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┗212.小さな殺し屋さん(81-100/178)
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81 :黒帽子
2022/01/24(月) 20:07:41
>>79
年少女子の小説スレは9割以上の確率で雑談スレ化してエタることを覚悟しとけ
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82 :げらっち
2022/01/24(月) 20:13:29
年少…なのか?
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83 :ねむねむ
2022/01/24(月) 20:51:26
>>78
わーい°☆◝(⁰▿⁰)◜☆°
>>79
(((o(*゚▽゚*)o)))ワクワク
>>80
(⋈◍>◡<◍)。✧♡
>>81
小説再開します。
ずっと前から思ってましたけど、黒帽子って名前いいですね(`・ω・´)b
なんかかっこいい
>>82
(ω)ワカラナイ
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84 :ねむねむ
2022/01/24(月) 20:53:14
No.4 『彼女の最期』
あっという間のことだった。
彼女はふっと笑みを浮かべると、
「知ってたよ。こんなことしても、嫌われるだけだって。
お母さんには愛されないって。
知ってたよ……」
そう小さく言って、あきらめたように笑った。
彼女は最後まで、独りぼっちだった。
寂しそうだった。
そのまま、一筋の雫を頬に伝わせ、彼女はその手に光る刃物を自分の胸に突き立てた。
よく見ると、その手は細く儚かった。
彼女は、儚かった。
床に広がる血の海に、自身の悲しい赤色を交えながら、沈んでいった。
その儚い命をすくいあげるかの如く、そよそよとやわらかい春風が通る。
先生も、僕も、救急隊員や警察の人たちが来るまで動けず、ただじっと彼女を見つめていた。
やわらかい春の日差しに抱かれながら、彼女は静かに眠っていた。
とても、美しかった。
ぽとりと、彼女の頬から雫がこぼれ落ちた。
つい先程、彼女が流した涙だった。
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85 :ねむねむ
2022/01/24(月) 20:54:32
>>83
小説再開するとは言いましたが、感想、質問、指摘、小説に関係ない話、なんでもщ(゚Д゚щ)カモーンです。
賑わっていた方がモチベ上がりますしね(o^―^o)ニコ
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86 :ねむねむ
2022/01/24(月) 20:55:07
No.5 『現在』
彼女が自殺してから、25年経った。
俺も、一人称が僕から俺になったり、まぁ、人並みに成長した。
そろそろ彼女欲しいなぁとか、そんなことを考える余裕があるくらいには平和な日常を送っていた。そう、アイツ……山本と再会するまでは。
『やぁ。』
電話がかかってきた。俺の友人から電話番号を聞いたらしい。
「ひ、久しぶり。」
声が裏返りそうになった。
というのも、彼がよほどの変人だということを、俺はしっかりと覚えていたからである。
たとえ、25年前、あの事件が起こった日、たった数分の間一回きりしか喋ったことのない相手だったとしてもだ。
『ちょっと話があるんだ。会わない?』
俺はこの時断るべきだったんだと思う。
でも、
「いいよ。」
と答えていた。
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87 :ねむねむ
2022/01/24(月) 20:55:41
No.6 『再会』
待ち合わせ場所のカフェに行くと、すでに山本はいた。
にっこりと、少し不気味ともいえる笑みを浮かべてこちらに手を振っている。
「君、彼女いる?」
いきなりそう聞いてきた。
「いや、いないけど?」
まさか彼女が出来たから誰かに自慢したかったとか言うんじゃないよな。
あからさまにムッとした感じで返すと、山本は目を細めてさらに言った。
「欲しいの?」
まるで俺を試しているかのような……そんな目で、俺をじっくりと見ている。
「そりゃ欲しいだろ。」
「でも合コンとかには行ってないでしょ。」
「行ってねーよ。」
半ば不貞腐れながらそう答える。
じーっとこちらを観察している山本の目に、何か恐ろしいものを感じ、ふっと目をそらした。
窓から外を見ると、ちょうど交通事故が起こった。
赤信号を無視して歩行者を吹き飛ばすトラック……
宙を舞って鮮血をまき散らし、歩行者は道路に打ち付けられた。
ふいに、あの日の事件がフラッシュバックする。
ぐしゃ、という音を聞いた気がした。
「ねぇ、君はなぜ彼女が欲しいと思いながらも積極的に行動しなかったのかな?
合コン行ったりさ、いくらでも方法はあったのに。」
人の恋愛事情を探って何が楽しいんだろう。
コイツの目的は何だろう。
ただ、目の前の山本が薄気味悪かった。
面白そうに俺を見ながら話を続ける山本。
「面倒くさかったから?違う。
そこまでして彼女が欲しいわけではなかったから?違う。
伝手が無かったから?違う。」
そこでいったん言葉を切り、満足げに俺を見た。
彼は、窓の外を指さして言った。
「君は、あの時、恋してしまったんだろう?
僕みたいに、彼女の『哀れな姿』にさ。」
にやりと不気味に笑いかけてくる彼は、気持ち悪かったが、少しだけ間違っていないところもあったので、
「まぁな。」
と頷いた。
実際、彼女は美しかった。
「僕、今さ、ゲームを作ってるんだよ。」
「は?」
いきなりゲームの話をされて戸惑う。
「僕はね、彼女をゲームにしたいんだ。」
「何言ってんだお前。」
冗談にしても、とても普通の人間が言うこととは思えない。
眉を顰め、その言葉の意味を考える。
「彼女の哀れな姿を、美しい姿を、ゲームにしたいんだ。」
俺は、ひらめいた。
そうか、それなら……
「わかった。手を貸す。」
真剣な顔で頷いた。だが、と付け加える。
「最後の仕上げ、少し俺に手を加えさせてくれ。」
山本は了承し、契約が成立した。
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88 :ねむねむ
2022/01/24(月) 20:56:15
No.7 『TRUE END』
そして、2年がかりでそのゲームはようやく完成した。
最後に俺は少し手を加え、彼に手渡した。
「ちょっと念のためプレイしてくれ。」
要するに、プレイして問題がないかチェックしてほしいと言ったわけだ。
もうすでに俺たちは試作品をプレイし問題がないか確認していたが、念のためだ。
それで何も問題が無ければ、製品を売り出す。
スマホをいじり、山本のブログを開く。彼はしょっちゅうブログを投稿している。
『TRUE ENDを迎えてはならない。』
と彼自身が書き込みをしていた。
どうしてTRUE ENDを迎えてはならないんだ?
俺たちの中でそんな話は一度も出なかったというのに……。
俺は不思議に思い、山本に渡したものとは別の自分用に作ったゲームを起動し、プレイした。
そして、TRUE ENDを迎え、死んだ。
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89 :ねむねむ
2022/01/24(月) 20:57:32
とりあえず今はここまでで……( ̄▽ ̄)ニヤニヤ
一気に投稿してもうた(;´・ω・)
まぁええか。
ちょっと時間おいて、どんでん返しやってこうと思います。
( *´艸`)フフフフフフ……
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90 :やっきー
2022/01/24(月) 20:59:37
うおお、どうなるんだよこれから!
ねむちゃんさすがだぜ……先が読めん
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91 :ねむねむ
2022/01/24(月) 21:00:47
一人でも読み終わった人がいたら最終話、投稿していこうと思います°✧◝(⁰▿⁰)◜✧°
ふへへへへへへ………( ̄▽ ̄)
でもとにかく複雑なので、混乱する人も出てくるだろうから、その時は遠慮なくバンバン質問しちゃってください。
一番最初に読み終わった人、知らせてね。できれば。
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92 :ねむねむ
2022/01/24(月) 21:01:24
>>90
読み終わったん?
はや(笑)
さすがにもう一人待つか(笑)
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93 :ねむねむ
2022/01/24(月) 21:05:18
風呂入ってくるので一旦落ちます。
読んだら知らせてほしいです。
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94 :すき焼きのタレ
2022/01/24(月) 21:05:45
あっno3でおわりだとおもってましたすんません(=^..^=)ミャー
こう本編に繋がっていったのか!
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95 :やっきー
2022/01/24(月) 21:07:34
>>92
あ、どもども笑
楽しませてもらいました
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96 :ねむねむ
2022/01/24(月) 21:07:44
>>94
そういうことです(笑)
待って可愛すぎ……(⋈◍>◡<◍)。✧♡ ←きも
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97 :ねむねむ
2022/01/24(月) 21:08:02
>>95
最終話投稿していくぅ
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98 :ねむねむ
2022/01/24(月) 21:09:54
No.8 悲劇のはじまり
山本は一人不気味に嗤う。
だって仕方がないよね、と。
「君が、僕を殺そうとしたから、いけないんだよ。」
わからないとでも思ったのかなぁ、とおかしそうに嗤う。
「君が最後に仕上げとして手を加えたのは……
ゲームの内容や機能とかじゃなくて、爆弾なんだから。」
にやりとわらう山本。彼は知っていた。
野村が、山本を殺そうと、最後に念のためチェックしてほしいと渡してきたゲーム機に爆弾を仕込んでいたことを。
だから山本は、ゲームが現実に反映されるようにゲームを作り替えた。
そうすれば、TRUE ENDを迎えれば必ず、プレイヤーは一番最初に死ぬから。
そして、野村は制作者であるため、ゲームのストーリーでの正しい選択肢を知っている。
よって、誰よりも早くTRUE ENDを迎えるのは、野村の可能性が高い。
そう考え、山本は細工を施したのだ。
なぜ野村は山本を殺そうとしたのか?
「君は、好きだったんだよね。『彼女自身』が。」
そう、野村は彼女の『哀れな姿』が好きだったのではなく、ただ『彼女』が好きだったのだ。
普通の恋愛感情を、彼女に抱いていたのだ。
山本は、彼女の母や父を洗脳し、彼らが彼女を愛さないようにした。
要するに、彼女を追い詰め、殺したも同然である。
だから、野村は山本を恨んだ。憎んだ。
好きな人を殺されたのだ。当たり前といえば、当たり前なのかもしれない。
それをせっかく忘れ去ろうとしていたのに、いきなり会おうとか言われて再会してゲームを作ろうなどと言われたら、誰だってはらわたが煮えくり返る。
では、なぜ山本は彼女を追い詰めたのか。
洗脳など、面倒くさいことをしてまで。
それは愚問である。
「だって、美しいだろう?すべては、芸術のため。
そのためなら、僕はあらゆる努力を惜しまない。」
ふふふ、と嗤う。
そう、彼は狂っているのだ。
25年前のあの事件よりも、もっと、ずっと、ずっと前から。
「さぁて、物語のはじまりだ。
野村君は気付かなかっただろうなぁ、『俺』が婿入りという形で、結婚しているだなんて。」
あはははははは!!!
腹を抱え、嗤いだす。
「最後まで俺のこと、山本って呼んでいたなぁ……今はもう、山本じゃないのに。
『僕』はとっくの昔に『俺』になったんだから。」
山本がゲームを作ることを考え出したのは、19年前だ。
くくく、と嗤う。
「俺は今、警察官だ。
今日は、俺と妻が婚姻届けを出す日……つまり、妻が死ぬ日。
そう、俺は、あのゲームの主役さ!
野村、気の毒だなぁ……お前を殺す気はなかった。
お前が俺を殺そうとさえしなければ、今お前は、愛する妻を持って、婿入りして、”坂本”の役をやっていたっていうのに……。
最高の悲劇を間近で見て、演じられたのに……
アハハハハハハハハ!!!!!!
ざまあみやがれ!!!!!」
高らかに勝利を叫ぶ彼は、気づかなかった。
背後に刃物を持って忍び寄る、ところどころ赤に染まった白いパーカーを着た金髪の少女の姿に。
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99 :ねむねむ
2022/01/24(月) 21:10:24
真っ赤な鮮血が、宙を舞った。
どしゃ、と山本は崩れ落ちる。
薄れゆく意識の中、彼はにっこりと嗤っている野村を見た気がした。
「保険って、かけておくべきだよね。」
そういうことか……山本は全てを理解した。
野村がゲームに仕掛けたものは、1つではなかった。
そう、野村は、言ったのだ。
「最後の仕上げ、『少し』俺に手を加えさせてくれ。」
と。1つだけしか手を加えないとは言ってなかった。
野村の『少し』は、一体どれくらいだったのだろうか。
ひとつは、山本に手渡したゲームに、爆弾を。
ひとつは、試作品に、”もし野村輝樹が死んだら、少女は山本を殺す”と。
試作品は、いつでも問題を見つけられるようにしておこうと、ずっと電源をONにしていた。つまり、まだプレイ中と認識される。よって、試作品に書いたものも、現実世界に反映される。
そして、山本は死んだ。
山本のブログは、『TRUE ENDを迎えてはならない』という投稿を最後に、ぱったりと途絶えた。山本が死んだ後に起こったことで、山本が知ることはなかったが……
野村は、こうも書いていた。
“少女は、もし山本を殺したら、自殺する。”
少女の持つ刃が、彼女の喉を切り裂いた。
少女は、ロボットである。山本が作り出した。
ただ、野村を殺すためだけに。
現実世界に、悲劇を作り出すために。
ゲームが現実になるとは、そういうことだ。
山本はかつて、こう言ったことがある。
「みんな、世の中はクソゲーって言うだろう?
だから、悲劇の名作に変えてあげたんだ。この世界をね。
これでクソゲーじゃなくなった。だから、みんな悲しむわけがないじゃないか。」
彼は、人を殺すことがなぜいけないのか、それがさっぱりわからなかった。
感情が欠落した人間だった。
鮮血は飛び散らない。
ロボットの少女は、壊れる寸前に、もう一つ、野村が書いたプログラムを実行した。
“もし少女が自殺したら、少女は幸せそうに笑って目を閉じる。”
あどけない笑顔で、少女は永遠の眠りについた。
少女は、ロボットである。
だが、私は感情を持っていると主張するかの如く、人間らしい、だがどこか寂しいような、あの事件の日の彼女と似た微笑みを顔に宿し、それきり、動くことはなかった。
悲劇は、まだ始まったばかりだ。
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100 :ねむねむ
2022/01/24(月) 21:11:41
No.0 解説
書ききれなかった解説(?)を書きます。
野村が山本のブログを確認する場面。
なぜ、野村は山本のブログを確認する必要があったのか。
暇だったからではありません。
山本は、しょっちゅうブログを投稿していた。つまり、生存確認として使えたのです。
野村は、山本が死んだかどうかを確認するため、ブログをチェックしたのです。
さらに、山本の現在の名。
彼の名は、宮崎です。
本編の方で、少女がポーカーとつながっている人物を集め、殺害する場面がありました。
そこの舞台となった場所の名が、宮崎倉庫でした。
舞台は全て、山本が用意したものです。
よって、宮崎倉庫も山本が用意しました。
つまり、山本が所有している倉庫ということです。
さらに、山本は婿入りをしたため、山本から、名字が変わったことが番外編からわかります。
よって、妻の名字が宮崎で、山本も宮崎という名字に変わったのだろうと推測できます。
最後に、締めくくりの言葉、『悲劇は、まだ始まったばかりだ。』の意味。
山本は、野村を殺すために製品を改造しました。
そして、それは売り物として全国の人に売り出されました。
『山本のブログは、『TRUE ENDを迎えてはならない』という投稿を最後に、ぱったりと途絶えた。』これは、何を暗示していたのでしょう……?もう、わかりますね?
TRUE ENDに辿り着くまでゲームに何度もチャレンジする人は、きっと大勢いますね。
その人たちがTRUE ENDに辿り着いた時……その人たちは、果たしてどうなってしまうのでしょうね?
さて、解説はもう終わりです。
全てを語ってしまっては、面白くないでしょう?
最後に作者から、皆様へとっておきの問題を3つ。
Easy:『保健室の先生の追憶』にあった、興奮していた生徒とは誰だったのでしょうか。Difficult:計画を最も成功させた人は、誰だったのでしょう?
Hard:最も狂っていたのは、誰だったのでしょう?
真実とは、時に美しく、残酷なものですね。
小さな殺し屋さん 番外編 ~Fin~
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