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┗91.マリルイ学園CGR(931-950/1000)

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931 :迅
2020/10/13(火) 20:04:49

「死なない程度に……殺してあげる」

 巨漢の男・迅にそう告げた少女は、憤怒と憎悪が複雑に入り混じった瞳で彼を睥睨する。
 しかし、相手は腐ってもメンズスター幹部。少女の気迫程度で怖気付く様子はなく、逆にクツクツと静かに笑いを漏らしていた。

「なにか可笑しい事でも?」
「クハハ……!可笑しいとも。何だ?仲間の敵討ちってか?良いねェ、そう言う絵空事をぬかす馬鹿野郎ほど躾甲斐があるってもんよォ!」

 瞬間、身体を低く屈めた迅は、まるで弾丸のような速度で走り出した。その威力、速度共にダンプトラックに引けを取らないだろう。
 直に受ければ死ぬ。今思えば、CGRにいた時はこの手の攻撃は避けてばかりだった。
 だが、今の彼女は避ける必要はない。───否、そもそもこの程度の攻撃なら、回避に移る動作すら今の彼女にとっては無用の長物だ。

「死に晒せやァァァァァ!」
「……」

 迫り来る砲弾もかくやのタックル、直に受ければもちろん即死。しかし、少女は揺らめく水面のように構え、真正面から受け止めた。
 刹那、戦車砲の如き轟音が大気を震わせ、両者の衝突は大地を砕き土煙が舞い上がる。

「うわぁぁぁぁぁぁ!?」
「きゃぁぁぁぁあ!」

警官を含む市民達は───ただ悲鳴を上げ、その場にうずくまる事しか出来なかった。

「お、おい!煙が晴れてくぞ!」
「ま、まさか……!?」
「いやぁ……!」
「!オイ、あれを見ろ!」

 衆人環視が集中するは、土煙の向こう側。

「何で……何で俺が、地面に倒れてんだ!?」
「自分がぶっ倒れてる事が……そんな驚く事?」

 少女の身体には傷一つ付いてなく、仰向けになって地面に倒れる迅は逆に無数の傷を負っていた。迅は眼を白黒させ、ある予想が脳裏をよぎる。

 「(受け流された……!?俺の攻撃が!?)」

 なんの苦もなく、まるで暴漢をあしらうように真正面から受け止められ、その刹那に満たない一瞬の間に無数の打撃を全身に叩き込まれたのだ。彼はフラつきながら立ち上がり、両手に持ったショーテルで一閃。彼女の首を刎ねようと薙ぎ払うが───

「何で当たらねェ!?」

 渾身のラッシュも、警官をまとめて薙ぎ払った拳打も、全て流れるような動きで捌かれる。
 迅の攻撃は次第に単調になり始め、一撃、また一撃と受け流されてはカウンターを叩き込まれる。しかし、少女の激流の如し猛攻は止まらない!

「(攻撃が速くなってやがる……!)」

 焦り故か攻撃に粗が出始める迅と対照的に、少女の技はスピードとキレが更に上がっていく。

「メンズスターだかギャングスターだか忘れたけど、楽にしてやるから安心して逝け!」

 少女は叫び、連打の速度を更にあげる。
 彼女の流星群の如き連打は、両腕を交差させ防御に徹する迅の肘や膝の関節部を始め弱点という弱点を的確に抉り、彼の巨体を地に押し倒した。

[返信][編集]

932 :げらっち
2020/10/14(水) 01:03:16

CGRキャラ図鑑5

やっと主人公

猫野瑠々(ネコノルル)
12歳(物語開始時点では11歳)。
一人称 私

真理類学園6-2所属。
第1話で雪華司令にスカウトされる。

雪華とルルはキャスストーンであり、ルルのキャスストーンは雪華のものから生み出されているため、
雪華がルルの母親というのは正しい。これなんてソウルメイト❓
その魔力の高さからCGRのエースとして活躍する。
第17話では自身がキャスストーンと知り驚愕、破壊の限りを尽くすが、CGRメンバーや雪華のキズナパワーに救われ
他のキャスストーンと共に世界を創り直す。新たなる世界にキャスストーンの概念は存在しない。

(ルルは知らなかったが)養子であるため母からの愛を受けていない。
心優しい性格で正義感が強いが、内気なため転入してきた小3からいじめを受けていた。
だがいじめっ子グループの美羽とは友情が無かったわけではない。
途中からクラスメイトでボッチの真白と友達になった。そして腐るるウイルスを注入され…

裏設定では中学に入ってから完全に腐落ちします(⌒‐⌒)

【家族構成】
猫野瑠香(ネコノルカ)…義母。31歳。
ルル最推し(ルルサイオシ)…従者。
          ヲタク怪人ルル最推しというのはメンズスターでの怪人名であり、正式名称はキャスガーディアン。
          7つのキャスストーンには7つ子のガーディアンが1人ずつついている。
          ルルは最後に生まれたキャスストーンなのでルル最推しは末弟である。
          意外と高貴なご身分でありお高く留まっている。

子守のルル最推しから瑠香の手に渡った経緯が描かれていないが、おそらく色んなドラマが…

デビルル…ルル最推しの生み出した偽物ルル。コミュニティエレメントレーザーを受け爆死。
棺怪人クレオパトルル…ルル最推しによってモンスター化させられたルル。
メンズスター神V2…キャスストーンの姿に戻ったルルが力を発揮できるよう、リッチヅノーが開発した鎧。

【容姿】
凡庸。か、ちょっとかわいい程度。
黒髪のミディアム。
背は小さいように思えてそうでも無い。これからもっと伸びそう。痩せ型。
パーカーをよく着ている。
総じてあんまり特徴が無い普通の感じと思ってくれれば…

【能力】
正体が最強のキャスストーンだったこともあり魔力は飛び抜けて高い。
第3話でルルのみ、みんかわで魔力をトレードすることが出来なかったのも1人だけ桁が違うからである。
ただしこの理論で行けば雪華とはトレードが成立するという事になるが…
一方で肉弾戦になるとタレに惨敗するレベルで弱い。最弱。HKKよりは強いが。

【嗜好等】
せっかちで早口。ルルの台詞は全て早口で読んでほしい。
雑誌に載れるという甘言に騙される、タピオカが好き等ミーハー。
オカルト好きで絵を描くのが趣味。専らやばい絵を好んで描く。
好きな食べ物はうどん。

【キャラとして】
CGRはルルが主人公!ってのだけ忘れないように書きました。他のキャラが目立ちすぎたり群像劇にならないよう…
CGRはルルの成長物語です。
逆に言えば脇役じゃ生きないようなキャラになってしまったわ!
一番好きなセリフは第1話の「…うるさい。お前の仲間になんか、ならない!」です。かっこいい。

[返信][編集]

933 :迅
2020/10/14(水) 22:10:54

「それで?本当に君があの大男を?」
「だーかーらー、さっきから何度も何度も言ってるでしょうが。私は被害者なんですってば」
「いや……過剰防衛ってのがあってだね……」

 大男───迅との交戦から数分後、応援要請を受けた警視庁本部の警官が到着。当の迅はノックアウトしていた為、当事者の一人である少女は彼の代わりに取調べを受けている真っ最中だった。

「君、保護者は?」
「いないです」
「即答……」

 ルルの乱雑な答えに、質問の悉くを雑に返された男性警官は顔を手で覆い、ため息を漏らす。
 二人が戦った千代田区公園前はまるで戦争後のような惨状になっており、所々大きなクレーターがぶち空いていたのは言うまでもないだろう。
 警官はため息と共にメモ帳とペンを取り出すと、眠たそうにあくびをする彼女に問いかける。

「とにかく、君の名前と住所……あとは通ってる学校名とかも教えてくれるかな?」
「チッ……言いますけど、変な事には使わないでくださいね?名前はルルです。院丁第二高等学校普通科2年、もぎたてフレッシュ16歳です。あ、後バイクの免許も持ってるんで一応見せときます」

 少女……ルルは舌打ちをした後、カンペを読み上げるように棒読みで自己紹介を行い、制服の胸ポケットの中から学生証とバイクの免許証を提示。
 メモを書き終え「一条だ」と名乗ったイケメン警官は、虚空を見上げてはポツリと呟いた。

「……話変わるけど、最近見なくなったよね」
「……何がですか」
「ほら、CGR……だったかな。ローカルVみたいなコスプレした人達の集団でね、娘が憧れていた時期があったんだ」

 「もっとも、今となっては看護師を目指してるんだけどね」と、苦笑いを浮かべる一条警視。
 どうやら。CGRは一部の人達からすると『突然どこからか現れるコスプレ集団』と思われていたらしい。まぁ、それに関しては否定しないが。

「それじゃ、僕は報告書書かなくちゃならないから本部に戻るけど、何かあったらここに連絡してね」

 彼はルルに自身の名刺を手渡すと、ビシッと敬礼してパトカーに乗り込んで発車させる。
 一方、ルルは一条警視にはどことなく既視感があり、その記憶の根拠を探り出そうと脳みそをフル回転させていたが、なぜか思い出せずにいた。

「(私は、あの人と会った事がある……?)」

 中学校最後の夏、憎き悪友の取り巻き達にいじめられていたあの日、彼女を助けてくれた警官。

「(……いや、まさかね)」

 彼女は一縷の可能性を振り払い、マフラーを風になびかせながら千代田区公園前を後にした。

[返信][編集]

934 :げらっち
2020/10/14(水) 23:52:00

間にレスを挟んでしまうのが申し訳ないくらいには面白いぞ…
もぎたてフレッシュ16歳は私の語彙からは絶対に出て来ないがな…
気になるる

[返信][編集]

936 :げらっち
2020/10/15(木) 11:22:15

ルル16歳という事は
タレりんご…17歳
潤…20歳
キーkoto…23歳
という事になるね。生きていればだが()

ちなみにルルの身長はどれくらいを想定❓

[返信][編集]

937 :迅
2020/10/15(木) 13:05:43

─警視庁本部─

「CGRか……」
「どうしたんすか?警視」
「ん?あぁ、少し気になる事があってな」
「あの子の事っすか?」

 「概ね合ってる」と一条警視はコーヒーを飲み、机の上に置かれた数枚の資料を眺める。
 最近話題になっている『連続爆破事件』、『メンズスター』なる謎のテロリスト集団、そしてメンズスターの幹部と交戦したとされる女子高生。最近見なくなったCGRについて、何か知ってるのだろうか。

「取り敢えず、俺は警視総監に報告書を提出して来るから、後で飯に行こう。僕が奢るよ」
「マジっすか!?ありがとうございます警視!」

 部下の警官は「よっしゃぁぁぁぁあ!」とガッツポーズし、嬉しそうに執務室を出て行った。

「(あの子は、もしかしたら───)」

 一方、執務室に一人残った一条警視は、赤いランドセルを背負った少女の写真と、赤いマフラーを靡かせる女子高生の写真を眺めていた。

***

「一条警視ねぇ……あの人警視だったんだ」

 一条警視の名刺を見ながら、ルルは意外そうに呟く。警察の階級にはそこまで詳しくないが、警視とはかなりの上の立場である事は分かる。だが、派遣するなら近場の警察署からで十分なはずだ。

「(警察……しかも警視庁のお偉いさんが来るって事は、メンズスターについて何か───)」
「ルル……?」
「ッ!」

 刹那、後ろから声をかけられる。聞き慣れた優しい声色、ルルは声の方に振り向くと───そこには、いつも自分を励ましてくれた彼女がいた。
 
「木村さん……」
「ルルちゃん……大きくなったね……」

 木村と呼ばれた女性は優しく微笑み、喫茶店を指さす。お茶でもしようと言いたいのだろうか。
 2人は、喫茶店の中に入っていった───

「……」
「……」

 のは良いのだが、あまりの気まずさに思わず目を逸らすルル。電話での交流はそれなりにしていたのだが、直接会うのは実に5年ぶりだった。
 それは当の木村にも言えた事らしく、彼女もおずおずとしていたが、やがてゆっくりと口を開いた。

「その……背、伸びたね」
「まぁ、今165ありますし……」
「そっか……もう、昔みたいに『キーさん』って呼んではくれないんだね……」
「そりゃあ、私だって高校生ですし。それに、木村さんも変わりましたよね……色々と」

 木村の容姿は、5年前に比べ少し痩せたように見える。表情もどこと無く落ち着いており、5年前のように快活な彼女はいないのだと思い知らされる。

「それでね、ルルちゃん。よく聞いて───」

【■■■■■■■■■■■■】

彼女のか細い声色は、蝉の鳴き声にかき消されていった。

[返信][編集]

938 :げらっち
2020/10/15(木) 15:59:51

165は、いいですねえ

CGRキャラ図鑑6

木村あい(キムラアイ)
19歳。
一人称 僕、私

華美大学工学部1年所属。
CGRのリーダー兼副司令であり、雪華没後は司令官となる。
名字から渾名的にキーさんと呼ばれることが多い。ていうか滅多に本名が出ない。

雪華とは幼馴染同士。
雪華がメリルイ部の戦闘員として暗躍していた時期は疎遠だったようだが、脱退した際はすぐに匿いCGR結成の功労者となる。
13歳でコミュニティアプリの構想を練り、16歳にして試作版を完成させる。
その後は戦闘において重要な役割を果たすアプリ“みんかわ”やCGRロボを開発。メカオタク。

お金持ちのお嬢様なのでCGRには相当な出資をしていると思われる。
なお雪華やルルの正体がキャスストーンである旨は知らされていなかった模様。

【家族構成】
両親はシンガポールで貿易商を営んでおり、キーは単身埼玉県の山奥にある別荘に住んでいる。
ここはCGRの秘密基地としても使われており雪華と同居。第14話以降はルルもここに居候している。
また、この山にはkotoの家も建っている。

1人っ子。

【容姿】
容姿端麗。ボーイッシュな感じの美人。
黒いサラサラのロングヘアー。
眼鏡その2。
そしてCGRとは思えないほどスタイルが良い!高身長でなんと168!!
後述の通り筋トレマニアでもあるので肉付きはかなり良い。だが背が高いのでデブには見られない。
指がすらりと長く綺麗。

…と、1人だけ浮いてしまうような外見設定になっちゃった…
何を着ても似合うがラフな格好をしがち。

【能力】
難関華美大学を首席で合格したとされ、天才と言えるほどの頭脳と技術力を持つ。
また自身もCGRに変身して戦いたいという願望から筋トレを欠かさず、日々肉体強化に努めている。
実は小中学生の頃はひょろひょろだったのだ。

一方魔力では雪華やルルに到底かなわない。これは生まれつきの物なので仕方がないが。
純粋な魔力では潤にさえ負けるが、体術で補っている。CGR唯一の武闘派。
一応風を操って空を飛んだり空気を操って酸素を遮断したりはできる。が、格上の相手にはほとんど役に立たない能力…
むしろサポート向き?

美術のセンスはあまり無い模様()

【嗜好等】
才色兼備、CGRでもナンバー2の立ち位置だが、それを鼻にかけたりすることは無く後輩たちから尊敬されている。
その点雪華より人望があった説が…

オタク気質でド天然。
だが真面目なシーンではふざけない。
基本年下相手でも敬語を使う。
容姿が容姿なので異性にもてそうだが案外そのような描写は少なく、雪華との┌メノ┌^ノ。 ^リ┐が噂されている。ただの噂だが。

アイスやパフェの食べ歩きが趣味。

【キャラとして】
タレやりんごとは違う意味でいいポジションになったキャラ♨
5人の中に大人キャラがいるお陰で色んなシチュエーションが無理なくやれた。

[返信][編集]

939 :黒帽子
2020/10/15(木) 17:01:07

スリーサイズの表記がないあたりやはりげらっちは高校生以上には興味なしっぽそうだ

[返信][編集]

940 :迅
2020/10/15(木) 20:41:54

>>928
>>931
>>933
>>937

if編はここまでだけど、別に打ち切りとかじゃないぞ。キーの伏せ字セリフの意味は個人の想像に任せる

[返信][編集]

941 :すき焼きのタレ
2020/10/15(木) 20:42:46

スッキリ終わらせないとこがなんか迅ぽいな
ハッピーかバッドかわからないかんじの

[返信][編集]

942 :げらっち
2020/10/15(木) 21:01:16

思いつかなかったんじゃないのー?
と煽ってみるのは単純につづきが気になるから

[返信][編集]

943 :迅
2020/10/15(木) 21:14:50

>>942
別に書いたって良いんだぜ?その場合、10レスくらい犠牲にする覚悟があるならな

[返信][編集]

944 :すき焼きのタレ
2020/10/15(木) 21:15:32

>>943\(^o^)/


それなら完結後の方がいいかもな
ギリギリおわらせれそう?かも?おわたかも?

[返信][編集]

945 :げらっち
2020/10/15(木) 21:20:18

よし乗った。

クリボージャー編5レス程度
キャラ紹介残り6人
最終話10レス程度…

何とか足りるんじゃないですかねえ('ω')

[返信][編集]

946 :迅
2020/10/15(木) 21:23:42

ちなみに10レスってのは、書き終えた4話+6話って感じだからそこんとこよろしく

[返信][編集]

947 :迅
2020/10/15(木) 22:07:12

 「クソッ!クソッ!クソがァッ!なァぜいつまで経ってもォ!アイツは戻ってこんのだァ!」

 場所は変わり、富士山上空に浮かぶ円盤の内部。怒り心頭のメンズスター日本支部首領・ゲラッチはコンソールパネルを力一杯に殴りつける。(そして彼の言う『アイツ』とは、ルルと交戦して敗北し、警察に身柄を確保された迅の事だ)
 髪をバリバリと掻き、腹いせと言わんばかりに近くにいたキノコ(?)の怪人を蹴り飛ばすが、怒りが収まらない彼は怒号を撒き散らす。

「大体!CGRは壊滅したんじゃなかったのか!?あの日私は雪華を殺し!その後、5年に渡り刺客を送り続けたと言うのに!」
「落ち着けよ。話によると、迅の野郎をブチのめしたのは年端もいかねェ小娘だそうじゃねェか?」

 「アンタはどう思う?」と、ゲラッチとは対照的に、冷静を保つ幹部・クロボー師は問いかける。

「奴はここぞと言う時によく負けるが、戦闘面に関しちゃメンズスター随一の実力者だぜ?そんなアイツが遅れを取るほどの相手ってなりゃァ……」
「CGRだ……!」
「は?」
「CGRはまだ壊滅などしていない!」

 ゲラッチはコンソールパネルを弄り出し、人工衛星を通してある女子高生の写真を画面に映し出す。

「私の最大の失態はァ、貴様が生きている事を見逃していた事だ……!猫野瑠々ゥゥゥゥゥ!」

 そして、彼は大気はおろかメンズスター日本支部全体が震える程の怒号を、大音量で叫んだ。

***

「CGRの生き残りは……私と玲子ちゃんと琴ちゃん、そしてルルちゃんの3人だけなの」
「は……?」

 木村から告げられた言葉はルルの横っ面を殴り飛ばし、彼女は唖然とした表情で木村を見つめる。

「その、嘘……ですよね……?」

 ルルの顔色はみるみる蒼白になり、彼女は唇を震わせながら恐る恐る木村に問いかける。5年振りの再会とは言え、会って早々いきなりそんな事を言われても、理解出来るわけがない。
 嘘であって欲しかった、タチは悪いが冗談であって欲しかった。───しかし、現実は残酷だ。木村は俯き、振り絞るような声色で打ち明ける。

「実は貴方以外のCGRのメンバーは一度、貴方がいなくなった後に私の家に集まったの。……でも、本当は集まるべきじゃ無かった……!」

 彼女曰く集まったは良いものの、肝心の別荘にはメンズスターの刺客が潜んでいたらしく、そこで襲撃を受けた彼女達は散り散りになったと言う。

「お願いルルちゃん……貴方の力を貸して……!」

 木村は弱々しく頭を下げる。
 しかし、ルルの表情は絶望に塗りつぶされていた。

[返信][編集]

948 :げらっち
2020/10/16(金) 00:04:21

CGRキャラ図鑑7

破壊参謀クロボー師(ハカイサンボウクロボー師)
20歳。
一人称 俺

メンズスター3幹部の1人。
しかし在籍はしておらず、実は外部のアドバイザー的な立ち位置にある。

世の不条理と戦うべく14歳で学生運動に加わり革命児と称される。
一方でその青さから恨みを買うことも多く、一匹狼的存在で派閥には属さなかった。
学生運動では単身、機動隊8人を半殺しにした過激派。メリルイ部にも幾度となく喧嘩を吹っかける。
しかし実はゲラッチの革命論に共感していたようで、死闘の末、メンズスター日本支部ではゲラッチの相棒となった。

参謀としては破壊活動から単に嫌がらせとしか思えない作戦まで考案。作中の作戦は殆どこいつが練ったもの。
中にはキャスストーンを手に入れる本来の目的や自身の信念とは逸脱したものもある始末。要はただのかまちょ?

第1話でゲラッチ・迅と共に出撃。
第5・6話ではメンズスターを離反したフリをしCGRに潜り込み内部から壊滅させようとするも失敗。
第11・12話でも敗北し、第15話では単身CGRを罠にかけようとするも再三負け、吹っ飛ばされたところ車に轢かれた。
日本支部がリッチヅノーの指揮下に置かれた後はゲラッチと共に意気消沈していたが、やがてメンズスターを離脱…
と見せかけ他の支部を全て破壊し帰還した。実はこれ、5・6話で使った手口とそっくりそのまま同じなのである。
ゲラッチと共にリッチヅノーを裏切りCGRに寝返った。

正々堂々戦わず卑怯な手まで多用し、揚げ足取りな性格だが、稚気溢れる憎めない奴。
迅とは馬が合わない。HKKをこき使っている。

【家族構成】
妹がいるらしい。
意外と世話好き?

【容姿】
背丈はゲラッチとほぼ同じ。
黒のシルクハットに黒のスーツ、黒のネクタイにグラサンでキメており意外とオシャレ?
迅がやくざ風だとしたらこちらはマフィア風。

【能力】
実は戦闘力は3幹部の中では一番低い。威勢ばかり良いのだ。
だが頭のキレが良く機転を利かせ様々な方法を駆使して戦うため決して弱くはない。
また戦闘中でもおふざけを好む余裕っぷりがうかがわれ、キレやすい迅や人間離れしたゲラッチと比べると人間味ある人物。
一応チャカを懐に忍ばせている。散弾銃やライフル(作中では未登場)を使用することもある。

中学生時代に機動隊8人、第17話では手練れ揃いのMスター全支部を壊滅させている。後者は多分火薬庫に火種を投げ込んだのだろう…

【嗜好等】
口癖はブッコワース!で破壊的な言動を取るが、実際趣味は子供っぽい。
プラレール等の玩具、ヒーロー物が好き。
実は自分をヒーローだと思ってるんじゃないかと思えるくらい…

【キャラとして】
ゲラッチより書きやすかった悪役の華wwwwww
ゲラッチを差し置いて人気が出てしまったので2期EDを歌っているという優遇されっぷり…(という設定)

[返信][編集]

949 :あめそ
2020/10/16(金) 16:22:48

CBRやってくださぁい

[返信][編集]

950 :げらっち
2020/10/16(金) 22:21:21

🍄クリボージャーとのコラボ ~キノコ王国の片隅で大波乱 後編~
(これは第12話の少し前のお話です)


村長「ブンブンとクロボー師の罠にはまってゲームの世界に迷い込んだCGR!ブンブン達は両戦隊を戦わせ壊滅させようとするが、失敗!CGRと協力して戦えクリボーj」
クリボー「はいはい村長は黙っててねー。」


 クリボージャーアジトではCGRの5人とクリボージャーの5体、総勢10名にもよるヒーローによってキノボーがのされていた。
なおガールクリボーは本物の少女キャラの登場によって機嫌を損ね逃亡、クリ岡はキノボー1体に敗北し吹っ飛ばされていった。

ルル「…ところでキノボーとゲームキャラであるクリボーの関係って何なんでしょうね?」
クリボー「知らねーよ、そんな事!」
ルル「まあ、ともかくここは協力して倒しちゃいましょう✨」

クロボー師とブンブンは次第にルル達に追い詰められていく。

「おいちょっと待て!ザコボーそっくりの諸君、このJSJCはわがままファッションガールズモードの世界から来やがったんだ!今倒さないとゲームの世界が崩壊する!ここは協力して倒したほうがいい。」
クロボー師が叫ぶ。

クリボー「いや嘘はやめたほうがいいよおっさん。」

「CGRのお嬢さんたち!こいつらの正体はあれだ、お前らが戦ってるメンズスターの配下、悪の戦隊だ!踏めば簡単に倒せるからぐちゃぐちゃにとっちめちゃってくれい!」
ブンブンは太い両腕を振り回しながら唸る。

ルル「見苦しいですよー!さあクリボーさんたち、必殺技でフィニッシュですぅ!」

「コミュニティエレメントレーザー!!!!!」
5つのエレメントが1つになり、光線が放たれる。

「ファイブ・オブ・クリファイア!!」
クリボー5体が一斉に火の玉を放つ。

クロボー師「ウボワァ~」
ブンブン「ひでえ~~!!」
悪役2人は爆風を受けのけ反って飛び、ブンブンは窓を突き破って塔から落下。クロボー師は後ろのTV画面に激突し吸い込まれていった。

ルル「やりましたね!」
クリボー「おう!」

ルルは改めて目の前のキノコのような栗のような生物を見た。
背丈はルルの半分位しかないが、その大半を顔が占めている。頭でっかちだ。
そして頭の下に小さな胴体、そこから短い足が生えている。何とこの生物、腕が無い。
ルルは初めてキノボーを見た時のように、あまりの滑稽さに笑いそうになってしまった。

クリボー「おい!他人の顔見て笑いを堪えるな!」

パタクリボーは羽が生えており、フワフワと宙を漂っている。
りんご「飛べるとかいいな‼僕ちんにその羽かして‼」
パタクリボー「わあやめろ~!羽をむしろうとするな!」

こでかクリボーは背丈が普通のクリボーの4倍はある。
タレ「わしもそんくらい身長ほしいわ( ఠఠ )メバチ-コ」
こでかクリボー「いやブロックに頭ぶつけるわ狭い隙間は通れないし不便だぜ。」

マメクリボーはとにかく小さい。ぴょんと跳んで潤の手に収まった。
潤「わ~可愛い~ww」
マメクリボー「僕の気にしてることを…脇腹フルスピードキックかますよ?」

カキボーはメンバーで唯一カキである。何故メンバーに入れたのか。
キー「秋の味覚ですねえ✿゚❀.(* ▽`*)❀.゚✿」
カキボー「喰おうとすんな!」


「…さて、冗談はこの辺にして。アンタらになら頼めるかもしれないな。」
クリボーの眉が上がり、顔つきが幾分か真面目になった。

ルル「どうかしましたか?」


「俺達と一緒に、クッパを倒しに行ってくれ!!」

[返信][編集]

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931 :迅
2020/10/13(火) 20:04:49

「死なない程度に……殺してあげる」

 巨漢の男・迅にそう告げた少女は、憤怒と憎悪が複雑に入り混じった瞳で彼を睥睨する。
 しかし、相手は腐ってもメンズスター幹部。少女の気迫程度で怖気付く様子はなく、逆にクツクツと静かに笑いを漏らしていた。

「なにか可笑しい事でも?」
「クハハ……!可笑しいとも。何だ?仲間の敵討ちってか?良いねェ、そう言う絵空事をぬかす馬鹿野郎ほど躾甲斐があるってもんよォ!」

 瞬間、身体を低く屈めた迅は、まるで弾丸のような速度で走り出した。その威力、速度共にダンプトラックに引けを取らないだろう。
 直に受ければ死ぬ。今思えば、CGRにいた時はこの手の攻撃は避けてばかりだった。
 だが、今の彼女は避ける必要はない。───否、そもそもこの程度の攻撃なら、回避に移る動作すら今の彼女にとっては無用の長物だ。

「死に晒せやァァァァァ!」
「……」

 迫り来る砲弾もかくやのタックル、直に受ければもちろん即死。しかし、少女は揺らめく水面のように構え、真正面から受け止めた。
 刹那、戦車砲の如き轟音が大気を震わせ、両者の衝突は大地を砕き土煙が舞い上がる。

「うわぁぁぁぁぁぁ!?」
「きゃぁぁぁぁあ!」

警官を含む市民達は───ただ悲鳴を上げ、その場にうずくまる事しか出来なかった。

「お、おい!煙が晴れてくぞ!」
「ま、まさか……!?」
「いやぁ……!」
「!オイ、あれを見ろ!」

 衆人環視が集中するは、土煙の向こう側。

「何で……何で俺が、地面に倒れてんだ!?」
「自分がぶっ倒れてる事が……そんな驚く事?」

 少女の身体には傷一つ付いてなく、仰向けになって地面に倒れる迅は逆に無数の傷を負っていた。迅は眼を白黒させ、ある予想が脳裏をよぎる。

 「(受け流された……!?俺の攻撃が!?)」

 なんの苦もなく、まるで暴漢をあしらうように真正面から受け止められ、その刹那に満たない一瞬の間に無数の打撃を全身に叩き込まれたのだ。彼はフラつきながら立ち上がり、両手に持ったショーテルで一閃。彼女の首を刎ねようと薙ぎ払うが───

「何で当たらねェ!?」

 渾身のラッシュも、警官をまとめて薙ぎ払った拳打も、全て流れるような動きで捌かれる。
 迅の攻撃は次第に単調になり始め、一撃、また一撃と受け流されてはカウンターを叩き込まれる。しかし、少女の激流の如し猛攻は止まらない!

「(攻撃が速くなってやがる……!)」

 焦り故か攻撃に粗が出始める迅と対照的に、少女の技はスピードとキレが更に上がっていく。

「メンズスターだかギャングスターだか忘れたけど、楽にしてやるから安心して逝け!」

 少女は叫び、連打の速度を更にあげる。
 彼女の流星群の如き連打は、両腕を交差させ防御に徹する迅の肘や膝の関節部を始め弱点という弱点を的確に抉り、彼の巨体を地に押し倒した。

933 :迅
2020/10/14(水) 22:10:54

「それで?本当に君があの大男を?」
「だーかーらー、さっきから何度も何度も言ってるでしょうが。私は被害者なんですってば」
「いや……過剰防衛ってのがあってだね……」

 大男───迅との交戦から数分後、応援要請を受けた警視庁本部の警官が到着。当の迅はノックアウトしていた為、当事者の一人である少女は彼の代わりに取調べを受けている真っ最中だった。

「君、保護者は?」
「いないです」
「即答……」

 ルルの乱雑な答えに、質問の悉くを雑に返された男性警官は顔を手で覆い、ため息を漏らす。
 二人が戦った千代田区公園前はまるで戦争後のような惨状になっており、所々大きなクレーターがぶち空いていたのは言うまでもないだろう。
 警官はため息と共にメモ帳とペンを取り出すと、眠たそうにあくびをする彼女に問いかける。

「とにかく、君の名前と住所……あとは通ってる学校名とかも教えてくれるかな?」
「チッ……言いますけど、変な事には使わないでくださいね?名前はルルです。院丁第二高等学校普通科2年、もぎたてフレッシュ16歳です。あ、後バイクの免許も持ってるんで一応見せときます」

 少女……ルルは舌打ちをした後、カンペを読み上げるように棒読みで自己紹介を行い、制服の胸ポケットの中から学生証とバイクの免許証を提示。
 メモを書き終え「一条だ」と名乗ったイケメン警官は、虚空を見上げてはポツリと呟いた。

「……話変わるけど、最近見なくなったよね」
「……何がですか」
「ほら、CGR……だったかな。ローカルVみたいなコスプレした人達の集団でね、娘が憧れていた時期があったんだ」

 「もっとも、今となっては看護師を目指してるんだけどね」と、苦笑いを浮かべる一条警視。
 どうやら。CGRは一部の人達からすると『突然どこからか現れるコスプレ集団』と思われていたらしい。まぁ、それに関しては否定しないが。

「それじゃ、僕は報告書書かなくちゃならないから本部に戻るけど、何かあったらここに連絡してね」

 彼はルルに自身の名刺を手渡すと、ビシッと敬礼してパトカーに乗り込んで発車させる。
 一方、ルルは一条警視にはどことなく既視感があり、その記憶の根拠を探り出そうと脳みそをフル回転させていたが、なぜか思い出せずにいた。

「(私は、あの人と会った事がある……?)」

 中学校最後の夏、憎き悪友の取り巻き達にいじめられていたあの日、彼女を助けてくれた警官。

「(……いや、まさかね)」

 彼女は一縷の可能性を振り払い、マフラーを風になびかせながら千代田区公園前を後にした。

937 :迅
2020/10/15(木) 13:05:43

─警視庁本部─

「CGRか……」
「どうしたんすか?警視」
「ん?あぁ、少し気になる事があってな」
「あの子の事っすか?」

 「概ね合ってる」と一条警視はコーヒーを飲み、机の上に置かれた数枚の資料を眺める。
 最近話題になっている『連続爆破事件』、『メンズスター』なる謎のテロリスト集団、そしてメンズスターの幹部と交戦したとされる女子高生。最近見なくなったCGRについて、何か知ってるのだろうか。

「取り敢えず、俺は警視総監に報告書を提出して来るから、後で飯に行こう。僕が奢るよ」
「マジっすか!?ありがとうございます警視!」

 部下の警官は「よっしゃぁぁぁぁあ!」とガッツポーズし、嬉しそうに執務室を出て行った。

「(あの子は、もしかしたら───)」

 一方、執務室に一人残った一条警視は、赤いランドセルを背負った少女の写真と、赤いマフラーを靡かせる女子高生の写真を眺めていた。

***

「一条警視ねぇ……あの人警視だったんだ」

 一条警視の名刺を見ながら、ルルは意外そうに呟く。警察の階級にはそこまで詳しくないが、警視とはかなりの上の立場である事は分かる。だが、派遣するなら近場の警察署からで十分なはずだ。

「(警察……しかも警視庁のお偉いさんが来るって事は、メンズスターについて何か───)」
「ルル……?」
「ッ!」

 刹那、後ろから声をかけられる。聞き慣れた優しい声色、ルルは声の方に振り向くと───そこには、いつも自分を励ましてくれた彼女がいた。
 
「木村さん……」
「ルルちゃん……大きくなったね……」

 木村と呼ばれた女性は優しく微笑み、喫茶店を指さす。お茶でもしようと言いたいのだろうか。
 2人は、喫茶店の中に入っていった───

「……」
「……」

 のは良いのだが、あまりの気まずさに思わず目を逸らすルル。電話での交流はそれなりにしていたのだが、直接会うのは実に5年ぶりだった。
 それは当の木村にも言えた事らしく、彼女もおずおずとしていたが、やがてゆっくりと口を開いた。

「その……背、伸びたね」
「まぁ、今165ありますし……」
「そっか……もう、昔みたいに『キーさん』って呼んではくれないんだね……」
「そりゃあ、私だって高校生ですし。それに、木村さんも変わりましたよね……色々と」

 木村の容姿は、5年前に比べ少し痩せたように見える。表情もどこと無く落ち着いており、5年前のように快活な彼女はいないのだと思い知らされる。

「それでね、ルルちゃん。よく聞いて───」

【■■■■■■■■■■■■】

彼女のか細い声色は、蝉の鳴き声にかき消されていった。

942 :げらっち
2020/10/15(木) 21:01:16

思いつかなかったんじゃないのー?
と煽ってみるのは単純につづきが気になるから

943 :迅
2020/10/15(木) 21:14:50

>>942
別に書いたって良いんだぜ?その場合、10レスくらい犠牲にする覚悟があるならな

928 :迅
2020/10/12(月) 22:50:23

4〜5レス無駄遣いしちゃうかもだけど許してくれ

────────────────────────

 架空に響き渡る1発の銃声。目の前で倒れる上司。
 そして、血溜まりの上に倒れる彼女をどこか哀しげな瞳で見下ろし、銃口から煙を上げる玩具のような拳銃を右手に提げた悪の幹部。

『くっそォォォォォ!』

 視界に焼き付けられた悲劇は、必死に忘れようと瞳を閉じても、瞼の裏に映し出される。

「(あの日から……もう5年か……)」

 あの日、私は全てを失った。



《ーCommunity Girls Ranger:REー》



ー2026年:東京都千代田区ー

「ヴハハハハハ!なんだなんだァ!?ちったァ楽しませてくれると思ったんだがァ、この程度でへばられちゃァ拍子抜けもいいとこだぜ!」

 半身が機械と化した筋骨隆々の大男は、豪快な笑い声を上げながら頭部から流血した警官の頭を掴み上げ、乱雑に外へ投げ捨てる。
 たかが喧嘩慣れした程度の一般人に遅れを取るほど、彼ら警察官は決して弱くはない。
 ただ、目の前の大男が強過ぎたのだ。

「そんな……署長が……!」
「おいおい、一体どうしたァ?まさかたァ言わねェが……お偉いさんがやられたからブルっちまったとはァ言わねェよなァ……?」

 怯える警官達を一瞥し、大男は背中に背負った鞘から長大な三日月刀・ショーテルを抜き放ち、近くにいた女性に切先を突きつける。

「いやぁぁぁ!」
「騒ぐんじゃァねェ!俺が知りてェのはただ一つ……ルルとか言う小娘の居場所のみよ!」
「ふざけんな!そんなガキ知る訳ねェだろうが!」

 大男は甲高い悲鳴をあげる女性を脅し、女性の彼氏と思しき男性が二人の間に割って入る。

「つーか、アンタは一体誰なんだ!?」

 男性は声を荒げ、大男に問いかける。すると彼は口角を上げ、唐突に自己紹介を始めた。

「特別サービスだ。名乗ってやる。俺の名は迅、メンズスターの幹部にして───「私の抹殺を依頼された……そうでしょ?」
「誰だ!?」

 すると、突然どこからか凛とした声が響き渡り、慌てて立ち上がった大男・迅は周囲を見渡す。

「(なんだったんだ……今のは……?)」

 ───ただの幻聴か。そう気を取り直した次の瞬間、迅の巨体は大きく吹き飛んだ。

「どぉわぁぁあぁぁあああああ!?」

 近くの木々を薙ぎ倒しながら吹き飛ぶが、器用に身を翻して着地。地面を引き摺りながら停止する。
 衆人環視の視線が集まる中、彼は血を流す頭部を左手で押さえながら立ち上がる。

「(警察の拳銃程度じゃァ俺の身体は吹き飛ばせねェ……つまり、さっきのヤケに重い一撃は《キズナパワー》による攻撃……)まさか……テメェ自ら来てくれるとはなァ……!」
「ピーピー騒ぐな、弱く見えるわよ?」

 ゆっくり立ち上がる迅を心の底から軽蔑するように、右目に眼帯を付けた少女は握り拳の親指を立て、その指先を地面に突きつけた。

「さァ、地獄を楽しみな」