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┗193.『戦隊学園』制作スタジオ(61-80/850)
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61 :18
2021/05/23(日) 00:25:34
「マズルフラッシュ!」
私はプリエールに容赦なく炎を浴びせる。
「フンッ!」敵は日本刀で火をぶった斬った。
「な・・・!」
「我に切れない物は無い。そのカラーごと断ち斬ってやる!」
私は胴を、真一文字に斬り付けられた。
重い腹パンを喰らったような鈍痛が走る。カラーが私の命を保護したが、同時にそのカラーは力を消失した。
私は変身を解かれ、ぐじゅぐじゅの泥に膝をついた。
私の姿を見るなり敵は動きを止めた。
「げ!」
目を見開き、歯をギリリと鳴らした。
「白子か!!斬っては祟られる!あああ!!」
敵は一歩、二歩と交代する。
「うるさああああああああああい!!」
私は敵の胸ぐらに掴みかかっていた。
「白って言うな!!!!」
あの時のように。
私の白い身体は膨れ上がる。
ブチッという音で口は裂け、血飛沫が白い肌を汚す。
真っ赤な目は見開き――
「ひゃああ!悪魔めしねい!」
プリエールは日本刀を振り降ろした。
死んだ、そう思った。
レジェンドレッド――志布羅一郎が指揮棒で敵の日本刀を受け留めていた。
膨れ上がった私はその背中の後ろで、フー、フーと息を荒げていた。
「七海。おちついて。君の能力は素晴らしい。だが戦隊はチーム戦だ。1人で突っ走ってばかりでは駄目だよ。」
彼は指揮棒を敵に突き刺すように動かす。
プリエールは空中をもがきながら飛んでいき、砲台に激突した。
志布羅一郎は振り向いて、私に向かってこう言った。
「白は素敵な色だ。何色にでも塗れる。今は白でも、君の好きな色に染めればいい。卒業するころには君は、掛け替えの無い仲間たちに囲まれ、色とりどりになっているだろう。」
「先生・・・。」
私は元の姿に戻っていた。
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62 :19
2021/05/23(日) 00:29:11
「将軍!」
砲台に埋まり込み、身動きの取れないプリエール。部下の兵隊たちが群がって助け出そうとしている。
「ではとどめを刺そう。レジェンドタイフーンだ!」
志布羅一郎は指揮棒を回転させると、光の弾をを作り出した。
「砲台ごと消し飛ぶがいいのか?」とブルー。
「仕方がないだろう。もしもの時はそうしろと、校長からの通達も受けている。」
「よし。」
「Pink!」
「Green!」
「Yellow!」
「Blue!」
「Red!」
5人の戦士が次々と光の弾ををパスし、徐々に威力を高めていく。まるで、バレーボールのように。
「最後は君だ、White!」
弾はこちらに飛んできた。
「任せて下さい。」
私は変身を決めると、大きくジャンプした。
「Finish!!」
キックが決まり、弾は一直線に敵に向かって飛んだ。
「まずい!」将軍を置いて散り散りになる兵隊。
「待てコラ!うわ~来るな来るな来るなあああああ!!!!!」
弾は回転しながら、虹色に輝いて見えた。
「なんだ!虹が見える・・・虹が・・・きれい・・・うわあああああああああ!!!!!」
虹の弾はプリエールの顔面と砲台を貫通した。
砲台はスパッと折れ、直後木っ端微塵に吹き飛んだ。
轟音とともに砲門が落下し、兵隊たちを押し潰した。
「レジェンドタイフーン・虹です。」
「Horns Down。」
志布羅一郎は指揮棒を下ろした。
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63 :20
2021/05/23(日) 00:30:53
「ありがとう七海。君がとどめを刺したんだ。これからも学園を守護する者、レジェンドレンジャーとしてよろしく頼む。」
志布羅一郎は空を指さした。
「御覧、もう雨は止んでいるよ。雨が止むとほら」
私は変身を解き、空を仰いだ。
青い空に大きな虹がかかっていた。
「綺麗。でも。」
ちらちらと視界が白み、私は俯いた。
「私には虹が見えないの。」
真っ暗な世界で。
「死んだ?プリエール。ついにこの時が来たカモね!」
色とりどりの衣装に身を包んだ女が。
「じゃあ次は、アタシがアンタを真っ黒に染めてあげるからねぇ!!」
笑っていた。
「・・・待っててね、七海ちん」
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64 :げらっち
2021/05/23(日) 00:47:40
あ、感想はこっちでもオッケーです
今度ピクシブにもぶち込もう!
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65 :すき焼きのタレ
2021/05/23(日) 01:34:21
レジェンドレッドしにそうやなあ…
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67 :黒帽子
2021/05/23(日) 11:09:52
ネタバレしていい?
強化形態時に主人公の持ち色が虹色になる
これは読めた
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69 :黒帽子
2021/05/23(日) 11:53:17
プリエールの元ネタはなんなんだ?
祈るって意味が出てきたが
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70 :げらっち
2021/05/23(日) 19:45:29
>>69
「4月」なんだよねえ。
すなわち
MARCH
プリエール
次の敵は・・・
そして小ネタ
臨界戦隊ゲンカイジャー → ゼンカイジャー
海魚戦隊ヒラメイジャー → キラメイジャー
便乗戦隊リュウコウジャー → リュウソウジャー
直近の3戦隊でした。
パロネタやブラックジョーク、風刺をたっぷり盛り込みたい・・・
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71 :げらっち
2021/05/23(日) 23:27:17
主人公
名前・・・小豆沢七海
フリガナ・・・アズサワナナミ
性別・・・Female
クラス・・・文学
カラー・・・White
生年月日・・・2025/4/2
年令(2041/4/5現在)・・・16
身長・・・162.8(変身時165.0)
体重・・・53.0(変身時54.6)
血液型・・・不明
持病障がい等・・・先天性色素欠乏症、弱視(網膜の色素欠乏による)、てんかん(服薬により抑えている)、花粉症(重度)
髪・・・長い
爪・・・短い
家族構成・・・元々は父子家庭で兄弟は居ない。父の死後は学園の援助を受け独り暮らし。入学後は寮生活。
好きな食べ物・・・かなり辛いカレー、辛い物
嫌いな食べ物・・・甘い物全般
好きな色・・・白以外
嫌いな色・・・白
悩み(障害以外で)・・・YouTubeの広告が邪魔
変更になるかも
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72 :暇人大魔王
2021/05/24(月) 08:25:30
身長体重とか爪短いとか嫌いな食べ物とか悩みまで設定作ってるのすごいw
設定大好き人間の俺もビックリだ
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73 :黒帽子
2021/05/24(月) 08:37:56
戦隊学園のモチーフってげらっちの働いてる施設なのかなって予想
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74 :げらっち
2021/05/24(月) 14:43:36
身長もうちょっと低くしようかしら・・・
ちなみにキャラの名前は出席番号1番になる『あ』でパッと思いついたのを採用したが、七色の虹を追い求めているから七海っていう後付け設定もできた
何かしらの障害を持たせたらかわいいかなーと思って色々考えた挙句、色が重要になる戦隊プロットに無理なく落とし込めるアルビノを採用した。(身近にいるんだけど・・・)
初期案は発語障害を持った筆談で話す女の子で、楓(初期案は萌)が通訳係という設定だった
第1話はキャラ造形と入学に重きを置きすぎて戦闘シーンが投げやりな上、全体としても型通りの進行だったので、第2話ではプロット崩しをしたいです(`・ω・´)
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75 :げらっち
2021/06/01(火) 20:17:59
レジェンドレンジャー(LEGEND RANGER)
学園を守る学園守護隊。鼓笛戦隊とも。校長の特命を受け活動する。
○レジェンドレッド(LEGEND RED)
志布羅一郎(しふ らいちろう) 23歳
文学クラス担任/生物クラス副担任 メイン楽器:指揮棒
○レジェンドブルー(LEGEND BLUE)
辰巳了(たつみ りょう) 25歳
武芸クラス担任/格闘クラス副担任 メイン楽器:トランペット
○レジェンドイエロー(LEGEND YELLOW)
化学クラス担任/工学クラス副担任 メイン楽器:バスドラム
○レジェンドグリーン(LEGEND GREEN)
芸能クラス担任/忍術クラス副担任 メイン楽器:シンバル
○レジェンドピンク(LEGEND PINK)
魔法クラス担任/??クラス副担任 メイン楽器:カラーガード
○レジェンドホワイト(LEGEND WHITE)
小豆沢七海(あずさわ ななみ) 16歳
文学クラス出席番号1番 メイン楽器:?????
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76 :第2話 1
2021/06/04(金) 22:46:09
私は布団にくるまって、モゾモゾと体を動かしていた。
眠れない。
枕を甘噛みし、ティッシュの横のスマホを引き寄せて時刻を確かめる。
「2時――」
午前2時。明日は早いのに。
私は面倒くささを押し潰し、布団から出ることを決意する。
「トイレ。」
部屋に隣接するトイレで用を済ませる。
ウォシュレットも完備されており大変助かる。
布団の中では目が冴えたのに何故だろう。暖かい便座の上で、私はついうとうとしてしまった。
――僕が何故君をこの学園にスカウトしたと思う?ずっとこの時を待っていたからだ――
――白は素敵な色だ。何色にでも塗れる。今は白でも、君の好きな色に染めればいい。卒業するころには君は、掛け替えの無い仲間たちに囲まれ、色とりどりになっているだろう――
私がレジェンドレンジャーになったのはつい先日のことだ。
思い起こすと体が火照っている。
この学園を志望したのも元々、仲間が欲しい、認められたい、そんな愚直な願いからであった。
それがこうも上手くいくとは。
転がり込んだ幸運、
「これって高校デビュー?」
便器から腰を上げ、水洗レバーを捻る。
「柄じゃ無いよね七海。」
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77 :2
2021/06/04(金) 22:47:56
寝室に戻る。
ふすまを開けると私はゾッとして硬直した。
薄暗い部屋、畳に敷かれた布団。
その上では女がうつ伏せでスマホをいじり、脚をブラブラさしていた。
「ねえ、そこ私の布団なんだけど。」
女はこちらを見た。
「よくね?」
「どいて。寝るから。」
私は女をどかせようとする。しかし相手の方が先に手を出し、私の手首を掴んだ。
「そんなに楽しみなのかな?」
彼女は私の1つ年上の先輩であり、この学生寮のルームメイトである。
「離してくださいミドリ先輩。」
私は手を引き抜こうとするも凄い力で掴まれ痛い。
「素直に言っていいんだよ?明日が楽しみだから。早く寝たいから、ウザ絡みすんなって。」
面倒くさい。
でも正直に言う方が得策だろう。
「明日がどうとか関係なく、夜中まで動画見てるのは非常識だと思います。しかも大音量で。ちっとも眠れないです。あと痛いから早く離して。」
「わーざーとぉですぅー!!」
ミドリは鼻の穴を膨らませて笑った。
「うちは何度もLR(LEGEND RANGER)落とされてんのに、あんたは入学初日に決まるなんて――ねぇどんな手を使ったの?お金?それともあの変人好きの先生に、身体で払ったのかな?」
私は衝動的に腕を振り払った。
「先生をそんなふうに言わないでください。」
「わぁ怖~い。好きな男のために必死だね?でもさ知ってる?志布羅一郎という男を。」
ミドリはゲス笑いすると、私の目鼻の先にスマホを突き付けた。
私は眉間にしわを寄せて眩しい画面を見た。
ぼやけている上に遠目でわかりづらいが、男性教師が女子生徒と人目をはばかって校舎裏に居るのを上階から隠し撮りした、そんな写真に見えた。
「これうちの体育館なんだよね。」と、ミドリ。
「4年前、それに去年、それぞれ教え子の女に手を出してる。ちょぉーっと、左巻きの子ばかりを狙ってね。」
ミドリは指をくるくる回転させて小馬鹿にする。
「まさか・・・!」
確かに写真の教師は、志布羅一郎の背格好に近かった。
「これはうちがこっそり撮ったやつ。彼、校長のお気に入りだからどちらも無かったことにされたけどね・・・あんたもその1人・・・かもね。」
ミドリはしてやったりの表情だ。
私は相手の顔に掴みかかった。
「人でなし!!」
ミドリは「変身!」と叫ぶとミドリ色の戦士となり後ろにステップした。
「先輩に手を出したら、退学――」
ミドリは何か小さな道具を取り出す。メタルの持ち手に、鋭い針の付いた武器。
「マイナスドライバー!」
私は間一髪で左にかわす。反応が遅れれば私の右肩に針が貫通していただろう。
「でもさ、後輩をしごくのはおっけいなんだよねぇ。つまりうちはあんたを半殺しに出来る!あんたはやり返そうもんなら、校則違反で退学となる!単純明快!!」
ミドリはマイナスドライバーをひゅんひゅんと突いて攻撃する。
私は転がるように避ける。「そこ!」ドライバーが突き下ろされ、ドスッという音と共に畳に突き刺さった。
私は枕元のガクセイ証を手に取り、
「変身。」
白の戦士となる。
「やり返すのかな?」
「上等です。」
「プラスマイナス!!」
ミドリは両の手に武器を構え同時に突いた。
「ぎゃう!!!」
私はけだもののような声を出して。
その針を手のひらで受け止めた。
「!!?」
針は2本とも、ポッキリと折れていた。
「その程度だから留年して今年も1年生なんですよ、ミドリ“先輩”――」
ミドリは私と同級生なのだ。
ミドリは一心不乱に、私に飛び掛かった。
「なめんなよおおおおお!!!」
「针!」
まるで、ハリセンボン。
私は体中から棘を出した奇怪な格好になった。ミドリは串刺しになり甲高い悲鳴を上げ、倒れ、床を転げまわった。
「いだああああああああい!!!!」
「同級生じゃその校則は適用されませんし、そもそも、後輩に負けたなんて誰にも言えませんよね。ではおやすみなさい。」
私は横になると、頭から布団を被った。
運動したので今度こそよく眠れそうだ。
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78 :3
2021/06/04(金) 22:53:39
早朝5時――
私は音の立たぬように扉を開け、ひっそりと部屋を抜け出す。
本日は土曜日。明後日からの本格的な授業に備えて、ほとんどの生徒はまだ寝ている頃だ。
靴下でペタペタと廊下を歩き、突き当りの下駄箱に到着。自分のスニーカーを取り出し、しゃがみ込んで履く。
入り口の自動ドアは電源が切られているようで、私が傍に立っても開かない。
私はガラス戸を自力で横に引いて開け、学生寮の外に出た。
早朝の戦隊学園はすっぽりと霞に覆われていた。
てくてくと道を歩いていくと、ランニングをしている2、3人の生徒とすれ違った。自主練とは偉いものだ。
校庭脇のトイレを抜けると赤い石像が目に入った。
「誰なんだろ。」
よくわからないが由緒ありそうな戦士たちの像が、10mおきに5つ置かれていた。
「赤・青・黄・緑・ピンク。」
私はその横を通るたびに色を口に出した。誰なのかは台座の説明書きを見ればわかっただろうが、読む気も起きず、素通りした。
やがて私は東門に辿り着いた。
水門のように大きくて威圧的な正門とは違い、東門は実にこぢんまりとしていた。
民家の勝手口ほどの大きさしかない木の門。背の高い男性なら頭をぶつけてしまいそうだ。
「こっそり出るにはうってつけ」
門の傍には5人の大人が立っていた。
「おはよう!」
1人は志布羅一郎だ。燕尾服を着ている。
「おはようございます!」
私は明瞭に発音した。
「今何時かわかってるのか?2分遅刻だぞ!チーム戦は1分1秒が運命を決めると習わなかったのか?」
こう告げたのは青い蝶ネクタイを付けた男性教師。
「・・・授業はまだ始まっていないか。このへんは全クラス必修の“戦隊体術基礎”で叩き込んでやるからな。」
彼、つまりレジェンドブルーは早口でそう言った。
「ごめんなさい。学園がこんなに広いとは知らなくて。校庭をぐるーっとを迂回してきたんですけど。」
「言い訳はいい。その恰好は何だ?」
楽団のような正装をしている5人。
それに比べて私は水色のパーカーを頭からすっぽりとかぶり、ポケットに手を突っ込んでいた。
しかもサングラスをかけて。
教師陣からすれば私は、柄が悪く礼儀をわきまえない、非礼な生徒に見えただろう。
「問題ない。」
と、志布羅一郎。
「出立だ。」
彼が指揮棒を上げると、ガコンと門が開く。
ピンク・緑・黄・青の順で身をかがめて素早く門を出る。
「君もだ。」
先生が私を見る。
「先生。」
私は門を出る際に、1つだけ訊こうとした。
「何だ。」
――先生が生徒に手を出したという、あの噂――
「やっぱり何でもないです。」
私は門をくぐった。
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79 :4
2021/06/04(金) 22:56:11
Mt.(マウント)マンス
――機械で出来た人工の山であり、イヤー軍の本拠地である――
まるで廃墟の中を歩いているかのようだった。
「不気味ですね。」
自分の声がぐわんぐわんとこの空間をこだまする。
志布羅一郎が振り向いて「どうした?」という顔をする。
「先生、私おなかすきました。このままだとダウンするかもです・・・」
「さっきL-jetで食べた分が全てだ。腹が減っては戦はできぬと言うが、その反対も然り。満腹になると眠くなる。少しおなかがすいているくらいが一番神経が研ぎ澄まされるんだよ。」
「なるほど。」
私は適当に相槌を打った。
私たち6人は高台に立つ。本日も曇天。
見渡す先には巨大なビル群が、ジェンガの様にアンバランスに積まれていた。そのどれか1つを取っても今にも崩れ落ちそうだ。
これが敵の本丸か。
ブルーが呟いた。
「二千は居るな。」
鳥肌が立った。
不格好な天守の周りはしづかであった。
だが眼下をよく見ると、灰色の迷彩に身を包んだ無数の兵士たちが、銃を構えまるでチェスの駒の様に佇立している。
「デー兵だ。」
「動かないの?」
「命令があるまでは――もしくは、こちらが攻撃しない限りはね。七海、これは実に簡単な任務だ。」
先生は私の背中に回ると、両肩に手を置いた。
「校長からのお達しは、将軍プリエルの死でお留守になったイヤー軍の本拠地を攻め落とすこと。それはつまり、世界を征服せしめんとすイヤー軍を、壊滅させろということだ。」
「壊滅?」
今日はレジェンドレンジャー出動の日、そうとだけ言付かっていたのだが。
「か、簡単な任務じゃないんですか?」
「君が居れば、簡単なんだよ。」
先生は私の髪を撫で下ろした。
「終わったら2人で食事をしよう。」
「や、」
私は咄嗟に振り向いてその手から離れた。
先生は困った顔をして笑った。
「嫌だったかい?」
「嫌ではないんですけど・・・」
私はサングラスを下ろすと、青い瞳で先生をじっと見た。
先生はにっこりと笑った。
「ごめんなさい。私、先生のことすきかもです。」
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80 :5
2021/06/04(金) 22:57:44
レジェンドレンジャーの他の4人たちは、完全に蚊帳の外に締め出され、ポカンとしていた。
だが志布羅一郎だけは豪胆に笑った。
「奇想天外だね!何故この状況で!」
私自身わけがわからなかった。どうしてあのような言葉を発するに至ったのか。
私はまだ先生のことを何も知らない。その片鱗に触れただけだ。
私の知らない過去、あやまち、コンプレックス、様々な面を持ち合わせているに違いない。
それでも今は。
少なくとも現時点での、私の純粋な気持ちを知っていてほしかった。
「だ、だから!行きたいんです食事。ふ、2人で・・・」
私の白い頬は赤く染まっていただろう。
「オーケーわかった。任務が終わったら、美味しいご飯を食べよう。」
「や、やった!」
私は柄にもなく浮かれてステップを踏んでしまった。
軽率な行動だった。
「駄目だ!」とブルー。
私が蹴り上げた礫がコロコロと坂を転がり落ち、兵士の1体に、命中した。
バツンッと、何か大きなスイッチを押すような音が響いた。
「攻撃されたと判断したようだ。」
「う、うそ!」
見ると眼下の兵士たちが一斉に行進を始めた。こちらに向かいゆっくりと坂を上って来る。
更にはビル群の1つから青白いレーザーが放たれた。
志布羅一郎は言った。
「約束だ。まずは敵を片付けるぞ。」
私はガクセイ証、先生たちはブレスレットに呪文を吹き込み、瞬時に変身する。
「変身!!」
「レジェンドレンジャー!!」
この間約1秒。
レジェンドグリーンが巨大なシンバルを叩く。ジャァンという轟音がレーザーを霧散させた。
「Forward March!」
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