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┗283.短編小説のコーナー(49-68/207)

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49 :げらっち
2022/09/21(水) 15:11:18

おk。上がってたら感想書く。
片方の案を第一話にして、他方を第二話に持ってきては?

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50 :迅
2022/09/21(水) 20:28:35

「すんません、天丼一つ」

 カウンターの前に立ち、食券を提出して注文する。昼下がりの学食は、いつにも増して賑やかだった。
 もちろん、教室で弁当を食べる者もいる。
 しかし、人は群れで行動する生き物。
 『陽の者』を自称する者たちは、大人数で食べる事で、マウントを取れると思っているのだろう。
 その証拠に、大きなテーブル派手な髪色の者たちが使っており、眼鏡をかけた冴えない彼らは、個人用の席に座って淑やかに昼食を頂いている。

 ───別に、彼が知った事ではないのだが。

「はいよ、天丼お待ち」
「ども」

 新はカウンターを離れ、720円もする天丼が乗ったお盆を手に座れそうな席を探す。
 何処もかしこも、見渡す限りの席が陽キャを自称するグループやオタクグループによって占拠されていたが、柱近くの個人席に座る。

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51 :迅
2022/09/21(水) 20:29:08

「いただきます」

 席についた新は、お盆を置いて両手を合わせ、割り箸を割って艶やかに輝く白米をかき込む。
 するとどうだ、目の前には桃源郷が広がるではないか。
 海老天は衣で嵩増しされておらず、肉厚で弾力のあるプリッとした歯応えが、サクサクに仕上げられた衣と口の中でセッションを奏でる。
 甘辛いタレは海老の旨味を吸収し、白米が持つ独特な甘みをさらに際立たせる。
 地味に嬉しいのが、この付け合わせの沢庵だ。
 爽やかな味わいとシャキシャキの食感が、重い物を食べた後の箸休めに丁度いい。

 ……などとまぁ、ノリノリで一人脳内食レポをかました後に味噌汁を口に運ぶ。
 テーブルを挟むように椅子が二つあるが、まさか合席しようなんて者は居ないだろう。
 ……多分。

「邪魔するぞ」

 居た。
 それも、すごく聞き慣れた声だった。
 此方の許可も取らず、声の主は反対側に置かれた椅子に座る。昼食は既に食べ終えていたのか、手ぶらだった。

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52 :迅
2022/09/21(水) 20:29:55

「まさか、お前が自分から来るなんてな。幸貞」

 だが、新は驚いた様子もなく椀を置く。
 幸貞と呼ばれた青年は、小さく鼻で笑った。

「俺がお前に接触する理由なんて、一つだけだろ」
「……デザイアゲームか?」

 「御明察」と、足を組みながら告げる幸貞。
 彼は東京エリアが誇る"デザイアゲーム"屈指の上位ランカーであり、新の中学校以来の友人。同時に、一位の座を巡ってシノギを削る好敵手だ。
 東京エリアの全プレイヤーがざわついても可笑しくない状況だが、新は目もくれず食事を再開。
 今は、開催期間外だからだ。
 一方、黙々と食べる新を他所に、幸貞は攻撃的な笑みを浮かべながらスマホの画面を見せて来る。

「デザイアゲームの開始告知だ、開始は今日の放課後からだ」
「おいおい、敵に有用な情報をくれて良いのか?」
「関係ねェ、俺がお前に勝つだけだ」
「今の言葉、そっくりそのまま返すぜ」

 幸貞と談笑を交わす事一分。
 徐に席を立つと、親指で食堂の外を指差す。

 『続きは向こうで』

 と言う事だろうか。
 あと十分くらいで予鈴が鳴ってしまうが、逆を返せば、あと十分も時間があると言う事だ。
 それに、重要な話である可能性も否めない。

「何か欲しい物は?」
「俺たち二人が持ってる情報の等価交換だ」
「乗った」

 新も席を立ち、幸貞の後ろをついて行く。
 デザイアゲームでは、期間中各プレイヤーにのみ情報が配布される時がある。その情報が有益か無益か、嘘か真かは不定だが、『自分の知らない情報』というのは、それだけで価値が跳ね上がる。
 何せ、相手から有益な情報を引き出せれば、実力者ならそれだけで有利になれるからだ。
 一説によると、提供される情報は上位ランカーであればある程、信憑性と有益性が増すと言う。
 根も歯もない噂話に過ぎないが、もしこの噂話が本当なら、上位二位を独占しているこの二人の持つ情報は、ダイヤモンド以上の価値がある。

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53 :迅
2022/09/21(水) 20:30:07

「ここなら……多分、誰もいないな。立ち話もなんだし、あそこに座って話しでもしようや」

 学食のある総合棟から少し離れた中庭に行くと、幸貞はベンチに座り隣を軽く叩く。
 新が隣に座ると、彼は早速本題に切り込んで来た。

「早速だが、今日開催されるデザイアゲームじゃ、高難易度イベントな始まるらしい」
「高難易度イベント?」
「あぁ、何でもクランじゃないと、まともに攻略する事すら出来ないそうだ」
「そりゃあ、とんだクソゲーだな」

 クランとは、デザイアゲームで認可されている最大最低人数共に無制限のチーム機能を言う。
 メンバーには専用のコミュニティが用意され、報酬の山分けも出来るなど、実力の低い一般プレイヤーにとっては夢のようなシステムと言える。
 しかし、その一方で新や幸貞のように、単独で上位をキープ出来る実力者からは敬遠されている。
 理由は単純で、単独で上位を維持出来るなら、態々群れる必要が無いだけの話だ。
 
 当然、連続優勝記録保持者である新からしても、間接的とは言え幸貞の口から『クラン』と言う単語が出て来るのは、実に意外だった。

「俺が話せるのはここまでだ。次はお前が吐け」
「吐けって……映画かなんかかよ……」
「スパイ映画みたいで雰囲気出るだろ?」
「出ねェよ」
「まぁ、それでも情報は聞き出すけどな」
「はぁ…しょうがねぇな……」

 新は言の葉を紡ぐ。
 "デザイアゲーム"の根幹を揺るがしかねない、重大な情報を。
 全てを語る頃には、幸貞が訝しげな表情を浮かべていた。

「それは…マジで言ってんのか?」
「俺が言ってるからマジだが、この情報が本当かどうかは分からん」
「そうか……」

 幸貞は顎に手を当て、熟考する仕草をとる。

「仮にそれが本当なら、お前はどうするんだ?」
「姉さんの死因をGMに直接聞き出す」
「お前らしいな」
「あぁ…そして、必ず姉さんを殺した相手を俺が───」

 新が言葉を遮るように、予鈴が鳴る。
 スマホのロック画面にある時計を見ると、タイムリミットはあと五分まで迫っていた。

「続きは、放課後だな。首洗って待ってろよ?チャンピオン様」
「……お前こそ、背中から刺されないようにするんだな」

 立ち上がった二人は、教室に向かって歩き出した。

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54 :迅
2022/09/21(水) 20:33:13

取り敢えずストーリー案その1
主人公とライバルが昼飯中に会って談笑混じりにデザゲの話をする感じ

基本的にはこれを第壱話(ノベリズム版では第二話)にする予定だけど、サイトで読むメリットはサクッと読める事だから、あまり多くの情報が盛り込めないんだよね
もう一つは連続優勝者の新と、運の良さで生き残った下位ランカーを主軸に回すつもり

とにかく、そっちも完成したら上げてみるわ

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55 :げらっち
2022/09/21(水) 20:58:15

唐突の飯テロおお!!

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56 :迅
2022/09/21(水) 21:02:58

飯テロisジャスティス
実はカツ丼バージョンやうどんバージョンもあったけど、何やかんやで天丼になった(実は新の好物が関係していたり?)

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57 :げらっち
2022/09/21(水) 21:58:41

たしか白牙にも飯テロがあったな…


おなかすいた。

[返信][編集]

58 :迅
2022/09/22(木) 19:32:02

「今日のニュース見た?」
「見た見た、渋谷で変死体だっけ?」
「なんか、最近こう言う事件多いよな」
「戦争でも始まるんじゃねぇの?」
「それはダリィわ」

 デザイアゲームの終了から、一週間。
 前回のゲームでは、500人中13人と言う非常に少ない勝者達が、優勝者にのみ与えられる景品を除く各々の活躍に見合った報酬を手に入れた。歴代と比較しても多いとされる、数多の屍を踏み越えて。
 今回の結果は、東京エリアで活動するプレイヤーたちに大きな衝撃を走らせた。
 途中乱入が入ったとは言え、500人いたプレイヤーの9割近くがたった一ヶ月で死亡したのだ。
 その衝撃は、非常に大きい物だろう。

 だが、世界は何も変わる事なく回り続けており、亡くなった者の遺族は今も帰りを待ち続けている。
 そして今回のゲームを生き残った者は、死んだ者の分まで生きなければならない。教室の隅っこで小説を読む青年・草薙新もまた、その一人だった。

「…」

 ここ数回、東京エリアで行われたデザイアゲームの優勝者である彼は、その技術から『魔弾の射手』と言う異名で敬われ、畏怖されるようになった。
 もちろん、自分で名乗った訳ではない。
 彼を神聖視する一部の拗らせたプレイヤーがそう名付けたら、瞬く間に広がっただけだ。

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59 :迅
2022/09/22(木) 19:32:53

 しかし、この手のゲームの上位ランカーは、何か痛々しい渾名を付けられる規則でもあるのだろうか?
 確か二位の人も、変な名前を付けられてた筈だ。
 正直な話、デザイアゲームに参加して街中を探索する度に『魔弾の射手』と羨望の眼差しで呼ばれるのは、ぶっちゃけ屈辱以外の何物でもない。
 それに、この学校にもデザイアゲームのプレイヤーは新を除いても数名居る。
 上位ランカーの悪友が一人と、大して実力もないくせに運だけはある下位ランカーが一人。
 後一人は……この学校の生徒ではあるのだが、来ていない。
 兎に角、全員経緯は違えど、ゲームを生き残った猛者たちだ。

「ね、ねぇ。少し良いかな?」

 その時、新に声をかけて来る者が1人。
 どこか気弱そうな雰囲気で、顔立ちは悪くないがどことなく冴えない感じの青年だった。

「草薙新くん……だよね?」
「そうだけど、何?」
「は、話すのは入学式以来だね!僕は小金井颯太!覚えてる?」

 そう言うと、爽やかな笑顔を浮かべる青年。
 しかし、小金井……颯太?
 ……まずいな、全くと言って良いほど覚えてない。記憶の目を凝らせば、入学初日に話しかけて来た奴がいた気もするが、全く印象に残ってない。

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60 :迅
2022/09/22(木) 19:33:20

 何とかして追い返したい所だが、颯太と名乗る青年は人懐っこい笑みで話しかけて来る。
 何故そこまでして話したいのか、全く分からない。
 新はため息をつき、小説に目線を戻す。

「それで?何か話があるなら、さっさと話して帰ってくれないかな。暇じゃないんだけど」

 小説に眼を向けたまま、突き放すような口調で言う。
 この言い方をすれば、大体顔や虐め目当てで絡んで来た連中は、何も言わずに去って行くのだが───

「あはは……そうだね。実は僕、この前君に助けられたお礼を言いたかったんだ」
「ッ!」

 次の一言で、新は前言を撤回した。
 お礼を言いたかった?
 全くと言って良い程、接点がないと言うのに?
 いや待て、確かゲームの中盤で他のプレイヤーに襲われていた奴を助けた気がするが、まさか……

「あれお前だったのか?」
「あはは……お恥ずかしながら」

 頬を掻きながら、苦笑いを浮かべる青年。
 対する新は、余りの情報量に呆気に取られていた。

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61 :迅
2022/09/22(木) 19:34:14

「まさか、ランキング最下位を独占してたのもお前か?」
「う、うん……」
「えっと、戦おうとはしなかったのか?」
「一応したよ?したんだけど……僕、喧嘩はそこまで得意じゃないからさ……」
「はぁ?」
「で、でもさ!ちゃんと他の人を助けたりとか───」
「お、颯太クンじゃーん!こんなとこに居たのかよぉ〜」

 すると、二人の会話に割って入るように、数人の柄の悪い男女がやって来る。
 少なくとも彼の友人……では無さそうだ。
 その証拠に、颯太の方に眼を向けると、彼の手は怯えるように小刻みに震えていた。

「突然居なくなるからさぁ、俺たち探したんだぜ?」
「そうそう、飲み物とか自分たちで買いに行かなくちゃいけなかったし、疲れたなぁ〜」
「どう責任取ってくれんの?」

 リーダー格と思しき男子の発言を皮切りに、好き勝手言い始める不良グループ。
 当の颯太は募る不満を抑え込むように、グッと拳を固く握り締めていた。指の爪が皮膚に食い込み、そこから血が滲み出ている事も承知で。
 新には関係ない話だが、流石に読書の邪魔だ。

「おい、そこら辺にしとけよ」

 小説を閉じ、刃のように鋭い視線と口調で言う。
 だが、取り巻きの一人が臆する事なく、新に向かってメンチを切りながら顔を近付ける。

「何だァー?テメェ、もしかして正義の味方?ミカタっすか?」

 ガムを噛んでいるのか、クチャクチャと汚い咀嚼音を上げながら睨んで来る取り巻き。
 まさかとは思うが、威圧のつもりだろうか?

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62 :迅
2022/09/22(木) 19:34:42

「別に読書の邪魔になるから、ここじゃない静かな場所でやって欲しいなーってだけだが」
「あぁ!?じゃあテメェがどっか行けや!」
「はぁ……ここ、僕の席なんですけど?」

 ため息混じりにわざとらしく言うと、取り巻きのこめかみから鳴る何かがキレた音。
 何か喚き散らした取り巻きは、力任せに拳を突き出して来るが、遅い上に軌道が分かり切ったテレフォンパンチなど、捌く事は容易い。

 新は拳を掴むと、流れるような動きで関節を捻り上げ、取り巻きを床に組み伏せる。
 一瞬の出来事に、取り巻きは眼を白黒させていた。

「まだ、続けるか?」
「……おい、行くぞ」

 実力の差を悟ったのか、リーダー格の男は顎をしゃくって離れて行く。取り巻きを掴む手を離すと、まるで尻尾を切ったトカゲのように走って行った。

「……これで、漸く読書に専念出来るな」
「あ、あの……ありがとう、草薙君。また、助けられちゃったね……」
「礼なんざいらねェよ、気持ち悪い。感謝の気持ちがあるなら、さっさと消えてくれ」

 まだ何か言いたげだったが、颯太は遂に諦めたのか踵を返して去って行く。
 時計を見ると、約束の時間まであと少しだった。

「さぁ、ゲームスタートだ」

 次の瞬間、放課後を告げる鐘が鳴る。
 それ即ち、デザイアゲームが始まる合図だった。

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63 :迅
2022/09/22(木) 19:38:12

ストーリー案その2

連続優勝者と下位ランカーが思わぬ所で再会するって言う、メジャーだけどウケが良い展開
結構駆け足気味な感じはするけど、前に投稿した飯テロと違う点はデザイアゲームの後日談的なイメージが強いかなって印象
まぁ、後日談なんだけど

現在は、色々改良して案1と2を上手く繋げられないか試行錯誤中

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64 :迅
2022/09/22(木) 22:55:14

ピピ…カンソウ、カンソウヲクダサイ……

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65 :げらっち
2022/09/22(木) 23:02:06

すまん、遅れた。

>>63 そうだねー 1と2はつなげられると思う。
どちらも要点を押さえてまとまってるけど、まだテンプレ通りって感じ。
もっと膨らませられるだろう。


今更だが、「ぱぇ?」が北斗の拳みたいでしたw

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66 :すき焼きのタレ
2022/12/10(土) 03:07:20

久しぶりに小説アプリを開いてみたらなんか訳分からんとこで執筆やめてた、プロットも一切ない話の内容一切分からない謎作品があったので深夜テンションで読み切りにしてみました。ドキュメンタリーだと思って読んでください。





 朝目覚めたら家族がパクチーパクチー言うようになっていた。
「ドゥーユーノーパクチー」
 まだ春も来てないけれど、今年の流行語はこれで間違いないだろう。にしても、どこから流行り始めたんだろうか。全く意味が理解出来ないから、とりあえず「早く飯くえよ」ってことなのかな、と思っておく。寝坊したし。
  天気予報もパクチー。お日様活発だし見るからに雨は降らなさそうだ。他には時計がパクチー。LEDパクチー。母さんの靴下の柄がパクチー。あと家の庭もパクチー。
 で、案の定食卓もパクチーだらけ――というわけではなかった。パクチーパクチーうるさすぎて早速耐えられなくなりそうだったけど、食パンが食べられる生活に改めて感謝したい。イチゴジャム最高!



      「はちく」


 
 学校に着くと―知ってたけど―パクチーの話題であちこち盛り上がっていた。というか、パクチー連呼でうるさいだけなんだけど。
 数学教師もパクチーに毒されていた。数式のちょっと空いてるところにパクチーの絵をモリモリ描いている。ヤクチュウの描いた絵くらい下手くそだ。あとルートパクチーって何だよ。
 まあいいや。まともに話聞かなくても、「パクチー」ってノートに書いておけば、とりあえず帰ることはできる気がする。
 帰る前にパクチー買ってくか。肥料は要るんだろうか。
  
「パクチーすき?」
 一人のときに物音がしたときくらいビビった。聞き慣れた言語なのに、一瞬頭をすり抜けてってしまった。今日の地球はドゥユノパクチ、だかを軸にして既に半分くらい回ったんだから仕方ない。
「パクチー……多分、すき」
「どこがスキやねん」
  パクチーの好きなところ……あの……あれあれ……例えばこんな……、ごめん分からない。
 ぶっちゃけた話をすると自分はパクチーにわかだ。
「ワタシは美味しいと思います」
「?……なるほど」
「、……………」
「…………」
 こいつもパクチーにわかかよ。美味しいの一言で会話が途切れてしまった。歩きながらパクチー発してる人に話しかけたほうがまだもう少しキャッチボール出来たと思うよ。
 でも実際はパクチーガチ勢にデッドボールくらわせ乱闘騒ぎだろう……誤った知識でもの好きを名乗ってはいけないと、ほんとに思う。最初に投げたのがパクチー無知勢だったことがせめてもの救いだっただろう。早く気付いてくれ。
 
 そんなこんなで家に帰ってしまった。家族には会いたくなかった。イチゴジャムで片面を固めた食パンが今日はあまり美味しく感じられなかったからだ。無知からするとパクチーは汚いイメージがある。何でかは分からないけど。
 とりあえず家の庭に出て、15円レジ袋いっぱいに摘めてきたパクチーを一つずつ並べ始める。肥料はとりあえず効き目が良さそうな「まぜるな危険」シリーズにしておいた。
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
 怖っ!!!
 ビックリしてまぜるな危険をぶちまけてしまった。身にかからなくてよかった。
 しかし突撃してきた家族どもはもっと怖かった。
「アアアアアアア!!アアアアアアアア!!」
 瞬間四面楚歌。360°いたるところからタックルされた。運悪く、まぜるな危険プールにパシャパシャしてしまった。これ溶ける?やばくね?
 でもそんなことより家族を慰めることに必死だった。
「ごめん!なんか分からないけど、ほんとごめん!パクチーにわかで、ごめん!」
 すると呪いが解けたかのように家族は皆倒れた。と思いきやすぐに起き上がり、
「今日の料理はパクチーバイキングよ」
 と耳元で囁いてきた。耳は2つしかないのに家族3人分の声がそばで聞こえた謎にもそのときは気付かなかった。
 そんなことより、
「パクチーって、食べられるの?」
 てか、パクチーって、何ぞ?

「ドゥーユーノーパクチー」
 手当たり次第に声をかけてみたが、振り向いてくれる人はおらず。
 ようやく1人振り向いてくれたが、気付けば視界が緑がかった?暗闇になっていた。目瞑ったときにぼんやり見える目蓋みたいな色。
 パクチーを顔に貼り付けられていた。
 もはや怒りの感情は湧かなかった。
 
「パクチー、臭っ」

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67 :げらっち
2022/12/10(土) 03:22:01

放置しようと思ったが感想書こう…


あなたのレベルは勢いだけで面白くしているように思わせている出オチ芸人級です。


作風はてふてふをろくでなしにした感じだった。


しかし、クリボージャーよりは笑えた。

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68 :ベリー
2022/12/10(土) 03:27:52

>>66

自創作書き終わったら感想書こう思って読んだら予想以上にやばかったので感想書かせてください

もう意味がわからなさ過ぎるw 取り敢えず初動で堅苦しく読んで楽しむタイプではないと思って読みました。意味わからんかったです。
でもこういうの大好き。夢オチとかでも良かったと思うんですけど……意味不明要素残して終わったwwwwwwwww
もう要所要所のツッコミ絶対追っかけたらキリないので辞めます。

 全体的な感想として面白かった。意味わからなくて頭空っぽにして読めて深夜テンション感あって。アレですね。ポプテピピック見てるみたい。と言うか、導入からポプテピ見てるつもりで読んでました。そりゃちゃんとした短編として見るならボロカス評価でしょうが、絶対狙いもコンセプトも違いますよねこれw インフルかかった時に見る悪夢ですよwwww 
ただ単に意味がわからない。ただそこが最高に面白い。何か深い意味があったら申し訳ないけれど、クッソ笑って読ませて頂きましたありがとうございました

これポプテピピックに出しても可笑しくない。勢いとノリと意味不明さと情報量で一周まわって笑えてくる。最高。

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63 :迅
2022/09/22(木) 19:38:12

ストーリー案その2

連続優勝者と下位ランカーが思わぬ所で再会するって言う、メジャーだけどウケが良い展開
結構駆け足気味な感じはするけど、前に投稿した飯テロと違う点はデザイアゲームの後日談的なイメージが強いかなって印象
まぁ、後日談なんだけど

現在は、色々改良して案1と2を上手く繋げられないか試行錯誤中

66 :すき焼きのタレ
2022/12/10(土) 03:07:20

久しぶりに小説アプリを開いてみたらなんか訳分からんとこで執筆やめてた、プロットも一切ない話の内容一切分からない謎作品があったので深夜テンションで読み切りにしてみました。ドキュメンタリーだと思って読んでください。





 朝目覚めたら家族がパクチーパクチー言うようになっていた。
「ドゥーユーノーパクチー」
 まだ春も来てないけれど、今年の流行語はこれで間違いないだろう。にしても、どこから流行り始めたんだろうか。全く意味が理解出来ないから、とりあえず「早く飯くえよ」ってことなのかな、と思っておく。寝坊したし。
  天気予報もパクチー。お日様活発だし見るからに雨は降らなさそうだ。他には時計がパクチー。LEDパクチー。母さんの靴下の柄がパクチー。あと家の庭もパクチー。
 で、案の定食卓もパクチーだらけ――というわけではなかった。パクチーパクチーうるさすぎて早速耐えられなくなりそうだったけど、食パンが食べられる生活に改めて感謝したい。イチゴジャム最高!



      「はちく」


 
 学校に着くと―知ってたけど―パクチーの話題であちこち盛り上がっていた。というか、パクチー連呼でうるさいだけなんだけど。
 数学教師もパクチーに毒されていた。数式のちょっと空いてるところにパクチーの絵をモリモリ描いている。ヤクチュウの描いた絵くらい下手くそだ。あとルートパクチーって何だよ。
 まあいいや。まともに話聞かなくても、「パクチー」ってノートに書いておけば、とりあえず帰ることはできる気がする。
 帰る前にパクチー買ってくか。肥料は要るんだろうか。
  
「パクチーすき?」
 一人のときに物音がしたときくらいビビった。聞き慣れた言語なのに、一瞬頭をすり抜けてってしまった。今日の地球はドゥユノパクチ、だかを軸にして既に半分くらい回ったんだから仕方ない。
「パクチー……多分、すき」
「どこがスキやねん」
  パクチーの好きなところ……あの……あれあれ……例えばこんな……、ごめん分からない。
 ぶっちゃけた話をすると自分はパクチーにわかだ。
「ワタシは美味しいと思います」
「?……なるほど」
「、……………」
「…………」
 こいつもパクチーにわかかよ。美味しいの一言で会話が途切れてしまった。歩きながらパクチー発してる人に話しかけたほうがまだもう少しキャッチボール出来たと思うよ。
 でも実際はパクチーガチ勢にデッドボールくらわせ乱闘騒ぎだろう……誤った知識でもの好きを名乗ってはいけないと、ほんとに思う。最初に投げたのがパクチー無知勢だったことがせめてもの救いだっただろう。早く気付いてくれ。
 
 そんなこんなで家に帰ってしまった。家族には会いたくなかった。イチゴジャムで片面を固めた食パンが今日はあまり美味しく感じられなかったからだ。無知からするとパクチーは汚いイメージがある。何でかは分からないけど。
 とりあえず家の庭に出て、15円レジ袋いっぱいに摘めてきたパクチーを一つずつ並べ始める。肥料はとりあえず効き目が良さそうな「まぜるな危険」シリーズにしておいた。
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
 怖っ!!!
 ビックリしてまぜるな危険をぶちまけてしまった。身にかからなくてよかった。
 しかし突撃してきた家族どもはもっと怖かった。
「アアアアアアア!!アアアアアアアア!!」
 瞬間四面楚歌。360°いたるところからタックルされた。運悪く、まぜるな危険プールにパシャパシャしてしまった。これ溶ける?やばくね?
 でもそんなことより家族を慰めることに必死だった。
「ごめん!なんか分からないけど、ほんとごめん!パクチーにわかで、ごめん!」
 すると呪いが解けたかのように家族は皆倒れた。と思いきやすぐに起き上がり、
「今日の料理はパクチーバイキングよ」
 と耳元で囁いてきた。耳は2つしかないのに家族3人分の声がそばで聞こえた謎にもそのときは気付かなかった。
 そんなことより、
「パクチーって、食べられるの?」
 てか、パクチーって、何ぞ?

「ドゥーユーノーパクチー」
 手当たり次第に声をかけてみたが、振り向いてくれる人はおらず。
 ようやく1人振り向いてくれたが、気付けば視界が緑がかった?暗闇になっていた。目瞑ったときにぼんやり見える目蓋みたいな色。
 パクチーを顔に貼り付けられていた。
 もはや怒りの感情は湧かなかった。
 
「パクチー、臭っ」