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┗340.シャインシックス【小説スレ】(9-28/47)
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9 :ダーク・ナイト
2023/01/31(火) 17:12:27
第七話 「ビリビリ対カチカチ&エスパー」
ジーナとみぞれはうなずいた。
二人とも考えていることは同じだった。
どのような要望かは知らないが、なんとしてでも来夢は協力者になったほうが心強いはずだ。
「良いわ。一体どんな内容なの?」
ジーナが口を開いた。
来夢はにっこりと笑って、ジーナに手を出した。
「パワードレッサーを貸してちょうだい。」
二人は、全てがわかったようにうなずいた。つまり、来夢は二人と腕試しの勝負をしたいというわけだ。
それがわかったとたん、ジーナとみぞれもそれぞれパワードレッサーに身を包んだ。
パワードレッサーを装着した3人は、見違えるほど綺麗になった。ジーナ以外の二人は驚いてパワードレッサーを見つめている。
「コホン!…では、この赤い玉が壊せたほうが勝ちね。」とジーナが言い、赤い玉を中心に出した。
ジーナ・ケスタはすうっと息を吸った。
「サイコアタック!」
紫色の大きな玉が来夢の上に降ってきた。
来夢はすかさず、「ビリビリカリスマ!」と唱え、玉を食い止めた。そのスキを見計らってみぞれが「カチカチコールド!」と叫び、赤い玉を固まらせた。
来夢は必死に技を叫ぶが、ジーナのサイコアタックにより、来夢の行く手をはばまれてしまう。
その間に、みぞれは「カチカチコールド!」と叫び続け、玉を凍らせ続けている。
そしてジーナが安心した瞬間…。
「プラズマブレード!」
来夢の必殺技が玉に命中し、玉が見事に壊れた。
ジーナとみぞれは呆然とした。しばらく声が出なくなり、その場に二人は立ちすくんでいた。
やがて、ジーナがせきばらいをして言った。
「ま、まぁ…初めての戦闘にしては上手いわね。」
来夢がにこっと微笑んで言った。
「戦わせてもらえて感謝なのですわ。」
⇒今回はいつもより長くなりました。八話へ続きます!
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10 :ダーク・ナイト
2023/01/31(火) 17:33:20
第八話 「電気娘の決意」
「ところで…。」
ジーナが来夢のミルクチョコレート色をした瞳をじっと見つめて言った。
「シャインシックスの協力者の方には…。」
来夢がコクリとうなずいた。
「腕試しをしてレベルも確かめることができましたですし、お二人ともとても強いお方ですわね。私、決めましたわ。」
ジーナとみぞれは期待の目で来夢を見つめた。
OKを出すか、断るか。
断ってほしくはない。なぜなら…この出会いは、来夢の瞳のようにミルクチョコレートの甘い味に仕上げたいからだ。
来夢は、言った。
「喜んでシャインシックスの協力者になりますわ!」
やった!とジーナとみぞれはタッチをした。
来夢は嬉しそうに目を細めている。
ジーナ・ケスタは、つぶやいた。
「…あと、パワードレッサーは3つも残っているわ。連中に見つかる前に協力者を見つけ出したのだけど…。」
すると、来夢が約10m先を指さした。
「あそこにどなたかがいるですわ。」
二人もそちらに目線をうつした。すると、ジーナの目は絶望に燃え始めた。まさか、とみぞれはジーナの顔の雲行きをうかがう。ジーナはうなずいた。
「…バリスパーの団員よ。」
三人の顔がさーっと青ざめていった。
たったさっき戦ったばかりなので、パワードレッサーは身につけたままだ。しかも、行く道は団員が待ち受けている道しかないのだ。他の道は、1つが今来た道。その他は木で覆い塞がれている。。来た道を戻っても街に戻るだけだ。
ココは進むしかない。
三人は恐る恐る歩きだしていった。
⇒九話へ続きます!
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11 :ダーク・ナイト
2023/01/31(火) 17:53:02
第九話 「初めての本気戦闘」
すると、バリスパーの団員がこちらに気が付き、近寄ってきた。
「ちわ。コレはコレは。アンタは、ジーナ・ケンダマでしょ。
あたしはジェネラル。」
さすがに誰でも自分の名前を間違えられたライラっとくる。
「失礼ね!誰がジーナ・ケンダマよ!ジーナ・ケスタよ!」
ジーナは怒鳴り散らした。
すると、団員がまぁまぁと言うふうになだめてきた。
「さっ、一勝負しますか。」
団員が告げてきた。ぴっちりとした黒い、スーツとは言い難いが私服とも言い難い団服をさらにぴっしりとさせた。
「望むところよ!」
三人はうなずいた。
ジェネラルが攻撃をしてきた。
「闇闇エネルギー!」
ジェネラルの手から、黒い気体が出てきた。
妙なものが出てきたのに気が付き、とっさに仲間を守ろうとしたジーナは前へと飛び出した。
「サイコアタック!」
紫色の大きな玉が、ジェネラルの上へと降っていく。
ジェネラルはそれを身軽に避けた。
「ボーイングストロング!」
ジェネラルの手が長くなり、力がついているのがわかる。
三人は散り散りになった。
次はみぞれが攻撃した。
「カチカチコールド!」
ジェネラルは氷となった。そのスキを見つけ、来夢が飛び出してきた。
「ピカピカレイン!」
と叫ぶと、空からジェネラルに向かって、電気の雨が降ってきた。ジェネラルは凍った上、ビリビリとしびれている。
「わ…わか…った…から…降参…する…。」
ジェネラルは倒れてしまった。ジェネラルの手から、なにかが出てきた。そして、三人の胸部分にはまった。
⇒十話へ続きます!
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12 :ダーク・ナイト
2023/01/31(火) 19:47:35
第十話 「悪の復活」
三人の胸部分にはまったのは、バトルアクセサリーだ。
1人に勝つたびに、1つたまっていく。
また、負けてもアクセサリーは減らない。
今回のアクセサリーは、「悪のビーズバッジ」だ。
紫色や黒色の、怪しい雰囲気を誘い出す色は、なぜかさわることのできない恐ろしい感じを出している。
ジーナ・ケスタはにらむようにバッジを見た。
「ジェネラルの悪がこめられていそう…。」
みぞれも言った。
「…一回、安全かどうか確かめます?」
来夢もみぞれに続いて言った。
「そうですわね。確かめたほうが良いかと思われますわ。」
みんなの意見を確認したジーナは、
「心霊解除!」
と叫んだ。この技は、物にこめられている悪意などを取り出し、安全なものに直す力がある。
その途端、ビーズバッジからにゅうっとジェネラルの姿が出てきた。最初は透明に近い色だったが、やがてどんどん色が濃くなり、さっきのジェネラルに戻ったのだ。
「どーも、ジーナ・ケンドウ!あたしを復活させてくれてテンキュー!」
とジェネラルは陽気に言った。
ジーナは、また名前を突っ込もうと思ったが、今は勝負のほうが大事だ。さっさと撃退させて、このビーズバッジから完全消滅させないといけない。
「…じゃ、開始よ!」
ジェネラルのかん高い声が外なのにくわんくわんと響き渡る。
「コールド・ストーン!」
みぞれが叫んだ。固くて大きくて重そうな氷の石が天から降ってくる。だが、ジェネラルはひるまなかった。
「ブラックホール!」
あっという間に、ごうごうと渦を巻いているブラックホールの中に、氷の石が吸い込まれてしまった。
このままでは、三人もろとも吸い込まれてしまう。
…と、来夢が前へ駆け出した。
「ビリビリショット!」
大きい雷がジェネラルの近くに三回落ちた。
…が、ジェネラルは見事避けている。
そうしている間に、ブラックホールと三人の距離がグングンと迫ってきている。
(どうしよう…。技を繰り出しても、全てブラックホールに吸い込まれてしまうわ…。)
ジーナはあわてた。このままでは危ない。
⇒十一話へ続きます!
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13 :ダーク・ナイト
2023/01/31(火) 20:36:46
第十一話 「新たな力」
「ホホホ、オーホッホッ。やってしまいなさい!私の可愛いブラックホールちゃん!」
ジェネラルのあざ笑う声がガンガンと耳に響く。
ジーナは苦しみながらも、
「テレパシー!」
と叫び、ブラックホールにテレパシーを送った。
(ブラックホールちゃん。ジェネラルをやってしまいなさい。)
もちろん、自分の持ち主を傷つけることなど不正だ。
だが、ジーナの念力は抜群の効果だ。
ブラックホールの体はじりじりとジェネラルのそばに寄る。
「ちょっ、ちょっとお待ち!ブラックホールちゃん!あたしは、あなたの持ち主でしょ!?」
だが、ブラックホールは自力ではもうどうにもできない。
「今だ!」
来夢が
「ショックパンチ!」
と言い、電気の塊がたくさんついたパンチをお見舞いする。
ジェネラルは動けなくなった。
だが、ジェネラルもなかなか強い。
「技解除!」
一回の戦闘で一回しか使うことのできない、技解除を行った。
技解除は、相手に技で苦しめられているときに、技を解除することができるのだ。
そうか、その手があった。と、ジーナは唇を噛んだ。
来夢も歯ぎしりをしている。
その時。今まで黙っていたみぞれが、前へと進んでいった。
「溶け込み!」
そう言って、ブラックホールに気体を送り込んだ。
だが、強い人によって作り出されたブラックホールは、やはり強い。とっさに気体を避けたのだ。
すると、ジェネラルが笑いだした。
「あらぁ?おっかしいわねぇ。さっき、あんなに自信満々に戦ってきたアンタ達、敗北かしらぁ?」
それは、悪意に満ちた笑い声だった。
決して、楽しくて笑った声ではない。
「ダークロック!」
すると、天井からおりと鍵が落ちてきた。
鍵は、すんなりとジェネラルがキャッチした。
だが、おりは三人の真上に降りていった。
危ないと思った三人だが、もう遅い。
まんまとおりに捕まってしまった。
おりを開けられる手段は、考えるのが難しい。
なにしろ、おりを開けることのできる鍵は、ジェネラルが持っているのだから。
すると、来夢はあることに気がついた。
これは、本物の鉄だ。だが、特殊な鉄でできている。
それは、電気を流しすぎると自動的に爆発してしまう鉄だ。
つまり…。
来夢はにんまりと笑った。
ジェネラルは階級は高いのだが、このようなミスはうっかりしている。
早速来夢は、
「ビカビカボルト!」
と言い、鉄にたっぷりの電気を通した。
ジェネラルはようやく自分のミスに気がついたようだ。
「おやめなさい、雷雨!」
来夢は自分の名前まで間違えられたので、ムッとした。
だが、おりは来夢の作戦で行けそうだ。
⇒十二話へ続きます!
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14 :ダーク・ナイト
2023/02/01(水) 16:57:09
第十二話 「新たな力〜中編その1〜」
ビシリ…ビシリ…。
だんだんと来夢のおりが崩れてきている。
だが、マズいことに気がついた。
来夢がおりに電気を通している間に、ジェネラルがブラックホールにかけられたテレパシーを取り消そうとしているのだ。
「そうそう、良い子ねー。さすがあたしのブラックホール。」
ジェネラルは長いまつ毛をブラックホールに向けてウィンクした。
みぞれは危ないと感じた。
来夢のおりはあと少しで開放されるが、その前にブラックホールのテレパシーがとけそうになってきているのだ。
みぞれは、危機感に感づくのが早く、周囲まで細かく気を配るタイプである。みぞれはおりに向かって、
「カチカチコールド!」と叫んだ。
だが、おりは凍るだけで、無効化だ。
ジェネラルは愉快に笑った。
「おバカさんねぇ!自分で自分のおりを凍らせちゃうだなんて。」
みぞれは悔しくなり、顔をゆがめた。
なんとしてでも仲間に傷がつく前に私が行かないと!
必死に、「冷凍クラッシュ!」と言い、おりを壊そうとしているが、おりはかなり丈夫だ。氷を当てられたくらいで壊れるほどもろくはない。
みぞれが手こずっている間に、来夢は電気を通し続けている。
来夢は、じれったいなと思っていた。
来夢はもともとせっかちで、物事をテキパキとこなす人だったので、辛抱強く電気を通し続けることなどやったことのないことだったのだ。
二人が一生懸命におりを壊そうとしている様子を見て、ジーナは涙ぐんだ。
私は二人の様子を見ているだけで…なにもできないなんて…。
自分から協力者になってもらったのに…迷惑しかかけていない…。
ジーナは、得意の念力を使おうとしたが、どうやって使うかだ。おりを動かしたら自分も動いてしまう。
すると、ジーナの視界に、ジェネラルが持っている太い棒が入った。そして、力を込めて棒をジリジリと寄せた。
⇒十三話へ続きます!
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15 :ダーク・ナイト
2023/02/02(木) 15:20:59
第十三話 「新たな力〜中編その2〜」
ゴトン!と音が響き、ジェネラルの手からずりずりと棒がジーナの方に近づいてきている。
ジェネラルは、棒に向かって魔法をかけた。
「行ってきなさい!マジカルスティック!」
棒は、ジーナの正確な念力とジェネラルという持ち主からの命令を同時に聞いて、混乱してしまった。
本来であれば、持ち主のジェネラルの命令を聞くはずだ。
だが、今はジーナに操られてしまっている。
棒は引き返したいが、ジーナの念力に逆らえなくなっている。
その間にも、ブラックホールは苦しみながらもテレパシーをとかそうとしている。
この事態は、三人にとって都合の悪い状態になってしまった。
絶体絶命の大ピンチだ。
ブラックホールはだんだんと状態が戻ってきている。また、マジカルスティックは逆らおうとしているが逆らえない。
来夢とみぞれはおりを壊そうと必死になっている。
ジーナはマジカルスティックを念力で呼び出そうとしている。
ブラックホールは強力だ。
マジカルスティックが成功したとしても、吸い込まれてしまうだろう。また、三人も吸い込まれてしまう。
今はブラックホールのことが大切だ。
だが、ブラックホールに対抗する手が思いつかない。
ブラックホールは体が大きくて黒いので、小さなものや技は、あっという間に飲み込まれてしまう。
…と、その時。
木がゆさゆさっと揺れた。
⇒十四話へ続きます!
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16 :ダーク・ナイト
2023/02/02(木) 15:57:01
第十四話 「新たな力〜中編その3〜」
ザザアッ。
風が吹いて、木の陰からなにかが飛び出してきた。
あまりの速さに、まともに姿を見ることができない。
だが、走るのをやめて、姿を見せた。
さわやかなレモンスカッシュのような色をした瞳。
まるですっぱいレモンのような色をした、ツインテールに束ねた髪の毛。
風に吹かれるたびに、レモンのような酸っぱさが空気の自然な美味しさと混ざるような、自然と調和した姿になる。
その少女は、キッとジェネラルをにらみつけると、目にもとまらぬ速さでジェネラルの後ろに回り込み、
「サイクロンピラー!」
とおどすような低い声をとどろかせた。
ジェネラルは突然の少女の登場に驚いていたため、少女への攻撃にまで手が回らず、攻撃を受けてしまった。
「グ…。」
ジェネラルが、攻撃を当てられた足首を押さえて床にうずくまる。すると、持ち主の危険を察したブラックホールが、少女と三人に向かってグングンと迫ってきた。
持ち主に代わって攻撃をするということのようだ。
(嘘…ブラックホールのテレパシーがとけてる…。そして…この子は一体誰…?)
突然のことに、ジーナは頭が回らなくなってきた。
⇒十五話へ続きます!
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17 :ダーク・ナイト
2023/02/02(木) 16:24:24
第十五話 「新たな力〜後編その1〜」
少女は、勇ましくブラックホールに向かって走って行った。
走るその姿は、シュワシュワと弾けるレモンスカッシュそのものだ。
「サイクロンピラー!」
カッと目を見開き、ブラックホールに向かって風を飛ばした。
ブラックホールは攻撃を受け、前進することができなくなった。
今までただ立って見ていただけの三人も、おりの中に入ったまま、おりの隙間から次々に攻撃をしてきた。
「フリーズドライ!」
まずはみぞれが攻撃をした。
ピュォォ…と寒くて冷たい風がブラックホールを包み、あっという間にブラックホール型の氷が仕上がった。
すると、来夢のおりがバン!と壊れ、来夢が開放された。
来夢は地面に倒れているジェネラルの手に乗っている鍵を持つと、みぞれとジーナのおりを開けに行った。
カチャッと音がして、二人が開放された。
ブラックホールは完全に凍ったが、まだ不安なため、来夢が一発技をお見舞いした。
「バチバチエレキ!」
⇒十六話へ続きます!
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18 :ダーク・ナイト
2023/02/02(木) 16:59:17
第十六話 「新たな力〜後編その2〜」
ブラックホールは凍りながらもしびれ、おかしな状態になっている。
「せっかくだから、この子も味方にしちゃいましょうよ!」
ジーナは念力でマジカルスティックを呼ぶと、マジカルスティックを手に持った。
「味方ビーム!」
ブラックホールはそのビームを浴びた。
次の瞬間、四人になついてきたのだ。
マジカルスティックは、「魔法の杖」という意味。
その名の通り、魔法の杖なのだ。
マジカルスティックもすっかり四人に打ち解け、さっきまでの四人への対抗心は消えていた。
おそらく、ブラックホールへビームを出すときに自分の体に伝わったのだろう。
「そして…。」
ジーナとみぞれと来夢は横目でちらっと少女を見ようとした。
だが、少女はそこにはいなかった。
風のような速さでどこかへと去っていったのだ。
ジーナは途方に暮れた。
「あの子にも仲間になってほしかったなあ。」
みぞれも言った。
「あの方が入れば、この団体はさらに強力になるはずですよ。」
来夢は落ち着いて言った。
「二人とも。よく考えてくださいまし。今回、あの子は私達を助けてくれたでしょう?ということは…サイケフォースに興味があるということ…ではないかしら?なぜって、興味もない人のことを助けようとは思わないはずございましょう?」
確かに。と二人はうなずいた。
すると…三人の胸部分にはまっていたビーズバッジがキラキラと輝き出したのだ。
「おそらく、悪を取り出したという証拠ね。」
とジーナは誇らしく言った。
その瞬間、目の前がまぶしく光りだしたのだ。
⇒十七話へ続きます!
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19 :ダーク・ナイト
2023/02/02(木) 18:20:40
第十七話 「新たな力〜後編その3〜」
きらきらとした光りに包まれ、空からなにかが落ちてきた。
9個の穴があいているリングだ。
リングと同時に、紙切れも落ちてきた。
サイケフォース一同
ジーナ・ケスタ殿。また、仲間達。
1人目のバリスパー団員は倒した。
だが、残り8人のバリスパー団員と戦わなくてはならない。
最後に近づくほど、戦闘のレベルは上がっていく。
そのうち、実力だけで勝つのは難しくなっていく。
そのため、あなた達にこのリングを授ける。
1人に勝つたびに1つの特殊な能力が備わる。
また、1回の戦闘では1つしか使えないため、よく考えて使うように。
今回は、1人ずつに「闇の特殊魔法」を与えた。
一人一人違う特殊魔法を与えた。ぜひ使ってみて欲しい。
それを見た三人は驚いた。
ブラックホールとマジカルスティックを仲間にした上に、特殊魔法のリングまで手に入った三人は、飛び上がって喜んだ。
1番興奮したのはジーナだ。
「サイケフォースのみな様、ありがとうございます。使わせていただきます。」
と天に向かって言った。
ジーナの声は、青く晴れた空の彼方まで響いていった。
三人の心も、青空のように晴れ渡っていた。
三人は早速、リングをひとさし指にはめてみた。
小さい銀色のリングは、光に反射するたびに、キラッキラッと光り輝く。
これも仲間と協力して成功した達成感のおかげだな。
とジーナは感動して目頭が熱くなった。
リングには一人一人違う特殊魔法が入っていた。
だが、三人とも紫色の玉がはめ込んである。
ボタンを押すと技の名前が表示され、ボタンを長押しすると技が発動できる。
ジーナは「闇闇エネルギー」
手から闇のエネルギー(気体)を出し、相手の気力をなくすことができる。攻撃に無関心になり、意識がうつろになってくる。
欠点としては、チルドタイプには無効化で、氷には弱い。
また、チルドタイプの技を浴びてしまうと、発動できなくなる。
みぞれは「ダークロック」
空や天井からおりと鍵を召喚し、相手を閉じ込めることができるが、電気を通し続けると破裂してしまう鉄の素材でできているため、電気タイプの人には使うことを進めない。
来夢は「ブラックホール」
巨大なブラックホールを出し、相手の技や相手を飲み込むことが可能になるが、強い念力や操りには弱く、一定時間操られると相手の味方になってしまう。
をもらった。
どうやら、ブラックホールは1時間経つと消えてしまうらしい。さっきまで三人の横にいたブラックホールもいつの間にか消えている。
「さぁ、このまま力を合わせて頑張っていきましょう!」
ジーナが言った。
三人は、握りこぶしを中心に集め、軽くコツンと合わせた。
⇒十八話へ続きます!
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20 :ダーク・ナイト
2023/02/02(木) 18:48:26
第十八話 「新たな力〜番外編〜」
あたしは、嬉しそうに笑う三人を見届け、走り出した。
風を切って走る、この爽快さ。
一歩ごとに体中にエネルギーがふつふつと湧いてくるような気がする。
私の名前は、琴平 風香。
元陸上選手。
今まで走ることに人生をかけていたあたしは、陸上で史上最高記録を出して出して出しまくっていた。
走ることは、リフレッシュになる。
あたしはいつもそう思い、爽やかな気分で走っていた。
だが、数年前に妙な台風に巻き込まれてしまい、当然陸上選手として生きていけない状態になってしまったのだ。
それからなぜか風を操ることができるようになってしまった。
スパッと切り、ビュッと走る。
まさに、今の私が必要としていたリフレッシュ。
そして、三人を見つけた。
その三人は、とても魅力的なオーラをまとっていた。
だからだろうか。
とてもその三人を助けたくなった。
なにがなんだかは知らないが、とりあえず危ない状況におちいっているというのはわかる。
あたしは、そうして三人を助けたのだ。
いつか、また会えますように。
琴平 風香
⇒十九話へ続きます!
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21 :ダーク・ナイト
2023/02/02(木) 21:05:56
第十九話 「レインボードリンクの伝説〜前編から中編その1まで〜」
・前編・
ジーナ・ケスタと陣内みぞれ、大甕来夢は森に来ていた。
そう。ジェネラル戦が終わり、自然豊かな森で暮らしていたのだ。ジーナの技、「実体映写」を使ってその場にテントを出し、そのテントの中で暮らしていた。
鳥のさえずる声や木の葉音、小川のせせらぎが心を和ませてくれる。まだこの森は、バリスパーには荒らされていなく、ありのままの姿だった。
そもそもバリスパーは、使い勝手の良さそうな街を目につけ、支配しようとしているのだろう。
三人はそんな中、ゆったりと自然を楽しんでいた。
ふと、みぞれは果物が実っている木を見つけた。
虹色の色の、洋梨型のフルーツだ。
珍しい色なのだが、どうも毒々しい雰囲気をまとっている。
「どうしよう、綺麗なのだけど毒がありそうな見た目…。」
とみぞれはつぶやいた。
みぞれの濃いグレープジュースのような、うるうるした瞳はみぞれが心配して余計うるうると輝いている。
そんな三人の不安を知らない空は、雲ひとつなく晴れていた。
不安もかき消すような青空に…。
・中編その1・
ガサガサッ。と音がして、木が揺れた。
その反動で、みぞれはビクッとした。
後ろに立っているジーナと来夢もかすかに震えている。
張り詰めた空気の中、ジーナが重々しく口を開いた。
「…このフルーツ…。辞典に載っているかしら。」
そう言って、小さな鮮やかピンクの丸いポシェットの中から、一冊の分厚い辞典を取り出した。
みぞれと来夢は、どこから出したのかなどは聞かなかった。
それよりも、今はフルーツのことで必死だったのだ。
鳥はそのやり取りを見るようにチュチュイッと鳴き、短い首を一生懸命伸ばして辞典を見ようとしている。
「えっと、フルーツの目次の中から、…コレ…かしら…。」
ジーナが指を指したそのページには、目の前にあるフルーツと全く同じ色、全く同じ形をしている。
とは言っても、少しつるつるしているが…。
「この美しきフルーツの説明は…。」
と、来夢が説明を読みあげた。
⇒二十話へ続きます!
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22 :ダーク・ナイト
2023/02/03(金) 17:53:06
第二十話 「レインボードリンクの伝説〜中編その2から中編その3まで〜」
・中編その2・
「ある街にある、このレインボーフルーツ。見た目は毒々しく、怪しんで食べない者がほとんどだが、実は食べられる。味は濃厚で、舌がとろけるほど甘い。一口かじるごとに味が変わる。色は虹色で、形は洋梨型。さわると若干つるつるしており、噛みごたえはぷにぷにしていて柔らかい。」
「へー!じゃあ、コレ食べれるんだ!」
とジーナは興味津々にフルーツをながめた。
「ですが、レインボーフルーツって本当に美味しそうですよね。」
とみぞれがレインボーフルーツをじっと見て、今にもかぶりつきそうな目をしている。
「ですわね。私も召し上がってみたいと思いますわ。」
と来夢も言う。
異口同音なため、早速食べてみることにした。
かぷり。
最初に、みぞれが食べてみた。
皮までもが柔らかく、肉厚で果汁たっぷりな味わいだ。
一口かじるごとに味が変化するため、何口でも食べられそうな、まさに魔法のフルーツだ。
最初の一口目は、りんごの優しい甘い味わい。
次の二口目は、オレンジの甘酸っぱい味わい。
次の三口目は、バナナの濃厚でトロピカルな味わい。
四口目は、メロンのさわやかでジューシーなな味わい。
五口目は、ぶどうの甘味と酸味が舌の上でとろけだす味わい。
六口目は、ブルーベリーのほのかな酸味のある味わい。
七口目は、いちごの春の吹雪を感じられる胸のときめきの味わい。
一口ごとに、みぞれは「うーん!」と感動をうなってしまう。
この味わいは、言葉でもとても言い表せないくらいの味だ。
みぞれに続いて来夢もかじってみた。
目を飛び出さんばかりに開きながら、レインボーフルーツをかじる口はやめられない。
ジーナも横でレインボーフルーツをかじりながら、幸せそうな顔を見せている。
三人は、芯まで大切になめきった。
すると、なぜか満腹になり、一食分を食べたような気分になった。辞典のレインボーフルーツは、次のページにも説明が続いていた。来夢がそれに気がついて、読みあげた。
「なお、1つを食べると一食分のご飯を食べたように満腹になる。バトルのときのエネルギー補給にもおすすめ。」
それを見た三人は顔を見合わせた。
(このレインボーフルーツを持っていきたい!)
三人が考えていることはこれにまとまっていた。
「でも…。」
とジーナが残念そうにレインボーフルーツへ視線を向ける。
「このままでは腐ってしまうのでは無いでしょう?」
と来夢も心配そうにうつむきながら聞く。
ただ、みぞれ1人が自信満々だった。
・中編その3・
「どうしたの、みぞれ?」
「どういたしました?解決策でも思いつきましたの?」
ジーナと来夢はみぞれに聞き合う。
みぞれは、コクッとうなずいた。
みぞれは木からレインボーフルーツを九個つみとった。
「コールドウィンター!」
あっという間に、レインボーフルーツが凍った。
「凍ったら腐らないでしょう?」
とみぞれが二人に堂々と説明した。
なるほど、その手があったか!と二人は手を叩いた。
このようなときに、チルドタイプの協力者がいたことにジーナは感謝した。
そして、レインボーフルーツは私服にジーナが付けている「無限ポシェット」に入れた。
すると、森の奥の方から声がした。
この声…なんだか聞き覚えのある声だ。とジーナは感づいた。
その声に近づいていこうとする来夢とみぞれを引き止め、草むらから様子をうかがっていた。
やはりジーナの勘通り、バリスパーの団員だった。
「ここらへんに、レインボーフルーツとやらがあるらしいですよ。」
「見たところ無いのだが…。」
「木に実っているのですよね?」
「噂では、そのフルーツでジュースを作ると、1時間だけ無敵な体になれるらしいぞ。」
と、団員の声が聞こえてくる。
おそらく四人くらいがいるだろう。声の種類が四種類ある。
その声は三人の隠れている草むらの前を通り越して、三人が来た道を進んでいった。
団員が通り過ぎていった後、来夢が二人に告げた。
「聞きました?無敵な体になれるらしいとのことですわ。」
まさか、レインボーフルーツにそんな力があるなんて…と三人は驚いていた。
たまたま見つけたフルーツに戦いに有力な力があったのだとは、単なる偶然だとしか思えなかった。
⇒二十一話へ続きます!
[
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23 :ダーク・ナイト
2023/02/03(金) 21:34:06
第二十一話 「レインボードリンクの伝説〜後編その1から後編その2まで〜」
・後編その1・
「レインボードリンクはどのようにして作りますの?」
と来夢が辞典をめくる。
目次に、「レインボードリンクの作り方⇒897p」と書いてあった。来夢がそのページを読みあげた。
「レインボードリンクは、レインボーフルーツを『変化型魔法』でジュースにすることで作ることができます。なお、『変化型魔法』は、マジカルスティックで発動できます。」
「マジカルスティック!?」
とジーナは驚いた。
ちょうどジェネラルから奪い、味方にしたばかりだからだ。
なんとありがたいことだ、とジーナはしみじみ思った。
そして、さっき無限ポシェットに入れたばかりのレインボーフルーツを取り出した。
まず、みぞれに氷を解除してもらった。
魔法がかかった状態で別の魔法をかけることは難題だからだ。
「解除!」
みるみるうちに、元のレインボーフルーツに戻った。
次に
「変化型魔法!」
とジーナが声を張り上げ、レインボーフルーツに向かってビームを発射した。
すると、レインボーフルーツが溶け出した。
とっさに来夢がグラスを作り出し、グラスにジュースを注いだ。
次の瞬間、目の前にはグラスに注がれたレインボードリンクがあった。
まず一口、ゴクッとジーナが飲んでみた。
ジーナはまんまるな目をして、「美味しい!」と叫んだ。
みぞれと来夢も続いて飲んだが、やはり二人も目を輝かせた。
・後編その2・
「こんなに美味しいものが作れるようになったなんて…!」
さらに、バリスパー団員が言っていた、無敵な体になれるということだが、本当に無敵な体だった。
試しに電気を通しても凍らせても念力を使っても、全然攻撃の効果が表れない。
さらに、どれだけ走っても疲れないのだ。
また、美味しい部分はもう一つある。
自分の攻撃もパワーアップしているのだ。
電気タイプの、一番弱い技でもビリビリにしびれ、しびれ状態になる。
「コレは良いものを見つけたわね!」
とジーナはガッツポーズをした。
三人は、青空を見上げた。
三人の今の心のパレットは、まさに青空のさわやかなスカイブルーであった。
⇒二十二話に続きます!次回からは「からから砂漠のバトル」編です。
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24 :ダーク・ナイト
2023/02/04(土) 10:34:37
第二十二話 「からから砂漠のバトル〜前編〜」
夕方になり、三人は北の方へと歩き出した。
北には、砂漠がある。
この自然豊かな森を去り、暑苦しい砂漠へと向かうのだ。
しっかりと豊富な水をボトルに入れ、三人は歩いていた。
「砂漠…。ここにもなにかいそうですよね…。」
とみぞれは不安そうにきょろきょろとあたりを見回しながら言う。
砂漠はがんがんとした暑さで、意識がもうろうとしてくる。
そんな中、ジーナはあることに気がついた。
「ん…?待って、みぞれ!チルドタイプって砂漠に強いの?」
とジーナがみぞれに大慌てで聞く。
「そうですね、チルドタイプは強烈な暑さには弱いです。炎など。」
とみぞれが答えた瞬間に、ジーナは早口で言った。
「っていうことは、まさかだけど…レインボーフルーツが…!」
みぞれはようやくハッとした。
ジーナの無限ポシェットの中にあるレインボーフルーツは、溶け出していた。半腐り状態になってしまっている。
「………。」
その場に三人は立ちつくした。
ジュースも当然のこと、じとじととしている。
「大切なフルーツを…失ってしまいました…。」
みぞれは大粒の涙を瞳からぽろぽろとこぼした。
「ですがね、これで良かったのだと思いますわ。」
と来夢が静かにつぶやいた。
本当は来夢も辛くて悲しくて心がやぶれそうだった。
だが、泣いてもなにも変わらないと思い、ひたすら舌を噛んで、悔しがった。
「なぜって、無敵な体を持つことのできるフルーツに頼るより、自分たちの力で勝つ方が達成感ありますでしょう?」
涙で声が震え、うまく話すことができなかったが、二人に来夢の気持ちは伝わったようだ。
二人は涙で顔をくしゃくしゃにしながらも、にこっと笑った。
ビュオー。
一気に砂ぼこりが舞い上がり、三人は砂が目に入らないように、思わず目をつぶった。
「…!…ナ!…ーナ!…ジーナ!」
ジーナは来夢の声に目を覚ました。
「ん…?ここはどこ…?みぞれは?」
みぞれは、ジーナの右隣ですやすやと寝ている。
三人ともいることに、ジーナはほっとした。
「にしても、ここはどこなの?」
とジーナは辺りを見渡した。
さっきまでいた、どこまでも砂道が続く砂漠ではない、少し涼しい空気のある、サボテンや砂山がたくさんある場所だ。
「…私達、ここに飛ばされたのね…。」
とジーナは言った。
「これからどういたしましょう?」
と来夢が首を傾げて言った。
来夢の声に、みぞれが目を覚ました。
「ん…?ここはどこです?」
寝起きでなにも知らないみぞれに、来夢が今までのことを説明した。
どうもここは、陰気臭い雰囲気がただよっている。
すると、周辺にあった、少し大きくて棘がたくさんあるサボテンが動いた。
三人は驚いて、後ろへ後退りした。
今は風も吹いていない。そのため、サボテンが動いたということだ。
⇒二十三話へ続きます!
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25 :ダーク・ナイト
2023/02/04(土) 12:15:25
第二十三話 「からから砂漠のバトル〜現れたサボテン〜」
くるっとサボテンが振り向いた。
三人は精神を集中させて立ち上がった。
(これは…バリスパーの団員…。)
なぜバリスパーの団員なのかわかったのかというと…。
バリスパーの団員は、全員黒いぴっちりとした団服を着ているからだ。ジェネラルもサボルナと同じ団服を着ていた。
さらに、いつの間にか夜になっていた。
夜になると、さらに団服は見にくくなる。
また、夜の敵や相手を見にくくなる時間帯は、とても戦いにくい。
「俺はサボルナ。サボルナはさぼるな!」
その場がしーんと静まった。
「ゴホン!」
とサボルナが咳ばらいをした。
自分が思いついたダジャレがあまりにも寒かったのだろう。
気まずそうにサボルナは場を取り戻した。
「俺は夜にしか動かない。到底お前たちに俺は倒せないだろう。朝までに倒すだなんてな。意外と夜って短いんだぞ?」
ハハッと軽く笑い、サボルナは恐ろしい緑色の体をゆさゆさとゆすって言った。
「さあ、お前たちの実力…。見せてもらおうじゃないか!」
サボルナの金色の瞳がさらに恐ろしくビカッと光った。
「弾丸爆弾!」
サボルナの太くて低い声が響いた。
約3秒後に、黒くて丸く、硬そうな種が飛んできた。
さらにただの種ではなく、地面に当たると爆発する。
弾丸爆弾を避けながらの攻撃は、かなり体力を消費してしまう。
「どうしたあ!?」
サボルナは不敵な笑みを浮かべた。
自分が一方的に勝つと思っているのだろう。
「アンタなんかに負けたくない!」
来夢がザッと飛び出した。
⇒二十四話へ続きます!
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26 :ダーク・ナイト
2023/02/04(土) 15:31:42
第二十四話 「からから砂漠のバトル〜サボテンとのバトル開始!〜」
「ピカピカレイン!」
来夢の、電気の雨が空から降ってくる。
だが、サボテンには効果がない。
サボテンはLEDライトで育てることが可能なため、電気を当ててもダメージを喰らわないのだ。
その間に、弾丸がボンボンと飛んでくる。
ドカーンとこちらで爆発したかと思えば、あちらでドカーンと爆発する。
三人は用心深くサボルナに近づかないといけないのだ。
「どうしたあ!まだまだあ!」
サボルナは体の向きを変えた。
さっきまで三人はサボルナの背中に向かっていたが、向きを変えられては攻撃ができない。
仕方なく、ジーナが攻撃した。
「サイコアタック!」
紫色の大きな玉は、サボルナに当たった。
だが、サボルナには強いダメージが当たっていない。
「まだまだあ!勝負はまだ始まったばかりだぞおぉ!」
とサボルナが叫んでいる。
サボテンの花言葉は、「枯れない愛、情熱、燃える心」だ。
その通り、サボルナは情熱に満ちて戦っている。
すると、まだ攻撃をしていなかったみぞれが攻撃した。
「カチカチコールド!」
みぞれの攻撃はサボルナに当たり、見事サボルナが凍った。
だが、その氷もサボルナの熱い情熱により、溶かされてしまった。
とても、ただのサボテンとは思えない情熱の心を持っている。
まあただのサボテンではない、バリスパーの団員なのだが。
来夢とジーナは顔を見合わせた。
みぞれの攻撃がサボルナに効くのであれば、二人は変に攻撃しないほうが良いだろう。だからといってみぞれ一人に攻撃させるのも良くないだろう。
二人は迷っていた。
このままみぞれだけで攻撃していては、みぞれの体力が減っていくだけだ。なんとかしなければ。
二人が迷っている間にも、みぞれは攻撃を続けている。
「ひえひえブリザード!」
冷たい風が一瞬にしてサボルナを包んだ。
その場に立っている来夢とジーナは飛ばされないように必死に足を地面につけた。
攻撃しているみぞれ自身も踏ん張っている。
冬にこの技を使うと、凍りそうなくらい寒い。
そのため、できるだけみぞれはこの技を冬に使いたくなかった。だが、この場になってしまっては使うしか無いだろう。
しかし、このまま踏ん張っているのもきつくなってくる。
「助けに来ました!」
今までに聞いたことのない、りんとした声が響いた。
⇒二十五話へ続きます!
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27 :ダーク・ナイト
2023/02/05(日) 11:19:22
第二十五話 「小さな怪物登場」
小さな影がとっとっとっと、厳しい風の中、走ってくる。
スパァン!と音がして、氷でできた刀がサボルナの頭にかすった。
サボルナは凍りついて、両手を上げた状態で固まっている。
みぞれの攻撃の上から氷の刀が当たったため、二重に凍ったのだろう。
小さな動物はくるっと振り向いた。
光る黒豆のような瞳を三人に向け、ふわふわとした純粋な白色の毛を揺らすたびに風にのって毛が飛んでいく。
その様子は、まるでたんぽぽの綿毛のようだ。
それまで張り詰めた空気だったが、その動物によって空気が少しだけ春色になった。
「あ…あなたは?」
助けてくれてありがとう、の言葉も忘れてジーナは動物に聞いた。
「私は…すかい。」
その動物はほんのりと桃色に頬を染めて言った。
「すかい、助けてくれてありがとうございます。」
とみぞれがご丁寧に言った。
みぞれの言葉でジーナと来夢は恥ずかしくなった。
助けてもらった恩人に、お礼を言っていなかったとは。
二人はあわてて動物に感謝を伝えた。
「ありがとう!」
「本当に感謝ですわ。」
「なにかお詫びに…」
とみぞれがすかいに聞いたが、すかいは小さく首を振った。
「私は…なにもいりません。…!」
すかいはなにかを思いつき、小さなスカイブルーカラーのダウンからなにかを取り出した。
「これは…ブルームーンストーンです。使ってください。」
そう言って、すかいは去っていった。
すかいの後ろ姿は砂風にかき消され、あっという間に小さくなっていった。
その場に三人はしばらく立ち尽くしていた。
やがて来夢が声を出した。
「また…助けられましたわね。」
「それは嬉しいのだけど…」
とみぞれが眉をひそめて話しだした。
「私達の力を発揮しなければ団として結成できないのでは…?」
その言葉に、二人は夢から覚めたようにハッとした。
⇒二十六話へ続きます!
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28 :ダーク・ナイト
2023/02/11(土) 20:28:53
第二十六話 「閉じ込められた悪→?その1」
そのまま、しんとした雰囲気が流れ続けた。
三人の目の前には、かちかちに凍ったサボルナがいる。
サボルナはちっとも動かない。
それもそのはず。サボルナは倒されたのだ。
だが、今の三人にはサボルナが倒れたことを喜ぶ気力はなかった。
なぜなら、みぞれの一言が胸に突き刺さったからだ。
鋭い矢のようなその突き刺さった言葉は、未だに三人の胸の的から離れてくれない。
的の中心に、言葉の矢は命中しているのだ。
三人は、胸がきりきりと痛むのを感じた。
氷のように固まったジーナと来夢を見て、みぞれは、
(しまった。)
と思った。
みぞれは二人を勇気づけようとして励ました。
「いえ、大丈夫ですよ。助けていただいたとしても、攻撃を観察して今後に生かしていけますよ。」
だが、二人はみぞれの心配をひっくり返すことを言った。
「みぞれ、励まさなくって良いのよ。だって本当だもの。」
「そうですわよ。嘘ではないのだから。むしろ、みぞれさんが教えてくれたことによりまして私も目が覚めましたわ。」
みぞれはその言葉を聞いて胸をなでおろした。
自分がやったことは過ちではないことに気がついたのだ。
そして、「不安」にまみれたみぞれの心は二人の優しい言葉がクッションのようになって、「安心」に变化したのだ。
さっきまでの張り詰めた空気が、一気にバラバラと崩れた。
そして穏やかな空気へと変わった。
「そういえばだけど…サボルナを倒したから…バトルアクセサリーは手に入ったのかしら?」
ジーナは不安そうに胸元を見た。
毒々しい色のビーズバッジが1つついている。
前回、ジェネラル戦で取得したバッジだ。
しゃらん、と鈴のような音色が聞こえた。
どこからの音だろう、とジーナは辺りを見渡した。
ジーナが腰を右に左にねじるたびに、しゃらん、しゃらんと音が鳴る。
すると、来夢が気がついた。
「ジーナさん、腰をご覧くださいませ!」
⇒二十七話へ続きます!
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