の目から隠れて独占欲を発揮するぐらいが丁度良い。
俺は毎日楽しいぜ、日吉。
俺達が有りの侭に自由なら、小さな砦のようなこのマンションで溺れる事はきっとなかった。







(元々、本人にバレない為の『A』呼びだった。今となっては意味がねえから、日記タイトルに反抗して捨ててみる)

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128 :跡部景吾
2010/01/21 00:11

『部長、アヘ顔って何ですか?』
「は?」
『いや、だから、アヘ顔って何ですか?』
「……」
「俺はそれを知らねえお前が良いと思ってんだよ。この複雑なタチ心、利口なお前なら解ってくれるよな?」
『アンタが答えないなら、勝手に調べますけど』


おい、どこのどいつだ。
俺の純情なAにくだらねえ単語を教えやがった変態野郎は。
絶対に許さねえ。絶対にだ。

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127 :跡部景吾
2010/01/20 00:27

『付き合う付き合わないに拘りはないんだ。僕はこのまま彼を愛せる事が幸せで、毎日言葉を交わせるだけで満ち足りる』

どこかで聞いた事のあるフレーズだと思った。
自分も使った事のあるフレーズだと思った。
そして、関係に名前を付ける事に拘らねえこいつらは、いつかデキちまうんだろうな、と思った。

それを語る男の、満ちたような、もどかしいような視線の先に過去を投影する。
恋愛から肉体関係を差し引いた全てのものを貰っている状態か、と断定気味に問い掛けると、まさにそれだと男、…不二は笑った。
そんな答え合わせな言葉を聞く度に、意識の片隅で、色褪せたフィルムを鮮やかに現像する。いつかのAを男に重ね見る。
悪くない憧憬だと思った。

男との会話を終えた後、妙に充実した気分でマンションに帰ると、Aが玄関まで出てきて遅くなるなら連絡しろと不貞腐れた顔をした。
その声を無視して腰を抱くが、Aは抵抗しない。
怪訝そうな視線を無視してキスするが、Aは抵抗しない。

俺はそれだけで、ただそれだけの事で満ち足りてしまう。



『僕達には果てが想像できないんだ』

だろうな。未だに俺も分からねえよ。

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126 :跡部景吾
2010/01/18 08:11

某後輩が、日記そのものに関するバトンが欲しいっつってたような気がして作成したんだが、
今メールを読み返したらヤツが欲しいのは『日記書きの為の100のお題』だった。
まあいいだろ。1/100のお題が『日記に関する9の問答、に答える』って内容でもよ。



>『日記に関する9の問答』
>>回答時のコピーペーストに mb2.whocares.jp


>①日記タイトルと、その由来について述べよ。
『Aについて。』
日吉(A)にバレないように眼鏡野郎に代筆を頼みつつ、アイツの名前も『A』に暈して日記を書き始めたんだが、
見付かっちまった今も、未だに『A』呼びを引き摺ってこの通りだ。
恋人イコールA。そのAについて書く日記だからって事だけが由来の、何の捻りもありゃしねえタイトルよ。
以前の『My song』は曲名。当時、Aへの感情を的確に表していた曲だった事から丸パクリした。

>②日記によく出てくる人物(主、恋人、友人等)についての紹介を。
俺 /跡部景吾。Aの事が好きで仕方ないだけの、ただの男。
A /日吉若。日記主である俺の恋人。元二丁目住人。
非モテAV野郎 /仁王雅治。住所は六丁目。コードネームはブルーフィルム。恐ろしくモテない。
ジロー /芥川慈郎。住所不定のチームメイト。部活後に女の趣味を語り合う中学生男子な仲。

>③日記を書く時によく聴いているBGMは?
そういや、同丁の俺様だかその友人の猫野郎だか覚えてねえが、俺とAの日記BGMを『さくら,んぼキ,ッス』だと言ったヤツがいたな。
歌詞を調べて爆笑。いっそ自己イメージを見失いそうになったが、実際は無音が多い。時々、雨音。
と見せ掛けて、今はレッチ,リの『ca,lifo,rnication』をコンポから垂れ流しているが。

>④日記1ページにつき、かかる所要時間は?
内容と長さによる。10分の時もあれば、30分かかる事もある。

>⑤この日記を書き始めた目的(あるいは動機)は?
Aについて書きたかった。

>⑥今現在、日記を書いている理由は?
Aについて書きてえからだ。

>⑦書き始めた当初と今。変わった事は?
1ページ目だった日記が、126ページ目まで進んでいる。
Aの指先にさえ触れてねえ3ページ目の俺は、40ページ目でセックス中毒になり、80ページ目でAの言う『月が綺麗ですね』を悟った。
…で、126ページ目の今、それを思い出して笑える程度には心の余裕が出来た、と。

>⑧日記における自分と、日記外(実際の対話時など)の自分。違いはあるか。
基本的には変わらねえ。
実際に会って話しても、俺のテンションは相手を問わず一定してこんな調子だぜ。
ただ、日記外の俺はAの話を殆どしねえから、そういう意味では全く違うとも言えるな。振られりゃいくらでも話すが。

>⑨日記を書く時に気をつけている事、心掛けている事、拘りなどあれば。
A以外の話を書き過ぎない事。
俺の日記帳を俺がどう書こうが自由だとも思うが、テーマに反するんでな。自分ルールみてえなモンだ。

>⑩バトンを回す相手。
ベラドンナ
桃色焼肉屋EX
pprk.
純情ディストーション





住所不定無職。ハーモニカ装備の不二  mbb.whocares.jp

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125 :タイトル/『日記に関する9の問答』
2010/01/18 08:10

>『日記に関する9の問答』
>>回答時のコピーペーストに mb2.whocares.jp


>①日記タイトルと、その由来について述べよ。

>②日記によく出てくる人物(主、恋人、友人等)についての紹介を。

>③日記を書く時によく聴いているBGMは?

>④日記1ページにつき、かかる所要時間は?

>⑤この日記を書き始めた目的(あるいは動機)は?

>⑥今現在、日記を書き続けている理由は?

>⑦書き始めた当初と今。変わった事は?

>⑧日記における自分と、日記外(実際の対話時など)の自分。違いはあるか。

>⑨日記を書く時に気をつけている事、心掛けている事、拘りなどあれば。

>⑩バトンを回す相手を。

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124 :跡部景吾
2010/01/14 01:56

何故かと訊かれても理由はねえが、女なら年上。男なら断然年下が良い。
共通して勝気。付き合うと案外甘えた。フェロモン系なら最高だ。
ってな話を、ベッドでAと。

『つまるところショタコンなんですね?』

Aの返事は相変わらず想像斜め上で良い。
「年下好き」以外のどこから短パン趣味属性を汲み取ったんだか解りゃしねえ。
中学二年のホモ野郎なりに考えた自虐的なギャグのつもりなら、笑ってやるのが優しさか?
…などと思いながらも面白半分に肯定してみたところ、女子高生がハゲオヤジに向けるような、嫌悪感丸出しな目で見られた。
M心が疼いて困るぜ。

ちなみにAの好みの男と言えば犬気質の草食系で、本人曰く俺を裏返しにしたようなタイプらしい。
どうしてアンタに惚れたんでしょうね、と携帯を弄りながらAが呟く。さあな。どうしてなんだか。
それを問うなら、お前以上に俺の好みの属性を持つ連中だって巨万といるぜ。
恋人の理由をテメエの理想から選ぶなんざ、ナンセンスな後付け論だ。

お前だってきっと俺の理想の集合体じゃねえ。
更に言うなら、タチ側の人間である俺は、需要と供給の関係上、これから探して選ぶ事だって容易に叶う。
くだらねえ話だろ?

俺はお前がいいんだ。ただ、お前が好きなんだよ。






住所不定になっちまったらしい不二は此処に mbb.whocares.jp

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123 :跡部景吾
2010/01/07 22:19

正月休みの暇潰し用に購入した小説が、何冊か手元にある。
Aに溺れた事で結局は無駄になっちまったが、そんな事よりも、ナイトテーブルの上に積まれたそれが、コーヒーを置く時に邪魔になって鬱陶しい。
本棚にしまおうとすると、どうして無駄な買い物をするんだとベッドにいるAから睨まれた。
半分はテメエのせいだろうが。そして浪費したのは俺の金だ。
…と思いつつも、その顔が可愛かったんで素直に相手に従ってやる。そうして、昨晩はクソなミステリー小説を一冊だけ読破した。

本屋の評価に踊らされた事は二章に差し掛かる頃には理解していたが、それよりもひとつ、胸に響くシーンがあった。
特に描写に優れていたわけじゃねえ。展開も実に在り来たりだ。
ただ、恋人同士であるその男女の会話は、過去にAと交わしたやり取りに本質的な部分が酷似していた。

プロポーズの夜、男は女に己の罪を告白する。
過去の自分がいかに下衆な人間であったかという事を。そしてその当時、女に近づいた動機もまた、純然たる恋心ゆえではなかったという事を。
それを聞いた女は、まるで慈しむように目を細めて、今のあなたがどう在るかがすべてであり、過去に大した意味はないと語る。
だが、男はその言葉に驚くでもなく、相手の名を愛しげに囁くだけだった。
男の告白は、女が受け入れる事を知っていたからこその行為であり、女もまた、男がそれを理解した上で自分に告白した事を知っていた。
つまりこれは最初から男自身の為の懺悔だったってワケだ。



A、お前は時々自分を卑下してみせるな。特別な価値なんざ何一つとして持たない人間だと。
最初は、お前の言い分を否定し論破して、どう納得させるかをよく考えてたぜ。
だが、最近は、それに納得出来ないお前も自信のないお前も、すべてお前自身なんだと思うようになった。今はそれを理解して傍にいる。
俺が信じられないなら、出来る限りの努力をするつもりだ。だが、それでも信じられないなら、それはそれで構いやしねえ。
俺を信じないお前を、俺は最初から赦している。

俺には忘れられない言葉がある。恐らくはこの先も、あの夜とあの言葉を俺が忘れる事はないだろうよ。
お前にとっては他愛もないやり取りだったかも知れねえ。いや、そうだと思う。以前、訊いた時に覚えていなかったからな。
だが、俺にとっては赦しであり希望だった。俺という人間のすべてを認められたと感じた。

ただそこにいるだけでお前は俺の価値だ。俺側の事実はそこからずっと変わってねえよ。
お前がこれを信じても。そう、信じなくてもな。
お前が語る時も語らない時も、俺はお前の傍にいる。お前のすべてを愛している。
もしも叶うなら、お前にとっての俺も、運命を切り開く勇気となる存在でありたい。
赦しでありたいと、いつも願っている。

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