セブンネットショッピング

スレ一覧
┗340.シャインシックス【小説スレ】(1-20/47)

|前||最初のレス|最近のレス|検索|書き込み|更新
1 :ダーク・ナイト
2023/01/29(日) 21:17:29

この物語は、少女戦士たちの、悪と戦う物語…。
感想は>>>333へ。

プロローグ>>2
第一話「日本に到着」>>3
第二話「あなたは…?」>>4
第三話「初めての仲間」>>5
第四話「ジーナ・ケスタの疑問」>>6
第五話「ビリビリの運命」>>7
第六話「思いがけぬ展開」>>8
第七話「ビリビリ対カチカチ&エスパー」>>9
第八話「電気娘の決意」>>10
第九話「初めての本気戦闘」>>11
第十話「悪の復活」>>12
第十一話〜十八話「新たな力」>>13-20
第十九話〜二十一話「レインボードリンクの伝説」>>21-23
第二十二話〜第二十五話「からから砂漠のバトル」>>24-27
第二十六話〜第三十二話 「閉じ込められた悪→?」>>28-34
第三十三話〜第   話 「怪しの山小屋」>>35-

[返信][編集]

2 :ダーク・ナイト
2023/01/29(日) 21:22:03

プロローグ

ある街に、1人の少女戦士がいた。
名前は、ジーナ・ケスタ。
街は、warriorタウン。戦士という意味だ。
実は、この街が何者かによって荒らされている。
ジーナ・ケスタの目的。
それは…。
その何者かを倒し、世界を平和に戻すということだった。

[返信][編集]

3 :ダーク・ナイト
2023/01/30(月) 08:43:28

第一話 「日本に到着」

「…ここが、日本なのね…。」
ジーナ・ケスタは、街中を見渡した。
普段なら、観光客や住人でワイワイと賑わうこの街。
今は、陰気臭い雰囲気に包まれ、建物はボロボロに破壊されている。住人達は、騒ぎにならないように、眠らせられていたのだ。
悪人の名前は、「バリスパー」。
とは言っても、犯罪組織の名前だ。
「はやく…この世界を平和に戻さないと…。」
ジーナ・ケスタは、桃のような可愛らしい髪の毛をし、爽やかな水色のリボンで髪の毛を結んでいる。
一見愛らしい少女に見えるのだが、実は念力を得意としている。
ジーナは、一刻もはやく、仲間を見つけ、バリスパーを倒すことを目的としていた。
ジーナは、「サイケガーデン」という、この世界とは別の超能力世界から来た。
バリスパーが世界を荒らそうとしていることをしった、サイケガーデンの防衛組織、「サイケフォース」は、特殊部隊の新人少女、ジーナを日本に送り出したということだ。
「はやく…仲間を見つけないと。」
ジーナのつぶやきは、人々が眠った世界に静かに響いていったのである。
⇒二話へ続きます!

[返信][編集]

4 :ダーク・ナイト
2023/01/30(月) 08:55:59

第二話 「あなたは…?」

誰もいない無人の街…のはずだが、なぜかこの街、数人が生き残っているような雰囲気がただよっている。
すると、遠くに人影が見えた。
普段は広場となっている地面に、誰かが座っている。
ジーナは駆け寄ってみた。
こんなに住人が眠らされている荒れた街の中でも生き残っているような人であれば、サイケフォースの協力者にぴったりな超能力を持っているだろうと考えたのだ。
座っている少女は、目玉が書かれた黒い紙の上に乗り、なにやら呪文を唱えている。
「あぁ…やっぱりダメだ…。」
少女はつぶやいていた。
ジーナは、なんだぁとがっかりしてその場を去ろうとした。
すると、座っていた少女は紙をたたみ、呪文の本を閉じて、切り株の上に置いた。
「グレイシアコルドアップ!」
きらきらとまばゆい水色の光が飛び散り、あっという間に少女の周辺の地面が凍った。
ジーナは目を見張った。
⇒三話へ続きます!

[返信][編集]

5 :ダーク・ナイト
2023/01/30(月) 09:03:55

第三話 「初めての仲間」

「あ、あなたは…?」
ジーナは少女に向かって走っていった。
だが、地面が凍っているのでなかなか近づけない。
ジーナは叫んだ。
「あなたどなた?」
少女はジーナの声にピクッと反応し、叫んだ。
「解除!」
その瞬間あっという間に、少女の周辺の氷がさぁーっと消えていった。
ジーナは少女のそばに駆け寄った。
「私、ジーナ・ケスタ!実は…」
そして、全てを少女に話し終わった。
「そうなの!?お誘い、どうもありがとう。私、サイケフォースの協力者になるわ。私は陣内みぞれ。オカルトが大好きなのだけど、なぜか自力で超能力が使えるようになってしまったの。得意な技は、チルドタイプよ。」
ジーナは、喜んでみぞれを仲間にした。
みぞれは、見た目からして氷のような鋭さと、雪のような美しさを持っている。きらきらとした紺色の大人っぽい目とは逆に、水色のふわふわした髪の毛をツインテールに束ねているところはギャップがある。
「これからよろしく!」
ジーナは、みぞれと握手をした。
⇒四話へ続きます!

[返信][編集]

6 :ダーク・ナイト
2023/01/30(月) 13:55:13

第四話 「ジーナ・ケスタの疑問」

「ところで…。」
ジーナは腕を組んで、みぞれに言った。
「私、ずっと不思議だったのだけど、なぜかパワードレッサーが6つもあるのよ。」
ジーナの萌葱色の目を、みぞれはじっと見つめる。
「パワードレッサーとは何ですか?」
「パワードレッサーは、強化服装備装置のこと。地球上で超能力を使いやすくするために、悪と戦う時はパワードレッサーに使い、変身して戦うの。」
みぞれは、興味津々に聞いていた。
他のことを頭から消し去り、ジーナの話に耳をずっと傾けていた。
「そうなのですか!」
ジーナはパワードレッサーを取り出した。
1つ目は、ジーナ用の桜色とマゼンタピンクの、フリルがついているパワードレッサー。
2つ目は、みぞれ用の浅葱色とネイビーブルーの、ミニスカート付きのパワードレッサー。
3つ目は、しなやかなスカーフ・マフラー付きの、ワンピース型で若草色のパワードレッサー。
4つ目は、稲妻のような暗黒色とクチナシ色のカッコいいパワードレッサー。
5つ目は、インペリアルレッドと橙黄色の情熱に燃えるような色のパワードレッサー。
6つ目は、グレープカラーと皎色のクールな色の腰絞りワンピース型のパワードレッサー。
どれもこれも心が奪われるような美しい色のパワードレッサーばかりだ。
「他のパワードレッサーを身に着けるような協力者が出てくれば良いのだけど…。」
ジーナはつぶやいた。
⇒五話へ続きます!

[返信][編集]

7 :ダーク・ナイト
2023/01/30(月) 16:38:38

第五話 「ビリビリの運命」

「あの…、あそこにどなたかいません?」
みぞれが遠くを指差した。
遠くに、金色のまばゆい光が見える。
「行ってみましょう!」
とみぞれはジーナの手を取って、走り出した。
着いたのは、「エレキ大甕」だ。
「エレキ大甕」は、この街の電気屋だ。
ジーナはみぞれに聞いた。
「えれきおおみか?」
ジーナは別世界から来たため、まだこの街に慣れていないのだ。みぞれはジーナに説明した。
「エレキ大甕は、この街の電気屋です。確か、一人娘さんがいるとか…」
ジーナはそれを聞いて、ビビッと頭に知恵が走った。
(一人娘…さっき見えた金色の光…電気屋…もしかしたら、新しい協力者かもしれない!)
この店も、バリスパーによって荒らされていた。
わずかな店員も店長もみんな眠らされている…はずだ。
ジーナとみぞれが少し店の前で立ち止まっていると、中からまぶしい光が出てきた。
「ビリビリカリスマ!」
その瞬間、ドジャーンと音を立て、二人の目の前に雷が落ちた。二人はしばらく声が出せなかった。
やがて、ジーナはやっとのことで声を絞り出した。
「え…。」
それに続いて、みぞれも声を絞り出した。
「店の…奥…に…入って…みま…しょう…。」
恐ろしさに声が裏返ってうまく話すことができなかったが、二人は店の奥に進んでいった。
⇒六話へ続きます!

[返信][編集]

8 :ダーク・ナイト
2023/01/31(火) 17:02:04

第六話 「思いがけぬ展開」

二人が歩くたびに、床はミシミシ言う。
しかも、よくよく見ると実験で作られてしまったであろう傷が壁にはたくさんついていた。
床のあちこちには、実験計画法が書かれた紙が丸めて散らばっている。
奥からはピシピシという音が聞こえてきた。
二人は震えながらも、一歩一歩進んでいった。
奥には、1人の少女が立って、机の上においてある紙と、机の隣に飾らている機械をかわるがわる見ていた。
髪の毛は天然パーマの草木色。
瞳はミルクチョコレートのような色をしている。
そして、植物のような髪の毛とは真反対に、仕事用の黄色い作業服を身に着けている。
その少女はこちらに気がつき、二人に近づいた。
「あの…あなた方はどちら様でございますの?」
少し独特な語尾といい、言い方といい。
ただものではなさそうなオーラをまとっている。
ジーナは今までのことをすみからすみまで説明した。
すると、少女は少し考えて言った。
「…私は大甕来夢。来夢って呼んでくれたら良いですわ。協力の件ですが…。今はお断りさせていただきますの。」
ええっと二人は驚いた。
来夢はきっと超能力者の一人だろう。引き受けるに違いない。と信じていた二人の考えはあっという間に、初心者対プロのオセロの対決のようにひっくり返されてしまった。
「ですが…私からの要望を受け入れてくれたら良いですわ。」
来夢は意味ありげにほくそ笑んだ。
⇒七話へ続きます!

[返信][編集]

9 :ダーク・ナイト
2023/01/31(火) 17:12:27

第七話 「ビリビリ対カチカチ&エスパー」

ジーナとみぞれはうなずいた。
二人とも考えていることは同じだった。
どのような要望かは知らないが、なんとしてでも来夢は協力者になったほうが心強いはずだ。
「良いわ。一体どんな内容なの?」
ジーナが口を開いた。
来夢はにっこりと笑って、ジーナに手を出した。
「パワードレッサーを貸してちょうだい。」
二人は、全てがわかったようにうなずいた。つまり、来夢は二人と腕試しの勝負をしたいというわけだ。
それがわかったとたん、ジーナとみぞれもそれぞれパワードレッサーに身を包んだ。
パワードレッサーを装着した3人は、見違えるほど綺麗になった。ジーナ以外の二人は驚いてパワードレッサーを見つめている。
「コホン!…では、この赤い玉が壊せたほうが勝ちね。」とジーナが言い、赤い玉を中心に出した。
ジーナ・ケスタはすうっと息を吸った。
「サイコアタック!」
紫色の大きな玉が来夢の上に降ってきた。
来夢はすかさず、「ビリビリカリスマ!」と唱え、玉を食い止めた。そのスキを見計らってみぞれが「カチカチコールド!」と叫び、赤い玉を固まらせた。
来夢は必死に技を叫ぶが、ジーナのサイコアタックにより、来夢の行く手をはばまれてしまう。
その間に、みぞれは「カチカチコールド!」と叫び続け、玉を凍らせ続けている。
そしてジーナが安心した瞬間…。
「プラズマブレード!」
来夢の必殺技が玉に命中し、玉が見事に壊れた。
ジーナとみぞれは呆然とした。しばらく声が出なくなり、その場に二人は立ちすくんでいた。
やがて、ジーナがせきばらいをして言った。
「ま、まぁ…初めての戦闘にしては上手いわね。」
来夢がにこっと微笑んで言った。
「戦わせてもらえて感謝なのですわ。」
⇒今回はいつもより長くなりました。八話へ続きます!

[返信][編集]

10 :ダーク・ナイト
2023/01/31(火) 17:33:20

第八話 「電気娘の決意」

「ところで…。」
ジーナが来夢のミルクチョコレート色をした瞳をじっと見つめて言った。
「シャインシックスの協力者の方には…。」
来夢がコクリとうなずいた。
「腕試しをしてレベルも確かめることができましたですし、お二人ともとても強いお方ですわね。私、決めましたわ。」
ジーナとみぞれは期待の目で来夢を見つめた。
OKを出すか、断るか。
断ってほしくはない。なぜなら…この出会いは、来夢の瞳のようにミルクチョコレートの甘い味に仕上げたいからだ。
来夢は、言った。
「喜んでシャインシックスの協力者になりますわ!」
やった!とジーナとみぞれはタッチをした。
来夢は嬉しそうに目を細めている。
ジーナ・ケスタは、つぶやいた。
「…あと、パワードレッサーは3つも残っているわ。連中に見つかる前に協力者を見つけ出したのだけど…。」
すると、来夢が約10m先を指さした。
「あそこにどなたかがいるですわ。」
二人もそちらに目線をうつした。すると、ジーナの目は絶望に燃え始めた。まさか、とみぞれはジーナの顔の雲行きをうかがう。ジーナはうなずいた。
「…バリスパーの団員よ。」
三人の顔がさーっと青ざめていった。
たったさっき戦ったばかりなので、パワードレッサーは身につけたままだ。しかも、行く道は団員が待ち受けている道しかないのだ。他の道は、1つが今来た道。その他は木で覆い塞がれている。。来た道を戻っても街に戻るだけだ。
ココは進むしかない。
三人は恐る恐る歩きだしていった。
⇒九話へ続きます!

[返信][編集]

11 :ダーク・ナイト
2023/01/31(火) 17:53:02

第九話 「初めての本気戦闘」

すると、バリスパーの団員がこちらに気が付き、近寄ってきた。
「ちわ。コレはコレは。アンタは、ジーナ・ケンダマでしょ。
あたしはジェネラル。」
さすがに誰でも自分の名前を間違えられたライラっとくる。
「失礼ね!誰がジーナ・ケンダマよ!ジーナ・ケスタよ!」
ジーナは怒鳴り散らした。
すると、団員がまぁまぁと言うふうになだめてきた。
「さっ、一勝負しますか。」
団員が告げてきた。ぴっちりとした黒い、スーツとは言い難いが私服とも言い難い団服をさらにぴっしりとさせた。
「望むところよ!」
三人はうなずいた。
ジェネラルが攻撃をしてきた。
「闇闇エネルギー!」
ジェネラルの手から、黒い気体が出てきた。
妙なものが出てきたのに気が付き、とっさに仲間を守ろうとしたジーナは前へと飛び出した。
「サイコアタック!」
紫色の大きな玉が、ジェネラルの上へと降っていく。
ジェネラルはそれを身軽に避けた。
「ボーイングストロング!」
ジェネラルの手が長くなり、力がついているのがわかる。
三人は散り散りになった。
次はみぞれが攻撃した。
「カチカチコールド!」
ジェネラルは氷となった。そのスキを見つけ、来夢が飛び出してきた。
「ピカピカレイン!」
と叫ぶと、空からジェネラルに向かって、電気の雨が降ってきた。ジェネラルは凍った上、ビリビリとしびれている。
「わ…わか…った…から…降参…する…。」
ジェネラルは倒れてしまった。ジェネラルの手から、なにかが出てきた。そして、三人の胸部分にはまった。
⇒十話へ続きます!

[返信][編集]

12 :ダーク・ナイト
2023/01/31(火) 19:47:35

第十話 「悪の復活」

三人の胸部分にはまったのは、バトルアクセサリーだ。
1人に勝つたびに、1つたまっていく。
また、負けてもアクセサリーは減らない。
今回のアクセサリーは、「悪のビーズバッジ」だ。
紫色や黒色の、怪しい雰囲気を誘い出す色は、なぜかさわることのできない恐ろしい感じを出している。
ジーナ・ケスタはにらむようにバッジを見た。
「ジェネラルの悪がこめられていそう…。」
みぞれも言った。
「…一回、安全かどうか確かめます?」
来夢もみぞれに続いて言った。
「そうですわね。確かめたほうが良いかと思われますわ。」
みんなの意見を確認したジーナは、
「心霊解除!」
と叫んだ。この技は、物にこめられている悪意などを取り出し、安全なものに直す力がある。
その途端、ビーズバッジからにゅうっとジェネラルの姿が出てきた。最初は透明に近い色だったが、やがてどんどん色が濃くなり、さっきのジェネラルに戻ったのだ。
「どーも、ジーナ・ケンドウ!あたしを復活させてくれてテンキュー!」
とジェネラルは陽気に言った。
ジーナは、また名前を突っ込もうと思ったが、今は勝負のほうが大事だ。さっさと撃退させて、このビーズバッジから完全消滅させないといけない。
「…じゃ、開始よ!」
ジェネラルのかん高い声が外なのにくわんくわんと響き渡る。
「コールド・ストーン!」
みぞれが叫んだ。固くて大きくて重そうな氷の石が天から降ってくる。だが、ジェネラルはひるまなかった。
「ブラックホール!」
あっという間に、ごうごうと渦を巻いているブラックホールの中に、氷の石が吸い込まれてしまった。
このままでは、三人もろとも吸い込まれてしまう。
…と、来夢が前へ駆け出した。
「ビリビリショット!」
大きい雷がジェネラルの近くに三回落ちた。
…が、ジェネラルは見事避けている。
そうしている間に、ブラックホールと三人の距離がグングンと迫ってきている。
(どうしよう…。技を繰り出しても、全てブラックホールに吸い込まれてしまうわ…。)
ジーナはあわてた。このままでは危ない。
⇒十一話へ続きます!

[返信][編集]

13 :ダーク・ナイト
2023/01/31(火) 20:36:46

第十一話 「新たな力」

「ホホホ、オーホッホッ。やってしまいなさい!私の可愛いブラックホールちゃん!」
ジェネラルのあざ笑う声がガンガンと耳に響く。
ジーナは苦しみながらも、
「テレパシー!」
と叫び、ブラックホールにテレパシーを送った。
(ブラックホールちゃん。ジェネラルをやってしまいなさい。)
もちろん、自分の持ち主を傷つけることなど不正だ。
だが、ジーナの念力は抜群の効果だ。
ブラックホールの体はじりじりとジェネラルのそばに寄る。
「ちょっ、ちょっとお待ち!ブラックホールちゃん!あたしは、あなたの持ち主でしょ!?」
だが、ブラックホールは自力ではもうどうにもできない。
「今だ!」
来夢が
「ショックパンチ!」
と言い、電気の塊がたくさんついたパンチをお見舞いする。
ジェネラルは動けなくなった。
だが、ジェネラルもなかなか強い。
「技解除!」
一回の戦闘で一回しか使うことのできない、技解除を行った。
技解除は、相手に技で苦しめられているときに、技を解除することができるのだ。
そうか、その手があった。と、ジーナは唇を噛んだ。
来夢も歯ぎしりをしている。
その時。今まで黙っていたみぞれが、前へと進んでいった。
「溶け込み!」
そう言って、ブラックホールに気体を送り込んだ。
だが、強い人によって作り出されたブラックホールは、やはり強い。とっさに気体を避けたのだ。
すると、ジェネラルが笑いだした。
「あらぁ?おっかしいわねぇ。さっき、あんなに自信満々に戦ってきたアンタ達、敗北かしらぁ?」
それは、悪意に満ちた笑い声だった。
決して、楽しくて笑った声ではない。
「ダークロック!」
すると、天井からおりと鍵が落ちてきた。
鍵は、すんなりとジェネラルがキャッチした。
だが、おりは三人の真上に降りていった。
危ないと思った三人だが、もう遅い。
まんまとおりに捕まってしまった。
おりを開けられる手段は、考えるのが難しい。
なにしろ、おりを開けることのできる鍵は、ジェネラルが持っているのだから。
すると、来夢はあることに気がついた。
これは、本物の鉄だ。だが、特殊な鉄でできている。
それは、電気を流しすぎると自動的に爆発してしまう鉄だ。
つまり…。
来夢はにんまりと笑った。
ジェネラルは階級は高いのだが、このようなミスはうっかりしている。
早速来夢は、
「ビカビカボルト!」
と言い、鉄にたっぷりの電気を通した。
ジェネラルはようやく自分のミスに気がついたようだ。
「おやめなさい、雷雨!」
来夢は自分の名前まで間違えられたので、ムッとした。
だが、おりは来夢の作戦で行けそうだ。
⇒十二話へ続きます!

[返信][編集]

14 :ダーク・ナイト
2023/02/01(水) 16:57:09

第十二話 「新たな力〜中編その1〜」

ビシリ…ビシリ…。
だんだんと来夢のおりが崩れてきている。
だが、マズいことに気がついた。
来夢がおりに電気を通している間に、ジェネラルがブラックホールにかけられたテレパシーを取り消そうとしているのだ。
「そうそう、良い子ねー。さすがあたしのブラックホール。」
ジェネラルは長いまつ毛をブラックホールに向けてウィンクした。
みぞれは危ないと感じた。
来夢のおりはあと少しで開放されるが、その前にブラックホールのテレパシーがとけそうになってきているのだ。
みぞれは、危機感に感づくのが早く、周囲まで細かく気を配るタイプである。みぞれはおりに向かって、
「カチカチコールド!」と叫んだ。
だが、おりは凍るだけで、無効化だ。
ジェネラルは愉快に笑った。
「おバカさんねぇ!自分で自分のおりを凍らせちゃうだなんて。」
みぞれは悔しくなり、顔をゆがめた。
なんとしてでも仲間に傷がつく前に私が行かないと!
必死に、「冷凍クラッシュ!」と言い、おりを壊そうとしているが、おりはかなり丈夫だ。氷を当てられたくらいで壊れるほどもろくはない。
みぞれが手こずっている間に、来夢は電気を通し続けている。
来夢は、じれったいなと思っていた。
来夢はもともとせっかちで、物事をテキパキとこなす人だったので、辛抱強く電気を通し続けることなどやったことのないことだったのだ。
二人が一生懸命におりを壊そうとしている様子を見て、ジーナは涙ぐんだ。
私は二人の様子を見ているだけで…なにもできないなんて…。
自分から協力者になってもらったのに…迷惑しかかけていない…。
ジーナは、得意の念力を使おうとしたが、どうやって使うかだ。おりを動かしたら自分も動いてしまう。
すると、ジーナの視界に、ジェネラルが持っている太い棒が入った。そして、力を込めて棒をジリジリと寄せた。
⇒十三話へ続きます!

[返信][編集]

15 :ダーク・ナイト
2023/02/02(木) 15:20:59

第十三話 「新たな力〜中編その2〜」

ゴトン!と音が響き、ジェネラルの手からずりずりと棒がジーナの方に近づいてきている。
ジェネラルは、棒に向かって魔法をかけた。
「行ってきなさい!マジカルスティック!」
棒は、ジーナの正確な念力とジェネラルという持ち主からの命令を同時に聞いて、混乱してしまった。
本来であれば、持ち主のジェネラルの命令を聞くはずだ。
だが、今はジーナに操られてしまっている。
棒は引き返したいが、ジーナの念力に逆らえなくなっている。
その間にも、ブラックホールは苦しみながらもテレパシーをとかそうとしている。
この事態は、三人にとって都合の悪い状態になってしまった。
絶体絶命の大ピンチだ。
ブラックホールはだんだんと状態が戻ってきている。また、マジカルスティックは逆らおうとしているが逆らえない。
来夢とみぞれはおりを壊そうと必死になっている。
ジーナはマジカルスティックを念力で呼び出そうとしている。
ブラックホールは強力だ。
マジカルスティックが成功したとしても、吸い込まれてしまうだろう。また、三人も吸い込まれてしまう。
今はブラックホールのことが大切だ。
だが、ブラックホールに対抗する手が思いつかない。
ブラックホールは体が大きくて黒いので、小さなものや技は、あっという間に飲み込まれてしまう。
…と、その時。
木がゆさゆさっと揺れた。
⇒十四話へ続きます!

[返信][編集]

16 :ダーク・ナイト
2023/02/02(木) 15:57:01

第十四話 「新たな力〜中編その3〜」

ザザアッ。
風が吹いて、木の陰からなにかが飛び出してきた。
あまりの速さに、まともに姿を見ることができない。
だが、走るのをやめて、姿を見せた。
さわやかなレモンスカッシュのような色をした瞳。
まるですっぱいレモンのような色をした、ツインテールに束ねた髪の毛。
風に吹かれるたびに、レモンのような酸っぱさが空気の自然な美味しさと混ざるような、自然と調和した姿になる。
その少女は、キッとジェネラルをにらみつけると、目にもとまらぬ速さでジェネラルの後ろに回り込み、
「サイクロンピラー!」
とおどすような低い声をとどろかせた。
ジェネラルは突然の少女の登場に驚いていたため、少女への攻撃にまで手が回らず、攻撃を受けてしまった。
「グ…。」
ジェネラルが、攻撃を当てられた足首を押さえて床にうずくまる。すると、持ち主の危険を察したブラックホールが、少女と三人に向かってグングンと迫ってきた。
持ち主に代わって攻撃をするということのようだ。
(嘘…ブラックホールのテレパシーがとけてる…。そして…この子は一体誰…?)
突然のことに、ジーナは頭が回らなくなってきた。
⇒十五話へ続きます!

[返信][編集]

17 :ダーク・ナイト
2023/02/02(木) 16:24:24

第十五話 「新たな力〜後編その1〜」

少女は、勇ましくブラックホールに向かって走って行った。
走るその姿は、シュワシュワと弾けるレモンスカッシュそのものだ。
「サイクロンピラー!」
カッと目を見開き、ブラックホールに向かって風を飛ばした。
ブラックホールは攻撃を受け、前進することができなくなった。
今までただ立って見ていただけの三人も、おりの中に入ったまま、おりの隙間から次々に攻撃をしてきた。
「フリーズドライ!」
まずはみぞれが攻撃をした。
ピュォォ…と寒くて冷たい風がブラックホールを包み、あっという間にブラックホール型の氷が仕上がった。
すると、来夢のおりがバン!と壊れ、来夢が開放された。
来夢は地面に倒れているジェネラルの手に乗っている鍵を持つと、みぞれとジーナのおりを開けに行った。
カチャッと音がして、二人が開放された。
ブラックホールは完全に凍ったが、まだ不安なため、来夢が一発技をお見舞いした。
「バチバチエレキ!」
⇒十六話へ続きます!

[返信][編集]

18 :ダーク・ナイト
2023/02/02(木) 16:59:17

第十六話 「新たな力〜後編その2〜」

ブラックホールは凍りながらもしびれ、おかしな状態になっている。
「せっかくだから、この子も味方にしちゃいましょうよ!」
ジーナは念力でマジカルスティックを呼ぶと、マジカルスティックを手に持った。
「味方ビーム!」
ブラックホールはそのビームを浴びた。
次の瞬間、四人になついてきたのだ。
マジカルスティックは、「魔法の杖」という意味。
その名の通り、魔法の杖なのだ。
マジカルスティックもすっかり四人に打ち解け、さっきまでの四人への対抗心は消えていた。
おそらく、ブラックホールへビームを出すときに自分の体に伝わったのだろう。
「そして…。」
ジーナとみぞれと来夢は横目でちらっと少女を見ようとした。
だが、少女はそこにはいなかった。
風のような速さでどこかへと去っていったのだ。
ジーナは途方に暮れた。
「あの子にも仲間になってほしかったなあ。」
みぞれも言った。
「あの方が入れば、この団体はさらに強力になるはずですよ。」
来夢は落ち着いて言った。
「二人とも。よく考えてくださいまし。今回、あの子は私達を助けてくれたでしょう?ということは…サイケフォースに興味があるということ…ではないかしら?なぜって、興味もない人のことを助けようとは思わないはずございましょう?」
確かに。と二人はうなずいた。
すると…三人の胸部分にはまっていたビーズバッジがキラキラと輝き出したのだ。
「おそらく、悪を取り出したという証拠ね。」
とジーナは誇らしく言った。
その瞬間、目の前がまぶしく光りだしたのだ。
⇒十七話へ続きます!

[返信][編集]

19 :ダーク・ナイト
2023/02/02(木) 18:20:40

第十七話 「新たな力〜後編その3〜」

きらきらとした光りに包まれ、空からなにかが落ちてきた。
9個の穴があいているリングだ。
リングと同時に、紙切れも落ちてきた。

サイケフォース一同
ジーナ・ケスタ殿。また、仲間達。
1人目のバリスパー団員は倒した。
だが、残り8人のバリスパー団員と戦わなくてはならない。
最後に近づくほど、戦闘のレベルは上がっていく。
そのうち、実力だけで勝つのは難しくなっていく。
そのため、あなた達にこのリングを授ける。
1人に勝つたびに1つの特殊な能力が備わる。
また、1回の戦闘では1つしか使えないため、よく考えて使うように。
今回は、1人ずつに「闇の特殊魔法」を与えた。
一人一人違う特殊魔法を与えた。ぜひ使ってみて欲しい。

それを見た三人は驚いた。
ブラックホールとマジカルスティックを仲間にした上に、特殊魔法のリングまで手に入った三人は、飛び上がって喜んだ。
1番興奮したのはジーナだ。
「サイケフォースのみな様、ありがとうございます。使わせていただきます。」
と天に向かって言った。
ジーナの声は、青く晴れた空の彼方まで響いていった。
三人の心も、青空のように晴れ渡っていた。
三人は早速、リングをひとさし指にはめてみた。
小さい銀色のリングは、光に反射するたびに、キラッキラッと光り輝く。
これも仲間と協力して成功した達成感のおかげだな。
とジーナは感動して目頭が熱くなった。
リングには一人一人違う特殊魔法が入っていた。
だが、三人とも紫色の玉がはめ込んである。
ボタンを押すと技の名前が表示され、ボタンを長押しすると技が発動できる。
ジーナは「闇闇エネルギー」
手から闇のエネルギー(気体)を出し、相手の気力をなくすことができる。攻撃に無関心になり、意識がうつろになってくる。
欠点としては、チルドタイプには無効化で、氷には弱い。
また、チルドタイプの技を浴びてしまうと、発動できなくなる。
みぞれは「ダークロック」
空や天井からおりと鍵を召喚し、相手を閉じ込めることができるが、電気を通し続けると破裂してしまう鉄の素材でできているため、電気タイプの人には使うことを進めない。
来夢は「ブラックホール」
巨大なブラックホールを出し、相手の技や相手を飲み込むことが可能になるが、強い念力や操りには弱く、一定時間操られると相手の味方になってしまう。
をもらった。
どうやら、ブラックホールは1時間経つと消えてしまうらしい。さっきまで三人の横にいたブラックホールもいつの間にか消えている。
「さぁ、このまま力を合わせて頑張っていきましょう!」
ジーナが言った。
三人は、握りこぶしを中心に集め、軽くコツンと合わせた。
⇒十八話へ続きます!

[返信][編集]

20 :ダーク・ナイト
2023/02/02(木) 18:48:26

第十八話 「新たな力〜番外編〜」

あたしは、嬉しそうに笑う三人を見届け、走り出した。
風を切って走る、この爽快さ。
一歩ごとに体中にエネルギーがふつふつと湧いてくるような気がする。
私の名前は、琴平 風香。
元陸上選手。
今まで走ることに人生をかけていたあたしは、陸上で史上最高記録を出して出して出しまくっていた。
走ることは、リフレッシュになる。
あたしはいつもそう思い、爽やかな気分で走っていた。
だが、数年前に妙な台風に巻き込まれてしまい、当然陸上選手として生きていけない状態になってしまったのだ。
それからなぜか風を操ることができるようになってしまった。
スパッと切り、ビュッと走る。
まさに、今の私が必要としていたリフレッシュ。
そして、三人を見つけた。
その三人は、とても魅力的なオーラをまとっていた。
だからだろうか。
とてもその三人を助けたくなった。
なにがなんだかは知らないが、とりあえず危ない状況におちいっているというのはわかる。
あたしは、そうして三人を助けたのだ。
いつか、また会えますように。

琴平 風香

⇒十九話へ続きます!

[返信][編集]

|前||最初のレス|最近のレス|検索|書き込み|更新

[管理事務所]
WHOCARES.JP
2 :ダーク・ナイト
2023/01/29(日) 21:22:03

プロローグ

ある街に、1人の少女戦士がいた。
名前は、ジーナ・ケスタ。
街は、warriorタウン。戦士という意味だ。
実は、この街が何者かによって荒らされている。
ジーナ・ケスタの目的。
それは…。
その何者かを倒し、世界を平和に戻すということだった。

3 :ダーク・ナイト
2023/01/30(月) 08:43:28

第一話 「日本に到着」

「…ここが、日本なのね…。」
ジーナ・ケスタは、街中を見渡した。
普段なら、観光客や住人でワイワイと賑わうこの街。
今は、陰気臭い雰囲気に包まれ、建物はボロボロに破壊されている。住人達は、騒ぎにならないように、眠らせられていたのだ。
悪人の名前は、「バリスパー」。
とは言っても、犯罪組織の名前だ。
「はやく…この世界を平和に戻さないと…。」
ジーナ・ケスタは、桃のような可愛らしい髪の毛をし、爽やかな水色のリボンで髪の毛を結んでいる。
一見愛らしい少女に見えるのだが、実は念力を得意としている。
ジーナは、一刻もはやく、仲間を見つけ、バリスパーを倒すことを目的としていた。
ジーナは、「サイケガーデン」という、この世界とは別の超能力世界から来た。
バリスパーが世界を荒らそうとしていることをしった、サイケガーデンの防衛組織、「サイケフォース」は、特殊部隊の新人少女、ジーナを日本に送り出したということだ。
「はやく…仲間を見つけないと。」
ジーナのつぶやきは、人々が眠った世界に静かに響いていったのである。
⇒二話へ続きます!

4 :ダーク・ナイト
2023/01/30(月) 08:55:59

第二話 「あなたは…?」

誰もいない無人の街…のはずだが、なぜかこの街、数人が生き残っているような雰囲気がただよっている。
すると、遠くに人影が見えた。
普段は広場となっている地面に、誰かが座っている。
ジーナは駆け寄ってみた。
こんなに住人が眠らされている荒れた街の中でも生き残っているような人であれば、サイケフォースの協力者にぴったりな超能力を持っているだろうと考えたのだ。
座っている少女は、目玉が書かれた黒い紙の上に乗り、なにやら呪文を唱えている。
「あぁ…やっぱりダメだ…。」
少女はつぶやいていた。
ジーナは、なんだぁとがっかりしてその場を去ろうとした。
すると、座っていた少女は紙をたたみ、呪文の本を閉じて、切り株の上に置いた。
「グレイシアコルドアップ!」
きらきらとまばゆい水色の光が飛び散り、あっという間に少女の周辺の地面が凍った。
ジーナは目を見張った。
⇒三話へ続きます!

5 :ダーク・ナイト
2023/01/30(月) 09:03:55

第三話 「初めての仲間」

「あ、あなたは…?」
ジーナは少女に向かって走っていった。
だが、地面が凍っているのでなかなか近づけない。
ジーナは叫んだ。
「あなたどなた?」
少女はジーナの声にピクッと反応し、叫んだ。
「解除!」
その瞬間あっという間に、少女の周辺の氷がさぁーっと消えていった。
ジーナは少女のそばに駆け寄った。
「私、ジーナ・ケスタ!実は…」
そして、全てを少女に話し終わった。
「そうなの!?お誘い、どうもありがとう。私、サイケフォースの協力者になるわ。私は陣内みぞれ。オカルトが大好きなのだけど、なぜか自力で超能力が使えるようになってしまったの。得意な技は、チルドタイプよ。」
ジーナは、喜んでみぞれを仲間にした。
みぞれは、見た目からして氷のような鋭さと、雪のような美しさを持っている。きらきらとした紺色の大人っぽい目とは逆に、水色のふわふわした髪の毛をツインテールに束ねているところはギャップがある。
「これからよろしく!」
ジーナは、みぞれと握手をした。
⇒四話へ続きます!

6 :ダーク・ナイト
2023/01/30(月) 13:55:13

第四話 「ジーナ・ケスタの疑問」

「ところで…。」
ジーナは腕を組んで、みぞれに言った。
「私、ずっと不思議だったのだけど、なぜかパワードレッサーが6つもあるのよ。」
ジーナの萌葱色の目を、みぞれはじっと見つめる。
「パワードレッサーとは何ですか?」
「パワードレッサーは、強化服装備装置のこと。地球上で超能力を使いやすくするために、悪と戦う時はパワードレッサーに使い、変身して戦うの。」
みぞれは、興味津々に聞いていた。
他のことを頭から消し去り、ジーナの話に耳をずっと傾けていた。
「そうなのですか!」
ジーナはパワードレッサーを取り出した。
1つ目は、ジーナ用の桜色とマゼンタピンクの、フリルがついているパワードレッサー。
2つ目は、みぞれ用の浅葱色とネイビーブルーの、ミニスカート付きのパワードレッサー。
3つ目は、しなやかなスカーフ・マフラー付きの、ワンピース型で若草色のパワードレッサー。
4つ目は、稲妻のような暗黒色とクチナシ色のカッコいいパワードレッサー。
5つ目は、インペリアルレッドと橙黄色の情熱に燃えるような色のパワードレッサー。
6つ目は、グレープカラーと皎色のクールな色の腰絞りワンピース型のパワードレッサー。
どれもこれも心が奪われるような美しい色のパワードレッサーばかりだ。
「他のパワードレッサーを身に着けるような協力者が出てくれば良いのだけど…。」
ジーナはつぶやいた。
⇒五話へ続きます!

7 :ダーク・ナイト
2023/01/30(月) 16:38:38

第五話 「ビリビリの運命」

「あの…、あそこにどなたかいません?」
みぞれが遠くを指差した。
遠くに、金色のまばゆい光が見える。
「行ってみましょう!」
とみぞれはジーナの手を取って、走り出した。
着いたのは、「エレキ大甕」だ。
「エレキ大甕」は、この街の電気屋だ。
ジーナはみぞれに聞いた。
「えれきおおみか?」
ジーナは別世界から来たため、まだこの街に慣れていないのだ。みぞれはジーナに説明した。
「エレキ大甕は、この街の電気屋です。確か、一人娘さんがいるとか…」
ジーナはそれを聞いて、ビビッと頭に知恵が走った。
(一人娘…さっき見えた金色の光…電気屋…もしかしたら、新しい協力者かもしれない!)
この店も、バリスパーによって荒らされていた。
わずかな店員も店長もみんな眠らされている…はずだ。
ジーナとみぞれが少し店の前で立ち止まっていると、中からまぶしい光が出てきた。
「ビリビリカリスマ!」
その瞬間、ドジャーンと音を立て、二人の目の前に雷が落ちた。二人はしばらく声が出せなかった。
やがて、ジーナはやっとのことで声を絞り出した。
「え…。」
それに続いて、みぞれも声を絞り出した。
「店の…奥…に…入って…みま…しょう…。」
恐ろしさに声が裏返ってうまく話すことができなかったが、二人は店の奥に進んでいった。
⇒六話へ続きます!

8 :ダーク・ナイト
2023/01/31(火) 17:02:04

第六話 「思いがけぬ展開」

二人が歩くたびに、床はミシミシ言う。
しかも、よくよく見ると実験で作られてしまったであろう傷が壁にはたくさんついていた。
床のあちこちには、実験計画法が書かれた紙が丸めて散らばっている。
奥からはピシピシという音が聞こえてきた。
二人は震えながらも、一歩一歩進んでいった。
奥には、1人の少女が立って、机の上においてある紙と、机の隣に飾らている機械をかわるがわる見ていた。
髪の毛は天然パーマの草木色。
瞳はミルクチョコレートのような色をしている。
そして、植物のような髪の毛とは真反対に、仕事用の黄色い作業服を身に着けている。
その少女はこちらに気がつき、二人に近づいた。
「あの…あなた方はどちら様でございますの?」
少し独特な語尾といい、言い方といい。
ただものではなさそうなオーラをまとっている。
ジーナは今までのことをすみからすみまで説明した。
すると、少女は少し考えて言った。
「…私は大甕来夢。来夢って呼んでくれたら良いですわ。協力の件ですが…。今はお断りさせていただきますの。」
ええっと二人は驚いた。
来夢はきっと超能力者の一人だろう。引き受けるに違いない。と信じていた二人の考えはあっという間に、初心者対プロのオセロの対決のようにひっくり返されてしまった。
「ですが…私からの要望を受け入れてくれたら良いですわ。」
来夢は意味ありげにほくそ笑んだ。
⇒七話へ続きます!

9 :ダーク・ナイト
2023/01/31(火) 17:12:27

第七話 「ビリビリ対カチカチ&エスパー」

ジーナとみぞれはうなずいた。
二人とも考えていることは同じだった。
どのような要望かは知らないが、なんとしてでも来夢は協力者になったほうが心強いはずだ。
「良いわ。一体どんな内容なの?」
ジーナが口を開いた。
来夢はにっこりと笑って、ジーナに手を出した。
「パワードレッサーを貸してちょうだい。」
二人は、全てがわかったようにうなずいた。つまり、来夢は二人と腕試しの勝負をしたいというわけだ。
それがわかったとたん、ジーナとみぞれもそれぞれパワードレッサーに身を包んだ。
パワードレッサーを装着した3人は、見違えるほど綺麗になった。ジーナ以外の二人は驚いてパワードレッサーを見つめている。
「コホン!…では、この赤い玉が壊せたほうが勝ちね。」とジーナが言い、赤い玉を中心に出した。
ジーナ・ケスタはすうっと息を吸った。
「サイコアタック!」
紫色の大きな玉が来夢の上に降ってきた。
来夢はすかさず、「ビリビリカリスマ!」と唱え、玉を食い止めた。そのスキを見計らってみぞれが「カチカチコールド!」と叫び、赤い玉を固まらせた。
来夢は必死に技を叫ぶが、ジーナのサイコアタックにより、来夢の行く手をはばまれてしまう。
その間に、みぞれは「カチカチコールド!」と叫び続け、玉を凍らせ続けている。
そしてジーナが安心した瞬間…。
「プラズマブレード!」
来夢の必殺技が玉に命中し、玉が見事に壊れた。
ジーナとみぞれは呆然とした。しばらく声が出なくなり、その場に二人は立ちすくんでいた。
やがて、ジーナがせきばらいをして言った。
「ま、まぁ…初めての戦闘にしては上手いわね。」
来夢がにこっと微笑んで言った。
「戦わせてもらえて感謝なのですわ。」
⇒今回はいつもより長くなりました。八話へ続きます!

10 :ダーク・ナイト
2023/01/31(火) 17:33:20

第八話 「電気娘の決意」

「ところで…。」
ジーナが来夢のミルクチョコレート色をした瞳をじっと見つめて言った。
「シャインシックスの協力者の方には…。」
来夢がコクリとうなずいた。
「腕試しをしてレベルも確かめることができましたですし、お二人ともとても強いお方ですわね。私、決めましたわ。」
ジーナとみぞれは期待の目で来夢を見つめた。
OKを出すか、断るか。
断ってほしくはない。なぜなら…この出会いは、来夢の瞳のようにミルクチョコレートの甘い味に仕上げたいからだ。
来夢は、言った。
「喜んでシャインシックスの協力者になりますわ!」
やった!とジーナとみぞれはタッチをした。
来夢は嬉しそうに目を細めている。
ジーナ・ケスタは、つぶやいた。
「…あと、パワードレッサーは3つも残っているわ。連中に見つかる前に協力者を見つけ出したのだけど…。」
すると、来夢が約10m先を指さした。
「あそこにどなたかがいるですわ。」
二人もそちらに目線をうつした。すると、ジーナの目は絶望に燃え始めた。まさか、とみぞれはジーナの顔の雲行きをうかがう。ジーナはうなずいた。
「…バリスパーの団員よ。」
三人の顔がさーっと青ざめていった。
たったさっき戦ったばかりなので、パワードレッサーは身につけたままだ。しかも、行く道は団員が待ち受けている道しかないのだ。他の道は、1つが今来た道。その他は木で覆い塞がれている。。来た道を戻っても街に戻るだけだ。
ココは進むしかない。
三人は恐る恐る歩きだしていった。
⇒九話へ続きます!

11 :ダーク・ナイト
2023/01/31(火) 17:53:02

第九話 「初めての本気戦闘」

すると、バリスパーの団員がこちらに気が付き、近寄ってきた。
「ちわ。コレはコレは。アンタは、ジーナ・ケンダマでしょ。
あたしはジェネラル。」
さすがに誰でも自分の名前を間違えられたライラっとくる。
「失礼ね!誰がジーナ・ケンダマよ!ジーナ・ケスタよ!」
ジーナは怒鳴り散らした。
すると、団員がまぁまぁと言うふうになだめてきた。
「さっ、一勝負しますか。」
団員が告げてきた。ぴっちりとした黒い、スーツとは言い難いが私服とも言い難い団服をさらにぴっしりとさせた。
「望むところよ!」
三人はうなずいた。
ジェネラルが攻撃をしてきた。
「闇闇エネルギー!」
ジェネラルの手から、黒い気体が出てきた。
妙なものが出てきたのに気が付き、とっさに仲間を守ろうとしたジーナは前へと飛び出した。
「サイコアタック!」
紫色の大きな玉が、ジェネラルの上へと降っていく。
ジェネラルはそれを身軽に避けた。
「ボーイングストロング!」
ジェネラルの手が長くなり、力がついているのがわかる。
三人は散り散りになった。
次はみぞれが攻撃した。
「カチカチコールド!」
ジェネラルは氷となった。そのスキを見つけ、来夢が飛び出してきた。
「ピカピカレイン!」
と叫ぶと、空からジェネラルに向かって、電気の雨が降ってきた。ジェネラルは凍った上、ビリビリとしびれている。
「わ…わか…った…から…降参…する…。」
ジェネラルは倒れてしまった。ジェネラルの手から、なにかが出てきた。そして、三人の胸部分にはまった。
⇒十話へ続きます!

12 :ダーク・ナイト
2023/01/31(火) 19:47:35

第十話 「悪の復活」

三人の胸部分にはまったのは、バトルアクセサリーだ。
1人に勝つたびに、1つたまっていく。
また、負けてもアクセサリーは減らない。
今回のアクセサリーは、「悪のビーズバッジ」だ。
紫色や黒色の、怪しい雰囲気を誘い出す色は、なぜかさわることのできない恐ろしい感じを出している。
ジーナ・ケスタはにらむようにバッジを見た。
「ジェネラルの悪がこめられていそう…。」
みぞれも言った。
「…一回、安全かどうか確かめます?」
来夢もみぞれに続いて言った。
「そうですわね。確かめたほうが良いかと思われますわ。」
みんなの意見を確認したジーナは、
「心霊解除!」
と叫んだ。この技は、物にこめられている悪意などを取り出し、安全なものに直す力がある。
その途端、ビーズバッジからにゅうっとジェネラルの姿が出てきた。最初は透明に近い色だったが、やがてどんどん色が濃くなり、さっきのジェネラルに戻ったのだ。
「どーも、ジーナ・ケンドウ!あたしを復活させてくれてテンキュー!」
とジェネラルは陽気に言った。
ジーナは、また名前を突っ込もうと思ったが、今は勝負のほうが大事だ。さっさと撃退させて、このビーズバッジから完全消滅させないといけない。
「…じゃ、開始よ!」
ジェネラルのかん高い声が外なのにくわんくわんと響き渡る。
「コールド・ストーン!」
みぞれが叫んだ。固くて大きくて重そうな氷の石が天から降ってくる。だが、ジェネラルはひるまなかった。
「ブラックホール!」
あっという間に、ごうごうと渦を巻いているブラックホールの中に、氷の石が吸い込まれてしまった。
このままでは、三人もろとも吸い込まれてしまう。
…と、来夢が前へ駆け出した。
「ビリビリショット!」
大きい雷がジェネラルの近くに三回落ちた。
…が、ジェネラルは見事避けている。
そうしている間に、ブラックホールと三人の距離がグングンと迫ってきている。
(どうしよう…。技を繰り出しても、全てブラックホールに吸い込まれてしまうわ…。)
ジーナはあわてた。このままでは危ない。
⇒十一話へ続きます!

35 :ダーク・ナイト
2023/02/17(金) 18:20:40

第三十三話 「怪しの山小屋 その1」

日が暮れて、空が夕日色に輝き出した。
沈んでゆく太陽の暖かい光に照らされ、三人の後ろに影ができた。
砂漠で寝っ転がって笑い合い、たくさん話をしていた三人は、体を起こして立ち上がった。
背中側にはたくさんの砂がついている。
さっさっと砂をはらった。
砂も一粒一粒日差しに照らされて金色に輝いて見える。
(そうだ。)
とみぞれはひらめいた。
ひらめいたと同時にジーナに、
「ジーナさん、いつかの実体映写を使ってくれませんか?」
とたずねた。
「あぁ、実体映写ね。良いけど何を出せば良い?」
「小瓶を出してもらえますか?本当に小さくて良いので。」
ジーナは超能力を使いやすくするためにパワードレッサーに着替えた。
「よし、準備完了。」
準備を整え、ジーナは深呼吸をした。
「実体映写!」
頭の中には、くっきりと小瓶を思い浮かべた。
透明で小さくて丸っこくて金色の蓋が付いている小瓶………。
すると、ポンッと目の前に一つの小瓶が現れた。
それはまさにジーナが思い浮かべていたものと同じ小瓶だ。
(技成功)
ジーナは心の中でガッツポーズをした。
そして、普通の服に着替えた。
一方、みぞれを見てみると小瓶の中に砂を入れている。
「どうしたの?」
とジーナが聞き、みぞれが持っている小瓶を見た。
みぞれは嬉しそうににこっと微笑んでから答えた。
「見ての通り、砂を小瓶の中に入れているのですよ。感動の思いを詰めて、旅の印にしたいと思って。」
「みぞれって実は優しい心持ってるの?」
「もとから優しいつもりですけど。」
「あ、自分でつもり言った。」
「聞かなかったことにして下さい?」
来夢はそんな二人のやり取りをにこやかに見つめていた。
だが、腕にはめている時計を見て顔色を変えた。
「あの、楽しく話していらっしゃるところ申し訳ないのですが、」
「楽しくは話してないの、来夢。」
「そうですよ!」
二人が必死に来夢の言葉をさえぎった。
来夢はそんな二人の言葉を聞いても微動だにせず、言葉を続けた。
「あそこの林まで行くのですよね?暗くならないうちに行かなければ。」
「あ、そうだった!」
「忘れていました……来夢さん、ありがとうございます!」
来夢は少し照れ顔になったが、すぐに真面目な顔になった。
「では出発しましょう。」
出発と言っても三人はリュックサックを持ってきていない。
ポシェットに少しの食べ物と水、それぞれ小物とパワードレッサーが入っているだけだ。
身軽な体でてくてくと林の方に歩いていった。
⇒三十四話へ続きます!