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┗91.マリルイ学園CGR(961-1000/1000)

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961 :迅
2020/10/20(火) 22:19:21

ボーンクラッシャーvsコミュニティガールズレンジャー、どっちが勝つか予想出来るかな?

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962 :超ウルトラハイパーグレートキングクリボー
2020/10/20(火) 22:20:51

迅さんなら悪を勝たせかね...いや、分からんぞこれは
やはりCGRが勝つに1票

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963 :すき焼きのタレ
2020/10/20(火) 22:22:18

ボーンクラッシャー(˙◁˙◁˙)/

[返信][編集]

964 :迅
2020/10/21(水) 17:32:13

「貴様が……ルル……」
「そうだけど……私の仲間が世話になったようで」

 瞬間、ボーンクラッシャーの背後から赤黒いオーラが滲み出し、ルルの焔も負けじと燃え上がる。
 相対するは『正義』と『征義』、ボーンクラッシャーはグレネードランチャーを構え、ほぼ同時に両手を水平に上げ、無数の炎の剣を生み出すルル。
 彼女はボーンクラッシャーに無数の焔剣の切先を差し向け、睥睨すると目の前の破壊者に告げる。

「死なない程度に……殺してあげる」
「やってみろ」

 刹那、交差する『業火』と『爆炎』。
 ボーンクラッシャーは連続でグレネードランチャーの引き金を引き、雨霰の如く砲口から撃ち出された榴弾の嵐が、走り出すルルの眼前に迫り来る。
 対する彼女は炎の剣を巧みに操り榴弾の悉くを斬り落とし、ボーンクラッシャーとの距離を詰める。両者の距離は約数十センチ。お互いの拳が届く距離に入り、ボーンクラッシャーは予備のナイフを鞘から抜き、ルルは炎を纏った拳に力を込める。

「はぁぁあっ!」
「シャァァァッ!」

 炎を纏ったルルの拳はボーンクラッシャーのナイフとぶつかり合い、その衝撃で周囲が連鎖爆発を引き起こす。2人の戦いについて行けず、玲子は焦りを隠さない口調で冷や汗を流す琴に問いかける。

「琴!ウチらはどないすればええねん!」
「解らない……!次元が違い過ぎる……!」
「2人とも!遅れてすみません!」

 玲子と琴は2人の戦闘に圧倒されていると、遅れて駆けつけた木村が2人の下に駆け寄る。頼れるリーダーの到着に、玲子はマスク越しに笑みを浮かべた。

「キーさん!」
「無事だったんだね……ルルは今、アイツと戦ってるよ」
「私達も加勢します!先に行ってて下さい!」
「おうよ!」
「任せといて……!」

 彼女の声に頷き、スーツによって強化された身体能力を駆使し、2人はルルの下へ走り出す。
 そしてその後ろで、呼吸を整えるべく小さく深呼吸した木村はキズナフォンを構えた両手を前に突き出し、2人と同じ変身コードを叫んだ。

「コミュニティアプリ、起動!」

 彼女の叫び声と共に、薄桃色の突風が木村の身体を包み込む。そして突風はピンク色のスーツを形成し、木村は玲子や琴と同じ姿に変身した。

「風の賢者、ガールズピンク……!」

 変身を終えた彼女は名乗り、渦巻く風の中から一対の双剣を取り出す。

「待っててね……ルル。今、行きますから……!」

 そして、彼女は風を操作して創り出した竜巻の上に乗り、聳え立つ爆炎の柱に向かって飛び立った。

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965 :黒帽子
2020/10/23(金) 15:42:15

クソゲー将軍がモデル人物通りお気持ち表明レベルの長文台詞だったら今頃もうこのスレも埋まってるだろうね

CGRの世界では全員スマホ、タブレット、PC、DSなどの類で文章を入力して文字を視覚化・音声化しているor顔文字などが視覚化される術を身に着けていると解釈しています

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966 :迅
2020/10/23(金) 18:18:21

「オァアッ!!」
「ッ……!」

 一方、ボーンクラッシャーの猛攻はスピードを増し始め、ルルは徐々に押され始めていた。
 彼は全身から赤黒いオーラを迸らせ、近づけばナイフと拳打、そして怯んで距離を取ろうとすればグレネードランチャーを無闇矢鱈にブッ放す。
 一見すればただ暴れ回っているだけのようにも見えるが、実はこれが恐ろしく効果的なのだ。

「ガハッ!」

 速過ぎる、動きについて行けない。
 しかしボーンクラッシャーの止まる事を知らず、嵐の如き猛攻はルルの華奢な肉体を捉え始めた。

「バッシャ"ァァァ"ァ"ァッ"!!!」

 彼は理性を失った獣のような咆哮を上げ、体勢を立て直す暇すら与えない怒涛の猛攻を繰り返す。
 形勢は一気に逆転し、ルルは猛撃の合間合間を縫って回避する事しか出来ず、反撃に移ろうにも下手に手を打てばその瞬間にジ・エンド。

「(何か打開出来る手段は……!)」
「ルルー!!」

 すると、どこからか自分の名を呼ぶ声。
 目の前にはナイフを振りかぶるボーンクラッシャー、そして次の瞬間、地面から生えた蔓がボーンクラッシャーを絡め取った。
 ルルは蔓の出所に目を向けると、地面に拳を打ちつけた玲子はニッと勝気な笑みを浮かべた。

「バインドヴァイン!」
「玲子!」
「私もいるよぉ……!」

 玲子と入れ替わるように現れた琴はルルの前に立ち、蔓を引き千切ったボーンクラッシャーの一撃を日本刀で防ぐが、重さに苦悶の声を漏らす。

「琴さん……!」
「ルルちゃん!これを!」
「!?」

 少し遅れて登場した木村から四角い物体を投げ渡されたルルは、己が身体の内側に眠る燻っていたエレメントが再び燃え始めた様な感覚を得る。

「これは……!?」
「ルルちゃん!変身を!」
「頼むでルル!」
「これ以上抑えられそうにないからね……!」
「───!」

 どくん、どくんと、心の臓が鼓動を鳴らし、それに呼応するように金色のキズナフォンは光を放つ。

「猫野"瑠"々ゥ"ゥ"ゥゥゥゥ"ゥ"ゥ"ゥゥ"!!!」
「コミュニティアプリ……」

 木村達の防衛線を退け、修羅の形相でルルの頭上に飛び上がるボーンクラッシャー。対する彼女はキズナフォンを持った右手を天に掲げ、キズナの合言葉を叫んだ。

「起動!!!」

 刹那、飛び掛かるボーンクラッシャーを軽々と吹き飛ばし、煌々と真紅の炎が燃え上がる。
 炎はやがて彼女の体を包み込み、炎と同じ真紅のスーツを形成する。

「ガールズレッド・レクイエム!」

 彼女は真紅の炎を纏い、『信頼出来る仲間』と共に、眼前の悪鬼羅刹と対峙する。

「さぁ……行きましょう!」
「「「応ッ!」」」
「クフフ……クハハハハハハハ!」

 煌めく炎と淀んだ炎、表裏一体にして相反する2つの炎は衝突し、世界を純白に染め上げた。

[返信][編集]

967 :迅
2020/10/23(金) 23:40:55

これでifはガチで終わりな!?これ以上書くと多分あと5レスは消費する羽目になる!あと、たぶんだけど俺の体力が保たない!

[返信][編集]

968 :げらっち
2020/10/23(金) 23:55:04

>お疲れ~ なおレス数残り少ないため感想は本部など他スレでお願いします!


CGRキャラ図鑑11

影原琴美(カゲハラコトミ)
19歳。
一人称 僕、私等

ゲラッチの妹で、元メリルイ部の諜報員koto。
ゲラッチ闇落ち後は雪華の前からも姿を消し、宇宙からCGRとメンズスターの動きを高みの見物していた。
第7話で地球に帰還する。宇宙から来た猫、すぺーすきゃっとである。
その後はCGRの追加戦士としてルルらに味方する。

kotoは元々CGRのメンバーでなかったにもかかわらず、初めてルルと会った時には既に変身能力を身に付けていた。明らかにおかしい。
これ実はkotoのみ他メンバーと変身する過程・魔力の源が違うことを意味する。

kotoはキズナパワーで変身していない。

kotoの魔力は火(ルルりんご)水(潤雪華)土(タレ雪華)風(キー)のエレメントから外れた闇の魔力、つまりダークゲラッチやリッチヅノーと近い魔法を使用しているのである。
これに関しては最終話で動きがあるかも…

kotoは元々極度のブラコンでありゲラッチの妄信者だったが、現在はルルに何か絆のようなものを感じている模様。
ルルの創った新世界で彼女はどう動くのか?

【家族構成】
ゲラッチ
兄。何かと近い物を感じる。

めいチャン
乗り物。機械仕掛けの蜘蛛。
なゃるチャンの手下を無理矢理改造した物なので微弱だが意識があり、kotoとのみ意思疎通が可能。
実は宇宙船も兼ねており、kotoはこれに乗って宇宙から戦いの様子を俯瞰していたことも。第11話で損壊した後は出番が無い。

なゃるチャン
乗り物2。その正体は神。

【容姿】
下ろすと腰まで届くほど長い黒髪。普段はポニーテールにしていることも。
眼鏡その3。
兄と同じく目つきが悪い。
ぷっくりした丸顔。かわいい。これ個人の感想か
身長は小学生に間違えられる程で、ルルの方が高い。かわいい。
身体は柔らかい。
露出度低めの服が多い。

【能力】
病み上がりの武者ガールズバイオレットに変身。今考えると適当なネーミングだ…一応病みと闇をかけている。
先述の通り1人だけ異質な魔法を使い、ナイフや日本刀を出現させて戦う。
死んだハローデスを蘇らせたりと黒魔術のような能力も有す。

いじめっ子軍団を1人で壊滅させる等武術にも秀でているが、ヒキコモリなのでばてやすい。
お日様の外に出られるのは3時間が限界である。なおめいチャンに乗ることで外出時間を多少は伸ばせる。
メリルイ部時代はスパイ活動を主としていた為頭はキレる。が、中学を出てから進学歴が無いのでお勉強には弱かったり。(なお雪華は高校を中退)

そしてめんへらなので人とのかかわりが苦手。3人以上のコミュニティは避けたいほう。トラブルメーカー。
一方で好きな人には依存する傾向にあるようだ。

【嗜好等】
極度のやんでれ。
猫被った性格だが容赦なく言う時は言う。嫌いな人にはとことん辛辣。
ボディタッチやスキンシップは嫌い。可愛いから撫でようとすると逃げてゆく。

一方で好きな食べ物はマカロン(フランボワーズ)というお茶目な面も。甘い物全般が好き。特に苺。
自転車に乗れないのでCGRサイクルを保有していない。
誰も聞き取れないレベルの小声で話す。

【キャラとして】
途中参加なので馴染めるか心配したが、現実でのキャラも相まって第三勢力的ポジションに上手くあて嵌められたと思う。

だがCGR最大の心残りとしては、kotoを活かしきれなかったー!
最終回で少しは挽回させるが、裏主人公としてもうちょっと出すべきだったなと思う…
ルルや雪華、ゲラッチとの絡みをもう少し書きたかった。新作では是非。

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969 :げらっち
2020/10/24(土) 16:45:08

最終話

「猫野瑠々…神様にでもなったつもり?」


青白い脳みそが脈動している。

「きみはこの世界を創り変えた。都合のいいようにね。ぼくの存在など消してしまったわけだ。」
「だけど、ぼくは生きてる。お生憎様だねwぼくは生きてるんだ。」


「瑕疵です、瑕疵があったのです。」

男は冷や汗を流し釈明する。

「犬又美羽のキャスストーンは不完全でした。ひびが入っていたのです。」
「つまりキャスストーンの威力は乗算されるどころか、除算され、宇宙を創り変えるほどの力は持ちませんでした!地球の空間を、時間を、書き直すに過ぎなかったのです。それは宇宙ではごくありふれたことです。そうです、月にいる私たちには。影響を及ぼさなかったのです!!」

男はそう言い終えると、どうだ!という表情でドームの中心に浮かぶ脳髄を見上げた。
汗が滴り落ちる。
くぐもったような低い声が返答した。

「へえ…w随分と都合のいい解釈だね。君らしいや、キャスガーディアンのルル最推しs?そんな頭の悪い言い訳でぼくを納得させられると本当に思ってる?だとしたらきみは、底辺の、クズだね…w」

脳髄は赤く発光する。
今やルル最推しの目は恐怖に見開かれていた。

「ぼくはこう思うな。これは世界が、ぼくに与えたチャンスだと。猫野瑠々を 殺 せ ってねw不死の身体も、偉大なる頭脳も、この世界も、くれてやる。ぼくはただ、奴を  殺  す  w」


ルル最推しは面喰らっていた。
しかし数秒後、ようやく意味を理解したようでニパッとほくそ笑んだ。

そして次の瞬間。
リッチヅノーの触手の一つが彼を振り払った。
ドームの天窓が割れ、哀れルル最推しの身体は宇宙へと放り出されていた。

「えっなんで~!!」


「邪魔だよ。」

[返信][編集]

970 :げらっち
2020/10/24(土) 17:08:32

こちら地球。
2月の冷たい朝、真理類学園の校門前にて。

「先輩~!」

道の反対側から小柄なショートヘアの児童が走ってきた。紫色のランドセルにはカービィのストラップを付けている。

「あめちゃんおはよ!」

「おはよぉございますぅー!今日も寒いダスね。」

あめちゃんと呼ばれた児童は二木潤の妹、二木雨である。真理類学園5-1に所属している。
「そーいや聞きましたよ!卒業生の生徒代表に選ばれたらしいっスね。」
「別に代表って言っても全然すごくないよ💦なんか卒業式で、スピーチしたりするだけ!」
「それ十分すごいって!ちゃんみうは学級委員長なのに選ばれなかったんだよ?ま、あいつ親がPTA会長だから偉ぶってるだけだけどね」
一緒に登校していた真白もはやしたてる。

「とにかくすごいです、ルル先輩(*˘︶˘*)」
「いやあー・・・」

ルルは間が持たないというようにパーカーの紐をいじくり、別の話題を投げかける。
「昨日の“死滅の刃”見た?」

しかしルルの心は舞い上がっていた。


もう、ずっと昔の話みたい。
CGR…コミュニティガールズレンジャーを名乗っていたころ。

アノ日々は毎日が戦争だった。
毎日戦って、傷ついて、泣いて、傷つけて、また泣いて…

でもこの世界には、そんなものは存在しない。

私は1人の女の子として、小学校を卒業する。それが、どんなに幸福で、どんなに奇跡的なことか……

[返信][編集]

971 :あめそ
2020/10/24(土) 22:04:19

>>970 
え、ワイ?ワイでた?ヾ(゚д゚ )三( ゚д゚)ノ"

[返信][編集]

972 :げらっち
2020/10/24(土) 23:18:48

「ハークシュ!!」

おでん屋の店長は鼻水を垂らしながら、向かいの喫茶を恨めしそうに見つめていた。


「玲子ちゃん、紅茶にしますか?コーヒーにしますか?」
「うちどっちも飲めん。なっちゃんないなら白ぶどうジュースくれ。」
「はいはい(´;ω;`)ウッ…マスター、白ぶどうジュースと、コーヒーを下さい~!」

店の奥から、白いメイド服を着た若い女性が姿を現した。

「いらっしゃい(笑) あらキーちゃまにタレちゃま、今日もいらして下さったんですね(笑)」

「雪華さァん!今日はキーさんに宿題を教えてもらうんや」
「偉いですね(笑) キーちゃま、今日はお砂糖おいくつで?」
「5つで(´;ω;`)ブワッ」

雪華と呼ばれた女性は妖艶にほほ笑むと店の奥へと消えていく。そして「おいコラ働けやげらっちィート!!!!!」という怒声が聞こえた。


ここ、「エムール」は若い夫婦の営むオシャレな喫茶であり、この夫婦は若くしてルルを養子に取っている。

ここを第二の家のように思う常連客は少なくなく、不思議な魅力に取りつかれた客たちの間に家族のようなコミュニティが成立していた。
タレやキーもココの常連なのだ。

いまタレ達の他に居るのは奥で新聞を読んでいる男1人だけだ。
2人は飲み物を飲んで寛ぎながら勉強を始めた。
「…いやさすがにさいきなりはやる気起きん。これ飲んでから始めよ\(^o^)/」
タレはストローでジュースをすする。
キーはコーヒーに砂糖をボトボト投入してかき混ぜると、話し始めた。

「それにしても不思議な縁ですよねえ(A;´・ω・)アセアセ いつからこの喫茶を知って、どこで知り合ったのかすら思い出せない。それなのに、この喫茶に通っている皆さんとは何か切っても切れない絆のようなものを感じるんですよね。」

「そうやね。」
キーが砂糖を溶かしている間にタレはジュースの半分を飲み干していた。
「雪華さんの養子のルルやクラスメイトのりんごはともかく、変なおっさんの常連であるクロボーシや迅や夢中さんとも仲良いのは変だよね。よく考えてみると。」

「そうなんです。しかも、」
キーはコーヒーカップを持ち上げふーふーと冷ましながら続ける。

「私、夢を見るんです。私や玲子ちゃん、この喫茶のみんなが登場する夢です。女の子と、殿方で、分かれて戦っている夢。その夢は妙にリアルで・・・」

「それなっ!」
「え」
タレはジュースをこぼしそうな勢いで立ち上がった。
「うちもその夢見る。しかも、毎日!すごいぐうぜん!!!!!」
タレは今にも笑い出しそうだったが、キーは真面目な表情で眼鏡をくいと押し上げた。

「果たして、偶然でしょうか・・・」

[返信][編集]

973 :げらっち
2020/10/24(土) 23:29:37

真白とルルは教室に入る。
ヒーターがついている上に既に多くの児童が登校していたため、ムワっと熱い。

「琴ちゃん、今日も来てないね…」

ルルの隣の席は今日もぽっかりと空いていた。

「たしかルルちゃんのお父さんの妹だったよね?琴ちゃんて。何か知ってない?」
真白の問いかけにルルは答える。


「知らない…」


影原琴美、それが彼女の本名だった。
兄はゲラッチと名乗り世界を変えようとした。
だが今は、自分が世界のために戦っている。
いや、世界のためなんかじゃないでしょ?
自分が欲しいもののため、だけに…

琴美は「なゃるチャン」と融合していた。
ここは宇宙空間。周りを取り囲むのは7機のメンズスター神。
しかし、メンズスター神など、神であるなゃるチャンを模して造った、たかが鎧。

私の敵ではない。

「こずみっく:フィニッシュ」

琴美が一体化したなゃるチャンの両腕は自在に動き、四方の模造品を触れた傍から消滅させていった。


「そう。他の69億9999万9999人を騙せても、私だけは。」


「私だけは貴女の正体を知ってるの。猫野瑠々。そして自分の正体もね。」

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974 :げらっち
2020/10/24(土) 23:32:11

「ハークシュ!!」

レモンの被り物をしたおでん屋の店長は鼻水を垂らしながら、売れ残ったおでんを噛み潰していた。


「それで、僕こう思ったんです。もしかしたら、夢が現実で…」
「うちもそれ思った。でもどういうこと?私らって一体…」
「それが思い出せないんです。でも何か、合言葉のようなものがあったと思うんです!それは……」

キーは熱弁していたが、カラコロという鈴の音が聞こえると声のボリュームは下がり語尾が聞き取れなくなった。
喫茶に他の客が入店したのだ。

タレは振り向いた。
入り口には黒いスーツを着て、グラサンをかけた男が立っていた。

「うわ来やがった黒い脅威。」

「ゆーきーはーなー!今日も外回りをさぼって金落としに来てやったぞ。ぼったくりコーヒーと芋羊羹を出しやがれ!」

すると再びカラコロという音と共に2人目の客が入店した。今度は全身を白いスーツでバリッと固めた長身の男だ。

「あれ?クロボーシさん外回りに出かけるんじゃなかったんですか?」
「てめえは迅!おめーこそこんなところで何してやがる。今日中に20社契約するって意気込んでたんじゃなかったのォ?」
「自分のサボりを棚に上げて人を責めるとは烏滸がましいなァ!姐さん!僕にはバタ・ディ・ダーマを!」
「うるせぇ芋羊羹ぶつけんぞ。横文字の品しか注文できねえ野郎は帰って、どうぞ」

タレ「あーあ、あの2人またやってるよ。大人げなくて草」

すると、店の奥で新聞を広げていた男がその新聞を破り捨て立ち上がり、カウンターで揉める男2人の元に詰め寄った。

タレ「ついに一般客怒らせたな\(^o^)/」

しかしその客は紫色に光沢するスーツを着て、胸元には薔薇を刺していた。どう見ても一般の客ではない。

「おい、静寂しろ。魂の成長が飽和した此処は喫茶店だ。聖戦-ジ・ハード-をする場所ではない!悪いが、生かしておくわけにはいかない。永遠なる時間の輪から出やがれ、我が相手になるぞ!!──魂なき彼らは何を求め彷徨うのか...」

迅「ハローデス先輩、早退されたんじゃなかったんですか?」
クロボーシ「やる気?^^」
ハローデス「キエーーーーーッ」

大の男3人は店の中で取っ組み合いを始めた。

タレ「あほやーな。うちら以外に客は居ないとはいえどうしよう…」
キー「仕方ない、私が止めに行きます。」
キーは席を立ち、大股で3人の元へと向かった。キーはこれでも武術に秀でているのだ。
しかしタイミングが悪かった。クロボーシはちょうど2人の相手の胸ぐらを掴み、押し倒したところだった。
そしてクロボーシは拡声器を使っているかのような大声で叫んだ。

「ぶっこわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーす!!!!!!!!!!!!」


キーはその一撃だけで店の反対側まで吹き飛び、壁に頭を打って気絶した。

[返信][編集]

975 :げらっち
2020/10/24(土) 23:36:52

「キーさん、しっかりぃ!」

タレはキーの体を揺さぶった。
カウンターでは鬼の形相の雪華によりクロボーシらがとっちめられている。

ようやくキーが目を覚ました。そして髪を振り乱し起き上がった。

「お、おおおおお、思い出しました~~~!」

タレ「え?」
迅「どうしましたか?」

「コミュニティアプリですよ!僕の開発したアプリ…そして、私たちの合言葉。」

キーはスマホを取り出し胸の前にかざした。

「コミュニティアプリ起動!!」

しかしそのようなアプリはインストールされておらず、何も起きなかった。

タレ「何それ。何か聞き覚えあるわーど…」

「クロボーシさんッッ!!」

キーは体勢を崩さず怒鳴った。

雪華に組み伏せられていたクロボーシは彼女を振り払って立ち上がった。
「なんだよキーおばさんはナージャ世代じゃないのォ?」
「違います、どれみです。ではなくて、クロボーシさんの力を借りたいんですが(´。✪ω✪。 `)」

キーはキラキラ顔で振り向いたのでクロボーシは度肝を抜かれた。

「クロボーシさんのお陰で目が覚めました、ありがとうございます!凄いです、クロボーシさんの大声には人を変える力があるんですよきっと!閻魔様かなにかですか?」
「知らねー。」
「とにかく、みんなを集めてください!皆にもあの声を聞かせれば、きっと思い出すはずです( ๑•ω•๑)」


タレがラインを送信し、ものの5分と立たずにりんごと潤が到着した。カラコロと鈴を鳴らして2人の少女が入店する。
りんご「話って何ー❔」
潤「ガトーショコラおごってくれるって言うから来た!」
しかし異変に気付いたようだ。
りんご「Wwちょっみんな集合してるやん何で?ww」
キー「潤ちゃんとりんごちゃんは動かないで。その隣に迅さんが立って下さい。」
迅「おう、いいぜ。でもどういうことですか?」

「今です、クロボーシさん!」
キーが合図を送ると、クロボーシは3人に向かって大声を張り上げた。
「ぶっこわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーす!!!!!!!!」
潤「わーー!!」
迅「クソッ!鼓膜が破れちまいそうだ!!」

3人は吹っ飛び喫茶の窓ガラスが割れた。

キー「次はタレちゃんと雪華さん、ハローデスさんです!」
タレ「勘弁してくれぴえん」

「ぶっこわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーす!!!!!!!!」

雪華「!」
タレ「きゃーーーー」
ハローデス「五月蠅いので1週間ぐらい離脱しまあああああす!!」

雪華はタレを押さえふんばったが、ハローデスは仰向けに吹き飛び壁に掛かっていたタコの絵画に激突しずり落ちた。

タレ「わーなんやこれ!頭がさえわたってゆく!色々思い出したみたい。」
りんご「そうだね‼うちらは…」
潤「キズナパワーで戦っていた、キズナ戦隊…」
雪華「コミュニティガールズレンジャー。」


するとその時、厨房から声がした。
「こらーー!!私の店で騒ぐんじゃないっ。クロボーシ、これ以上店を荒らすなら出て行ってもらうぞ。」

タレ「店主のお出ましや」
雪華「あーあのバカ。」

店主のゲラッチはコックさんの帽子を被っていた。
ゲラッチとクロボーシは睨み合った。
「雪華目当てで通ってるのか?それともただ他の客に迷惑なことをしたいだけ?どの道お前には未払いの6千円を払って退室してもらうぞ。まったくもってチーt」
「ぶっこわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「どわ~!」

ゲラッチは厨房の奥へと吹っ飛ばされていった。

[返信][編集]

976 :げらっち
2020/10/24(土) 23:43:01

「そうだ。」

ゲラッチはむくりと上体を起こした。
「喫茶の店主なんかしている暇はない!私は、」
厨房から這い出し叫ぶ。

「私はチート級っ、カリスマ部長ゲラッチ!あはっはっは・・・」

「うるせぇ!!」
雪華に一喝され大人しくなる。

キー「ゲラッチさんも思い出したようですね。」
ゲラッチ「うん。確か君たちとは敵対していたような気がする。」
りんご「そうだったね‼でもなんか共通の敵がいなかったっけ❓」
クロボーシ「おれも叫びまくってたらアゴが外れて思い出しちゃったぞ。よくわからん奴を倒して、その後どうなったんだかなあ。」
潤「たしか、皆で和解したんだよ!」
迅「じゃあ何で皆そのことを忘れていたんだ?この世界ってやつは一体…」

「それは、きっとこうです。」

雪華が話し始めると皆は静かになった。

「思い出しました。私もルルちゃんも、“それ”の1つでした。」
「凄まじい力を持ったそれ。世界を変えるほどの力を持ったそれは、同時にとても辛い物でした。ルルちゃんは、その運命から逃れるために自身の力を使ったんです。」
「つまりこの世界は、ルルちゃんの創った世界。私さえも、それを忘れていたんです。いや━━━忘れさせられていたんですね。」


りんご「じゃあここは偽の世界❓」
タレ「そんなのいややーぴえん」

ゲラッチ「だがこうも考えられる。ルルは私や雪華の因縁を消し、平和な世界、皆が一緒に生きられる世界を創りたかったんじゃないかと…」

それでも、明らかに納得できない点がある。
それは皆の共通意識。
なんで、ルルは、そのことを━━━━━━


「ただいまー。」

皆が一斉に振り向いた。
カラコロと鈴を鳴らし、

ルルが帰宅した。

「うわ!一体どうなってるんですか?お店がこんなに散らかって…」

ゲラッチ「帰ったか、ルル。」
ルルはゲラッチの養子になっている。ルルはランドセルを背負ったまま困惑した表情で立ち尽くしていた。

「お父さん!しかも皆さん揃って!これはどういう…」

潤「ねえ、ルル。」

「はい?」

潤「誤解せずに聞いてほしい。間違いがあったら正してほしい。私たちね、…思い出したの。」

「え…」
ルルはまだわけがわからないという表情で苦笑いを浮かべている。

潤「全部思い出した。自分たちが本当は何者かってこと。」


「ここは、偽の世界。そうだよね?」


ルルの顔から笑みが消えた。
そして信じられない、という表情で潤を見、他の皆を見た。

潤「…やっぱりそうなんだね。知っていたんだ。」
キー「ルルちゃん。何で?どうして…」

皆が口を揃えて言った。


 「何で黙ってたの?」

[返信][編集]

977 :げらっち
2020/10/28(水) 00:26:23

ここは私の世界、
私の創った世界。

全てが私の思い通り。

みんなが一緒に生きられる世界、
争いなく生きられる世界。

それは全て、みんなのために。

それ、なのに…


潤「何で黙ってたの?」

違う。

タレ「何で隠してたの?」

違う。

りんご「それっておかしくない❓」

そんなはずはない。

だって、全部私の思い通りになったはず。
過去も、記憶も、私があの忌々しい、キャスストーンだったって事実と共に、全て秘匿されたはずなんだ。

私は全人類の記憶を書き換えた。

覚えているはずが無い。

絶対に違う。

キー「ルルちゃん、顔が真っ青ですよ?少し休んだ方が…」

「、うるさい!!」
私はキーの手を振り払った。

「私は、何も、知りません。そうだ!きっと夢でも見たんですよ、悪い夢を、ね。」

今や全員が奇異の目で私を見つめていた。
キーに代わり、雪華が私の前に進み出た。この世界ではお母さんに当たる人物だ。私がそう裁定した。

「ルルちゃん…あなたの気持ちはわかります。私たちはルルちゃんを責めているわけではありません。純粋に、真実を知りたいんです。真実を知ったら、それで皆納得するでしょう。それ以上の追及はありません。今まで通りに生きていけばいいんです。だから…」

雪華はちょっとだけ笑った。

「話してほしいんだ。」

私はちょっとだけ話しそうになってしまった。
でも違う。

皆がそれを知ってしまったら、それは今まで通りでは無い。
私の望んだ世界とは違う。

それに何だ。
私はみんなのためにこの世界を創ったのに。
私をまるで怖い物でも見るかのように。
これじゃ、あの石だった時と、ちっとも変わらない…!!


「知らないって言ってるじゃないですか。私は何もしてないの!!もうみんなどっかに!!!行ってよ!!!」


ルルはランドセルを床に叩きつけ、店から走り去って行った。

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978 :げらっち
2020/10/28(水) 00:39:25

「消えろ、消えろ!!」

ガンガンという鈍い音が響き渡る。
ルルは電柱に頭を打ち付けながら一心に唱えていた。

「痛い…消えろ…全部…消えて……」


もう一度、消してやる。
私は普通に生きたいだけなのに。
みんながそろって邪魔をする。
みんなの記憶を消してやる。
思い出したら消せばいい。何度でも、消せばいい…

しかし何の手ごたえも無かった。
世界を創り変えた時、私は自分の魔力をも消してしまった。
もう何の力も無いのはわかっていたのに…


「何してんの?先輩。」

私はドキリとして振り向いた。
そこには、kotoが立っていた。

「kotoちゃん…!!」

私はkotoに抱き着いた。
kotoだけは、大勢で私を攻めたり、追及したりしない。kotoだけは味方になってくれる、そんな気がした。

「ちょっとどうしたの?あんま他の人に触られたくないんだけどな。あ、あーあー…」
kotoはルルの額を見た。
「血出てんじゃん。可愛いお顔が台無しですよ?」
そう言うとkotoは、ルルの額をぺろりと撫でた。

すると、ルルの額の傷が癒えた。

「え…」

「何?」

私は咄嗟にkotoの身体から離れて後ずさった。
それと同時に、通りの向こうからタレ達がやって来た。追いかけて来たのだ。

タレ「あ!あそこや!見つけた!」
クロボーシ「逃亡するとはいい度胸だな。選べよ、全て話すか?それともぶっ壊されたいか?」
ゲラッチ「よせ。ルル!お願いだ、私たちの話を…」

「あー、そういうことね。」
kotoはフフンと笑った。
私は追いかけてきた皆よりも、kotoに対し焦燥感を抱いていた。まさか。

「kotoちゃん、魔力…」


「あ、バレちゃった?いっけなーい。まあ別にいいんですけどね。」

そう言うとkotoは走り寄ってきた皆をじろりと睨んだ。


「暫し眠りにつきなさい。」


CGRの仲間たち、そしてゲラッチ、クロボーシ、迅。全員がどっと地面に倒れた。

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979 :げらっち
2020/10/28(水) 01:06:29

「大丈夫、死んではいないよ。全員の記憶をBANしただけだから。」

「kotoちゃん…な、何で…」

「何で魔法が使えるのか?って聞きたいんでしょ。わかるよ。」

kotoは一呼吸置いてから話し出す。

「そもそも僕は他の人とは違うの。」
「僕の魔力はキズナパワーをもとに作られる四つのエレメント、火水土風とはかけ離れた、闇の魔力。キズナなんかよりもどーんとすごいやつ。例えるなら闇落ちしたゲラッチお兄ちゃんと同じ…」

「あとリッチヅノーとか…(小声)」


最後の一言は、小さいが私にもしっかりと聞き取れるように発声されていた。
私は壁にへばりついていた。
kotoは私に顔をぐっと近づけて言った。


「そう怖がらないでよ、先輩♡ 僕も貴女と似た心境なんですからね。」

kotoはにっこり笑うとルルから離れた。

「ちょっとその辺歩かない?」

私は何かに憑りつかれたように、kotoの後ろに付いて歩いた。
街はいつの間にか夜になっていた。

いや、これは夜なのだろうか。
紫色の闇の夜。


「な~んかもう、どうでもよくなっちゃう時ってあるよね?私たちがどんなにすごいことしても、報われないなって時、あるよね?」

kotoはるんるんとスキップしながら言った。

「でもそれは、そもそも間違いでーす!!君は誰のためにやってるの?みんなのためかにゃ?違うでしょ、」

kotoはつま先立ちでくるりと私に向き直る。


「自分のためなんでしょ。」

kotoはいつの間にか真顔になっていた。


「みんなのためなんて綺麗事。本当は自分のためだけの世界。自分が痛い思いをしたくないって、それだけの世界。」


「綻びはもっと早くからできていました。この星の外でね。僕は1人で戦ってたって、気付いてなかった?」


「でも、それでいいの。僕は貴女のために全ての後始末をします。貴女は、」


私は喋り方を忘れてしまったかのようにただ、kotoの声を聞いていた。



「自分のためだけに、この世界で生きていいんです。それがお望みなんでしょう?ね。ルルちゃん……♡」

[返信][編集]

980 :げらっち
2020/10/28(水) 01:33:48

そこに雷が落ちた。

kotoは凶悪な目つきになり眼鏡を押し上げた。
「チっ…思ったより早かったな、」

光の中から聞き覚えのある声がした。


「やあ、久しぶりだね?w」

「何で…!」
ルルにようやく声が戻った。あまりにも衝撃的だったのか。

そこにはリッチヅノーが居た。


「何でって?頭の悪い質問をするなよw猫野瑠々!ぼくは不死身なんだよ、きみのださい創世術じゃ、ぼくの存在を消すことはできなかったのさあ!!ひゃはははははははははははははははは」

リッチヅノーは無表情のまま笑った。

「あんなのただの人形です。気持ち悪い本体が生み出したただの人形。ルル先輩は下がって…!」
kotoはルルをどんと突き放すと、紫色のスマホを取り出した。


「こずみっくアプリ起動…闇の武者、がーるずバイオレット!!」

kotoは紫色の戦士に変身した。
そして日本刀を構え、リッチヅノーに斬りかかる。

「にゃあああああああああああああ!!」

リッチヅノーは上半身と下半身に両断された。
しかし、瞬時にぬるぬると動き元の姿に戻る。

「あれ、聞いてなかったの?wぼく不死身って言ったじゃんww無駄なことしてないで真面目にぼくを倒してみてー!ww」

「僕沸点低いんでそう言うのいらないです。早いとこ成仏してください。」

kotoはぎろりとリッチヅノーを睨んだ。魔法で無数のナイフを生み出していた。

ナイフが一斉にリッチヅノーを襲う。
リッチヅノーは粘土のようにばらばらに捌かれると、地面に落ちた傍からジュワジュワと消滅していった。

「ナイフに塗ってありますのは悪霊退散のお塩です、ついでに記念品のぶぶ漬けセットもどうぞ。一昨日お越しくださいませ。」


リッチヅノーは消えた。

ルルは安堵した。
然しその直後。
闇夜から稲妻が走り、kotoの胸に直撃した。

眼鏡が割れ、破片が飛び散った。


kotoは地面に横たわった。

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981 :げらっち
2020/10/28(水) 02:07:58

「kotoちゃん…!」

闇夜から声がこだました。

「まったく矛盾だらけだねw君は、あんなにイキっていたのに、こんなにも弱くて。笑っちゃうよwひゃははははは!!琴美s、きみはぼくのしもべになれ。」


kotoはむくりと起き上がった。
みるみるうちに彼女の衣服は奇抜な装束に変わり、奇抜な眼鏡があしらわれた。


「私はリッチヅノー様のしもべ、ダークゲラッチ:コずも だ。」

彼女の手が伸び、ルルの首を締めあげた。

「がっ…!」

「死ネ。」

「kotoちゃん、やめ……!!」


光線がスパイラルした。

「!」

kotoは吹き飛ばされ、ルルは尻餅をついていた。
誰かが駆けより、ルルに手を差し出す。

「な…なんで、ゲラッチさん…!」


「違うだろー!私はチート級カリスマ部長、ゲラッチ。お前の保護者だ!!」

駆けつけたのはゲラッチだった。

「オニイ…チャン…」
kotoは有り得ない姿勢からのけ反って起き上がった。

「目を覚ませ、琴美。私の二の舞にはさせんぞ。チート級スパイラルレーザー!!」

ゲラッチは腕を回転させながら銃を放つことで光線がスパイラルするように見せかけていた。
kotoの衣装が消し飛び、元の姿に戻った。

kotoは地面に倒れた。


「またお前か!!どれだけぼくのじゃまをすれば気が済むんだよ、ゲラッチ部長!?でもね!きみの弱点はもうわかっているんだよww」

闇夜から無数の“何か”が落ちてきた。

「あ、あれは…」

「た・だ・い・までずぅ~」
「ゲラッチさ~ん、今日も元気に頑張るぞ~!!」
「どうしたんですか硬直しちゃって笑笑笑」

無数のキノボーが降り注いだ。

「(>'A`)>ウワァァ!!」

キノボーに覆いつくされ、ゲラッチは身動きが取れなくなった。

「とどめに、幻を見せてあげるよw」

ゲラッチの前に、2人の男の幻影が現れた。
1人は手足が長く面長で、もう1人は獅子顔で…

「レナック!クソゲー!!」

「ゲラッチ部長、お前の時代は終わった!!」
「消え失せろ!オワコン!!」

副部長レナックとクソゲー軍曹の幻影がゲラッチの身体を貫いた。


キノボーは吹き飛ばされ、ゲラッチは仰天し、立ったまま意識を失った。


「ゲラッチさーーーん!!」

「次はお前だ。猫野瑠々!ぼくはお前を倒すために、ここにいる…!」

闇夜が光り輝き始めた。
このままでは、全てが、終わる…!
そう予感した。


せめて、最期に、会いたかった…

CGRの仲間たちに……!!

[返信][編集]

982 :げらっち
2020/10/28(水) 02:36:04

ここは、天国?
いや、違う。

ここは、世界。
私と、みんなの、生きる世界…!


「ルルーーー!!」

「ハッ!」

りんご「何やってんだ心配させんなー‼」
タレ「ていうかうちらを置いて最終決戦すんなー!」
潤「絶対に忘れさせないからねー!」
キー「私たちと、一緒に戦ったこと!!」
雪華「そして、いつまでも戦い続けるのです。一緒ならば、敵など居ないのですから。」


「みんな!!!」


感無量だった。
何度忘れても、思い出してくれる仲間が居る。
ルルはぼろぼろと涙をこぼしていた。

雪華「何泣いてるんですか!! こういう時は、笑うんですよ(笑)」

「うん…!」

ルルはにっこり笑った。

「それじゃあ、みんな!」

ルルは赤色のスマホを取り出した。


「コミュニティアプリ起動!!」

「炎の勇者!ガールズレッド!」
「電気の使者!ガールズイエロー!」
「草の猛者!ガールズグリーン!」
「水の覇者!ガールズブルー!」
「風の賢者!ガールズピンク!」
「雪と大地の長者!ガールズホワイト!」


「コミュニティガールズレンジャー!!!!!!」


クロボーシ「すげー、ちょっと感動しちゃったぞ。」
迅「何じゃこりゃぁァァ!まるで、6人の女神が降臨したかのようだ……!!」
ハローデス「厨二病ですね。」
迅「あんたにだけは言われたくない。」


「なんだよなんだよなんだよどいつもこいつもあいつもそいつも使えない!!底辺の!!ゴミクズばかり揃いやがって!!!!!」

空を覆うほど大きな脳みそ、リッチヅノーの本体が姿を現した。


「し                                                                ね」

脳髄は業火を纏い、ルル達めがけて特攻攻撃を仕掛けた。

キー「あんなのが着弾したら、地球はふっとんじゃいますね( •̀ω•́ )✧」

ルルは余裕の表情で言った。
「最後はあの作戦でいきましょう(⌒‐⌒)」

りんご「うわー、きみ案外ワルだねーww」
ルル「行きますよ!」

タレ「おけ!リーフブロック!」
巨大な葉っぱが現れ、脳髄は勢い余って衝突し落下してきた。

潤「ウォーターキャッチ!」
空中に水の塊のようなものが現れ、脳髄はそこに墜落した。地獄の業火は鎮火された。

キー「さあお返しですっ!ウィンドレシーブ!」
りんご「びりびりトース!」
キーの起こした風により脳髄は再び空中に投げ出され、りんごの出した電気でさらに高くまで打ち上げられた。そしてルルの元へと落下する。

「喰らえ、ファイヤースマッシュですううううううううう!!」


渾身の一撃。
怒り、恨み、絶望、希望、悲しみ、哀愁、快楽、喜び、全ての感情を込めたルルの一撃を受け、脳髄は醜く歪んだ。
そして吹き飛ばされた。

どこまでも、どこまでも、飛んでいく……

雪華「逃がしはしません。」

ゲラッチ「立てるか?琴美。」
koto「うん。お兄ちゃんの攻撃強烈だったけど。まだあいつを倒すことくらいなら…!」

迅「やるとキャァァ、やってやりますよ!」
クロボーシ「いいぜ!ちょうど俺もあの傍若無人で厚顔無恥な存在をフライにしてやろうと思っていたところだ!」


「じゃあ、最後はみんなで!✨」


「コミュニティエレメントレーザー!!!!!!!!!!」


全員の力を、気持ちを、キズナを1つにした、光線が放たれた。



リッチヅノーは空の彼方で爆散した。

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983 :げらっち
2020/10/28(水) 03:06:16

ここは、あの世?
いや、違う。

ここは、無。
時間も、空間も、何もない、無…


そこに居たのは “リッチヅノーだった何か”

不死の魂、自分1人だけの世界を手に入れた代償が、これ。

ここは何もない、ただ1人の空間。死ぬことも許されず。

考えること。体をも失った彼に出来るのは唯それだけ。

一体ぼくは何がしたかったのか?どうすればよかったのか?

考えても、考えても、考えてもわからないので、彼は、

考えるのをやめた。



「卒業生代表、猫野瑠々!」

「はい!!」

校長先生に呼ばれて、壇上に上がる。
待ち侘びたこの日。
ルルは持ち前の早口で話し始めた。

「私は猫野瑠々、友達からはルルちゃんって言われてます。今日、この日、真理類学園を卒業します!でも、」

ルルは急に黙ってしまった。式場の先生や生徒たちはざわついた。


「……だから何だって話です。私たちの世界はずっと続いていきますから。成長しても、大人になっても、消えない絆は存在します。忘れたと思っても、ふと思い出す。だからそれを忘れないで。お別れじゃないんです。それじゃ、そろそろ時間だから…」

ルルは突然、壇上から飛び降りた。

「あっ、猫野!」

ルルは踵も返さずに走って学校から出て行った。



「ルルちゃん、3分遅刻ですよ。まあ何とかギリセーフですが(笑)」
「ごめんなさい!校長先生のお話がことのほか長くて…あ、でもスピーチは上手くいきましたよ!全部おけですぅ!」
「それにしても…本当にいいんですか?あの子たちにお別れを言わなくて。」
「はい。言うと寂しくなっちゃいますから。それに永遠の別れでは無いですし…」
「ですね(笑)」
「はい✨」


雪華とルルは、にっこり顔を見合わせると、タラップを駆け上がり飛行機に乗って行った。


おしまい🌟

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984 :超ウルトラハイパーグレートキングクリボー
2020/10/28(水) 08:37:58

お~ついに完結お疲れ様でしたあ!感動しましたよ、みんなでコミュニティエレメントレーザー!キノボーは相変わらずのノリでよかった!最後に「ただいまでずぅ~」も見れたし
ルルは最後飛行機でどこにいったんでしょう?

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985 :迅
2020/10/28(水) 11:00:44

ジョジョネタ持って来たな、取り敢えず完結おめっす

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986 :バチュル雪松
2020/10/28(水) 14:32:44

おや、ちゃっかりおでん屋と喫茶エムール
を出してくれるたぁ嬉しいじゃねーかよバロー畜生!!(笑)

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987 :げらっち
2020/10/28(水) 15:08:32

黒帽子にフラグ云々と最初からケチを付けられていたCGRだが、最初からこてこてにするのではなく、段々と前半のネタを回収していくスタイルを取っていたのだ。

また、絆をキーワードにすることで戦隊特有の『多対一の卑怯さ』を薄めている点、いわゆる美少女戦士を目指すのではなくCGRのルックスを中くらいに設定してオタク戦隊にしたという点も特筆しておきたい。

第17話の最後が全員集合だったのに対し最終話でルルが皆の前から去っていくのは、つまりルルがマリルイ部から去って行ったということなのである。

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988 :バチュル雪松
2020/10/28(水) 16:06:58

次の話どうすっかな?

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989 :すき焼きのタレ
2020/10/28(水) 16:16:55

いやぁいいはなしだ!!!!

>>987切ないwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

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990 :げらっち
2020/10/28(水) 16:19:53

タレも読んでくれたか!

 なおゲラッチというのは影原から来ている(という設定)なのでゲラッチの妹である琴美がダークゲラッチを名乗るのは正しい。
 最終回ではゲラッチやクロボーシ、迅もキズナパワーを持っていた模様。


新スレマリルイ学園UBRがはじまる…

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991 :緋月セト
2020/10/28(水) 16:22:38

はいどうもー!
貴方の背後に這い寄るカオス、自称文豪ウェブ小説家の緋月セトです!
少し気になった部分があったので、今更ながら指摘したいのですがよろしいでしょうか?

 まず『考えても、考えても、考えてもわからないので、彼は、

考えるのをやめた。』の部分ですが、『やがて彼は』または『彼はやがて』と書いた方が文としてしっかりしてると思います
 そして『ルルは踵も返さず学校から走って出て行った』とありますが、ここは『ルルは先生の制止を聞かず、学校から飛び出して行った』と書いた方が急用があるって感じが出ると思いますよ
(僕が言える立場じゃ無いですが)

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992 :すき焼きのタレ
2020/10/28(水) 16:23:38

さすセト

その貴方の背後にのくだりすこ

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993 :げらっち
2020/10/28(水) 16:24:28

>>991 よー仮面屋

確かに言われてみればそうかも。
深夜に思いつきだけで書いてたから他にも細かい部分は添削できるだろうし…

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994 :超ウルトラハイパーグレートキングクリボー
2020/10/28(水) 16:25:14

切ねえ...
おでん屋と喫茶店は奇跡のコラボすぎるw
キノボーもそうだけどHKKも喫茶店に来て欲しかったな✨

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995 :迅
2020/10/28(水) 16:25:17

叔父貴は5レス残しておいてくれと言ってたけど、一体何を書くってんだろうな

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996 :げらっち
2020/10/28(水) 16:32:58

番外編7
「ゲラッチとkotoの兄妹デート!」

ゲラッチはイオンモール入り口前のベンチで缶コーヒーを飲んでいた。
心を落ち着かせるつもりがあまり用を成さず、立ち歩いては座りを繰り返していた。
黒いポロシャツに普通の眼鏡をかけたその姿はあまりにも平凡すぎて、店を出入りしている客たちは誰も気付かなかっただろう。

彼が世界を危機に陥れたメンズスターの元部長だという事に。

しばらくすると、ゲラッチは待ちきれないという様子で店の中に入って行った。
そして何を見るでもなくしばらく進んだところでガラケーを開く。
「ん?今店の前に着いたのか。」
ゲラッチは入り口の方に引き返した。
そして外に出ようとしたところで、隣の自動ドアから入れ替わりに誰かが入ってきた。

「おっ、」

「あ!」

ゲラッチは振り向く。すれ違った相手も振り向く。

「琴美!」

「お兄ちゃん!」

今日は久々に兄妹でお買い物に来たのだ。

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997 :げらっち
2020/10/28(水) 16:37:34

kotoは白いパーカーにジーンズと言う格好で、ピンクのショルダーバッグを身に着けている。

「じゃあ行こうか。」

そう言うとゲラッチはkotoの小さな手をぐいと引いた。

「あっ、恥ずかしいよ(小声)」

kotoは耳を澄まさなければ聞こえないような囁き声でそう言った。

「もう子供じゃないんだから、つながなくても大丈夫だょ」

しかしゲラッチはこう答える。

「いいじゃないか。つながせてくれ、せっかくのデートなんだからさ。」

「デートとは?(?)」

kotoは気持ち嫌そうにしていたが、ゲラッチはお構いなしでkotoの手に指を絡ませぎゅっと握る。
いつぶりだろうか。
2人がまだ幼い頃…ゲラッチが小学生、kotoが幼稚園などと言う遠い昔に…手をつないで近所に買い物に行った時以来だろう。
手をつないで歩いているという事実だけでも彼を幸福な気持ちにさせるには十分だったらしい。
ゲラッチはkotoを半ば強引に引っ張ってイオンの奥へと進んでいった。


しかしkotoはぴたりと足を止めてしまった。
「どうした?琴美」
「人がいっぱいいゆ(小声)」
kotoはもはやゲラッチ以外の人間には聞き取れないであろうかすかな声でそう言った。
「うぅ…人間嫌い…」
たしかに店内には家族連れをはじめ人が大勢居た。kotoはゲラッチの手を逃れふいっと背中を向けてしまった。

「おのれ、シタラヴァ民共め…!」
ゲラッチはカラフルな銃を取り出した。子供が駆け寄ってくる。
「わー何ソレおもちゃの銃?」
「チート級スパイラルレーz・・・」
「それはだめ!」
kotoがゲラッチを制止した。

kotoはゲラッチの護衛付きでショッピングモールを歩くという奇妙な日常を体験していた。
2人はエスカレーターに差し掛かった。
「先に乗っていいぞ。」
ゲラッチがkotoにそう促す。しかしkotoは足を踏み出さない。
kotoはエスカレーターの動きを見つめた後、ちょんと一歩踏み出した。そして恐る恐る両足を段差に乗せた。
ゲラッチは妹にこんな癖があった事を思い出して謎の感動を覚えながらkotoの2段後ろに乗った。
そして今やっと2人の身長が同じくらいになっているのに気付いた。1段登るとゲラッチの方が高くなる。そして上階に到着しエスカレーターが平面になると、kotoの頭頂はゲラッチの顎くらいの高さまで下がった。
これを見てゲラッチは可笑しいような愛しいような気持ちになってしまい、後ろからkotoの肩をぎゅっとつかんだ。
然し。
「どわあ!」
天と地がひっくり返った。ゲラッチはkotoに腕を掴まれ捻り倒されていた。


「あ、お触りは厳禁ですよ?」

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998 :げらっち
2020/10/28(水) 16:41:00

ゲラッチとkotoはフードコートに到着していた。

「」

kotoは長時間の外出で疲労の極に達したのか既に小声を通り越し無声になっていた。しかしゲラッチには通じたようだ。
「そうか休みたいのか。じゃあこの席に座って。」
kotoを席に座らせる。

「せっかくだから何か食べようか。」
「うん。僕イチゴ食べたいな。」
ゲラッチは買いに行こうと背中を向けるがすぐに振り返る。
「さらわれないようにね。」
「たぶん…」

ゲラッチは苺のドーナツ3個とジュースを買って戻ってきた。
kotoはくつろいでいる様子で、結わえていた髪をおろし足をブラブラさせていた。小さめの椅子なのに足は床に届いていない。
「ほい。」
kotoはジュースの入ったグラスを持ってぎゅっと握った。かわいい。
そしてしばらく2人はもぐもぐとドーナツを食べていたが、やがてゲラッチがこう言った。
「おーーーい」
kotoはくすりと笑ってゲラッチの方を見る。
「はぁい?」

「あーんして。」
兄の唐突なお願いにkotoは真顔に戻る。
「やだ。」
「してーー!お兄ちゃんはこの日をどれだけ楽しみに待っていたことか!」
「何て言われてもやだからね」
「それならば我がチートパワーで洗脳してやろう!」
ゲラッチは机に足をダンと乗せグッと体に力を込めると、ダークゲラッチに変身した。
「わあ行儀悪い。メンズスターは退治しなくちゃね。」

「コミュニティアプリ起動!」
kotoはスマホを取り出し、彼女にしては大きめの声で叫んだ。

「病み上がりの武者!ガールズバイオレット!」

紫色のスーツがkotoの体を包んだ。若干身長がかさ増しされているようにも見て取れた。

「妹だろうと容赦はしないからな!」

「最初からそのつもりでーすぜ、おにぃ」

「チート級スパイラルレーザー!!」
ゲラッチのカラフルな銃から今度こそ光線が放たれ、kotoの背後にあったダストシュートを吹き飛ばした。
kotoは変身前とは別人かと思われるような身のこなしでそれをかわすとゲラッチの頭上まで飛び上がった。

「ン?」
ゲラッチは上を向く。

すると100本のナイフが落下し彼を襲った。

「捌かれろ!」

「この程度か、」

ゲラッチが腕をぶんと振ると、全てのナイフは霧散してしまった。こんなのは小細工にすぎないとでもいう調子だ。
kotoは猫のようにスタっと着地した。
おろおろとする客や店員をよそに、2人は睨み合っている。

「まだまだ甘いな。お前は兄であるこの私にいつまでも勝てん!」

「にゃー!絶対勝つ。」

「それじゃあいつまでも挑み続けることになるがいいのか?」

kotoは少し間をおいて頷いた。

「がんばゆ。」

ゲラッチは満足げにフフンと笑った。妹といつまでも戦えることがこれ以上なく嬉しいのだった。



おしまい

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999 :げらっち
2020/10/28(水) 16:45:37

もくじ

🌟第1部
第1話 >>2-8
第2話 >>9-16
第3話 >>60-63,99-103
第4話 >>126-128,136,140-143
第5話 >>213-219
第6話 >>276-283

🌟第2部
第7話 >>372,373,375-382
第8話 >>438-447
第9話 >>547-555
第10話 >>586-594
第11話 >>626-635
第12話 >>672,674-683

🌟第3部
第13話 >>719-729
第14話 >>771-775,784-790
第15話 >>809-813,816-820
第16話 >>843-852
第17話 >>890-900
最終話 >>969,970,972-983

番外編1 >>117,118 ルル
   2 >>174,175 潤
   3 >>426-428 キー
   4 >>651-653 雪華
   5 >>697-699 あめそ
   6 >>871-875 美羽
   7 >>996-998 koto

🍎誕生日記念でテキトーに作った短編 >>329,343
🌟crazyーdeliveryとのコラボ >>703-707
🍄クリボージャーとのコラボ >>950-953

迅のif編 >>928,931,933,937,947,956,958,964,966

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1000 :げらっち
2020/10/28(水) 16:46:26

ルル「これでCGRはぜんぶおしまいです。今まで応援ありがとうございました!✨」

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[管理事務所]
WHOCARES.JP
964 :迅
2020/10/21(水) 17:32:13

「貴様が……ルル……」
「そうだけど……私の仲間が世話になったようで」

 瞬間、ボーンクラッシャーの背後から赤黒いオーラが滲み出し、ルルの焔も負けじと燃え上がる。
 相対するは『正義』と『征義』、ボーンクラッシャーはグレネードランチャーを構え、ほぼ同時に両手を水平に上げ、無数の炎の剣を生み出すルル。
 彼女はボーンクラッシャーに無数の焔剣の切先を差し向け、睥睨すると目の前の破壊者に告げる。

「死なない程度に……殺してあげる」
「やってみろ」

 刹那、交差する『業火』と『爆炎』。
 ボーンクラッシャーは連続でグレネードランチャーの引き金を引き、雨霰の如く砲口から撃ち出された榴弾の嵐が、走り出すルルの眼前に迫り来る。
 対する彼女は炎の剣を巧みに操り榴弾の悉くを斬り落とし、ボーンクラッシャーとの距離を詰める。両者の距離は約数十センチ。お互いの拳が届く距離に入り、ボーンクラッシャーは予備のナイフを鞘から抜き、ルルは炎を纏った拳に力を込める。

「はぁぁあっ!」
「シャァァァッ!」

 炎を纏ったルルの拳はボーンクラッシャーのナイフとぶつかり合い、その衝撃で周囲が連鎖爆発を引き起こす。2人の戦いについて行けず、玲子は焦りを隠さない口調で冷や汗を流す琴に問いかける。

「琴!ウチらはどないすればええねん!」
「解らない……!次元が違い過ぎる……!」
「2人とも!遅れてすみません!」

 玲子と琴は2人の戦闘に圧倒されていると、遅れて駆けつけた木村が2人の下に駆け寄る。頼れるリーダーの到着に、玲子はマスク越しに笑みを浮かべた。

「キーさん!」
「無事だったんだね……ルルは今、アイツと戦ってるよ」
「私達も加勢します!先に行ってて下さい!」
「おうよ!」
「任せといて……!」

 彼女の声に頷き、スーツによって強化された身体能力を駆使し、2人はルルの下へ走り出す。
 そしてその後ろで、呼吸を整えるべく小さく深呼吸した木村はキズナフォンを構えた両手を前に突き出し、2人と同じ変身コードを叫んだ。

「コミュニティアプリ、起動!」

 彼女の叫び声と共に、薄桃色の突風が木村の身体を包み込む。そして突風はピンク色のスーツを形成し、木村は玲子や琴と同じ姿に変身した。

「風の賢者、ガールズピンク……!」

 変身を終えた彼女は名乗り、渦巻く風の中から一対の双剣を取り出す。

「待っててね……ルル。今、行きますから……!」

 そして、彼女は風を操作して創り出した竜巻の上に乗り、聳え立つ爆炎の柱に向かって飛び立った。

966 :迅
2020/10/23(金) 18:18:21

「オァアッ!!」
「ッ……!」

 一方、ボーンクラッシャーの猛攻はスピードを増し始め、ルルは徐々に押され始めていた。
 彼は全身から赤黒いオーラを迸らせ、近づけばナイフと拳打、そして怯んで距離を取ろうとすればグレネードランチャーを無闇矢鱈にブッ放す。
 一見すればただ暴れ回っているだけのようにも見えるが、実はこれが恐ろしく効果的なのだ。

「ガハッ!」

 速過ぎる、動きについて行けない。
 しかしボーンクラッシャーの止まる事を知らず、嵐の如き猛攻はルルの華奢な肉体を捉え始めた。

「バッシャ"ァァァ"ァ"ァッ"!!!」

 彼は理性を失った獣のような咆哮を上げ、体勢を立て直す暇すら与えない怒涛の猛攻を繰り返す。
 形勢は一気に逆転し、ルルは猛撃の合間合間を縫って回避する事しか出来ず、反撃に移ろうにも下手に手を打てばその瞬間にジ・エンド。

「(何か打開出来る手段は……!)」
「ルルー!!」

 すると、どこからか自分の名を呼ぶ声。
 目の前にはナイフを振りかぶるボーンクラッシャー、そして次の瞬間、地面から生えた蔓がボーンクラッシャーを絡め取った。
 ルルは蔓の出所に目を向けると、地面に拳を打ちつけた玲子はニッと勝気な笑みを浮かべた。

「バインドヴァイン!」
「玲子!」
「私もいるよぉ……!」

 玲子と入れ替わるように現れた琴はルルの前に立ち、蔓を引き千切ったボーンクラッシャーの一撃を日本刀で防ぐが、重さに苦悶の声を漏らす。

「琴さん……!」
「ルルちゃん!これを!」
「!?」

 少し遅れて登場した木村から四角い物体を投げ渡されたルルは、己が身体の内側に眠る燻っていたエレメントが再び燃え始めた様な感覚を得る。

「これは……!?」
「ルルちゃん!変身を!」
「頼むでルル!」
「これ以上抑えられそうにないからね……!」
「───!」

 どくん、どくんと、心の臓が鼓動を鳴らし、それに呼応するように金色のキズナフォンは光を放つ。

「猫野"瑠"々ゥ"ゥ"ゥゥゥゥ"ゥ"ゥ"ゥゥ"!!!」
「コミュニティアプリ……」

 木村達の防衛線を退け、修羅の形相でルルの頭上に飛び上がるボーンクラッシャー。対する彼女はキズナフォンを持った右手を天に掲げ、キズナの合言葉を叫んだ。

「起動!!!」

 刹那、飛び掛かるボーンクラッシャーを軽々と吹き飛ばし、煌々と真紅の炎が燃え上がる。
 炎はやがて彼女の体を包み込み、炎と同じ真紅のスーツを形成する。

「ガールズレッド・レクイエム!」

 彼女は真紅の炎を纏い、『信頼出来る仲間』と共に、眼前の悪鬼羅刹と対峙する。

「さぁ……行きましょう!」
「「「応ッ!」」」
「クフフ……クハハハハハハハ!」

 煌めく炎と淀んだ炎、表裏一体にして相反する2つの炎は衝突し、世界を純白に染め上げた。

970 :げらっち
2020/10/24(土) 17:08:32

こちら地球。
2月の冷たい朝、真理類学園の校門前にて。

「先輩~!」

道の反対側から小柄なショートヘアの児童が走ってきた。紫色のランドセルにはカービィのストラップを付けている。

「あめちゃんおはよ!」

「おはよぉございますぅー!今日も寒いダスね。」

あめちゃんと呼ばれた児童は二木潤の妹、二木雨である。真理類学園5-1に所属している。
「そーいや聞きましたよ!卒業生の生徒代表に選ばれたらしいっスね。」
「別に代表って言っても全然すごくないよ💦なんか卒業式で、スピーチしたりするだけ!」
「それ十分すごいって!ちゃんみうは学級委員長なのに選ばれなかったんだよ?ま、あいつ親がPTA会長だから偉ぶってるだけだけどね」
一緒に登校していた真白もはやしたてる。

「とにかくすごいです、ルル先輩(*˘︶˘*)」
「いやあー・・・」

ルルは間が持たないというようにパーカーの紐をいじくり、別の話題を投げかける。
「昨日の“死滅の刃”見た?」

しかしルルの心は舞い上がっていた。


もう、ずっと昔の話みたい。
CGR…コミュニティガールズレンジャーを名乗っていたころ。

アノ日々は毎日が戦争だった。
毎日戦って、傷ついて、泣いて、傷つけて、また泣いて…

でもこの世界には、そんなものは存在しない。

私は1人の女の子として、小学校を卒業する。それが、どんなに幸福で、どんなに奇跡的なことか……

987 :げらっち
2020/10/28(水) 15:08:32

黒帽子にフラグ云々と最初からケチを付けられていたCGRだが、最初からこてこてにするのではなく、段々と前半のネタを回収していくスタイルを取っていたのだ。

また、絆をキーワードにすることで戦隊特有の『多対一の卑怯さ』を薄めている点、いわゆる美少女戦士を目指すのではなくCGRのルックスを中くらいに設定してオタク戦隊にしたという点も特筆しておきたい。

第17話の最後が全員集合だったのに対し最終話でルルが皆の前から去っていくのは、つまりルルがマリルイ部から去って行ったということなのである。

991 :緋月セト
2020/10/28(水) 16:22:38

はいどうもー!
貴方の背後に這い寄るカオス、自称文豪ウェブ小説家の緋月セトです!
少し気になった部分があったので、今更ながら指摘したいのですがよろしいでしょうか?

 まず『考えても、考えても、考えてもわからないので、彼は、

考えるのをやめた。』の部分ですが、『やがて彼は』または『彼はやがて』と書いた方が文としてしっかりしてると思います
 そして『ルルは踵も返さず学校から走って出て行った』とありますが、ここは『ルルは先生の制止を聞かず、学校から飛び出して行った』と書いた方が急用があるって感じが出ると思いますよ
(僕が言える立場じゃ無いですが)

117 :げらっち
2020/07/22(水) 21:31:00

番外編
「ルル、タピオカを飲みに行く日!」

CGRのルル、タレ、りんごの3人は原宿に遊びに来ていた。

ルル「わあ~!人がいいっぱいいますぅ!」
タレ「そりゃそうや。」
りんご「あっあそこだよ!雑誌で有名だったタピオカのお店!」
ルル「タピオカ!!大好き…❤」
りんご「飲みに行こう!」
タレ「あのくそみたいなたまごに金を使うなんて許さん。」
ルル「ええっタピオカ食べられないんですかぁぁああ!!!」
タレ「というかタピオカとか喰わず嫌いランキング1位。まぢで無理。タピる~とか言ってる女子女子した女子嫌い。雑誌好きミーハーも嫌い。きもい。きしょい。無理。」
ルル・りんご「……」

何やら険悪な雰囲気だ。

ルル「あの…そこまで言う必要は無いと思います。」
りんご「そうだよー💢ルル、2人だけで食べよ!」

2人はタピオカ屋に走って行ってしまった。

「いらっしゃーい!店長のレモーンだよ。」
そこにはレモンの被り物をした怪しい少年が立っていた。

ルル「タピオカレモンティーく~ださいな✨」
りんご「僕ちんはタピオカルピス!」
レモーン「濃さは?」
りんご「へぇー1から10まであるんだ。特濃!めっちゃ濃いの!薄いのきらーいww」
レモーン「はい(渡した)」
ルル「んくっんくっ」
りんご「やばっメッチャ濃いΣ(゚◇゚;)そして…なんだか眠く…」
ルル「うう…パタッ」

2人は倒れてしまった。

「うまくいったようだな。」
レモーン「へい!クロボー師様。」
店の奥からメンズスター幹部クロボー師が現れた。

118 :げらっち
2020/07/22(水) 21:32:08

タレ「ちょっと言い過ぎたかも…」
タレはルルとりんごの居る店の前をしばらくウロウロした後店の中に入った。
タレ「おわ!」

するとそこではルルとりんごが巨大な黒い機械の中に入れられようとしていた!

レモーン「タピオカ製造マシーンでお前らもタピオカになれ!」
タレ「やめろー、やめるんだー!!」
レモーン「何だお前、タピオカが嫌いそうな顔をしているな!」
タレ「そんな顔があるんか。まあ私はタピオカよりすき焼きのタレが好きな希少な女やけど。」
レモーン「タレを舐めるのか?きっしょ!」
タレ「ぴえんそれうちの言葉」
タレの顔がぴえんの顔文字のようになった。

タレ「おまえメンズスターの手先やな。たおしたる。コミュニティアプリ起動!くさのもさ!ガルーg?ン!」
レモーン「噛んでやんのwwww」
タレ「ぴえーん!これ1回噛むと1時間は変身できない仕様なの!」
レモーン「じゃあずっとこちらのターンというわけだ!果実怪人レモーン様の実力を知って驚き呆れろ!スマッシュタピオカ!」
大量のタピオカがタレに向かって飛んで来た。
タレ「やめろー!タピオカは嫌いじゃー!!」
レモーン「無理矢理喰わしてやる!」
レモーンの放ったタピオカがタレの口に入った。
タレ「ぴえーーーーーーーーーーーーーん!!」
レモーン「わーはっはっは!」
タレ「…」

タレはタピオカを噛んでみた。

あれ

意外といける。

タレ「おいしいぱふぱふにゃーにゃー♔お♔い♔し♔い♔✧delicious✧🎊🎉おおおいいいいしいいいい🎉🎊🎉いいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
レモーン「は?」
タレ「ウチが嫌いなのはタピオカ残したりきゃぴきゃぴするためにタピオカを飾りとして扱ってる連中だけ!たぴおかじたいはうまかった!」
レモーン「は?は?」
タレ「お前の負ーけー!」
レモーン「ぴえーん!」

タレの気迫の前にレモーンは逃げて行った。
タレはルルとりんごを助け出した。

ルル「プハッ!た、助かりました・・」
りんご「助けてくれてありがとう!」
タレ「私の方こそ言い過ぎてごめんよ!」
ルル「じゃあ・・クレープおごって下さい!!✨」
タレ「ぴえーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん」


一方こちらクロボー師。
作戦が失敗に終わり、原宿の喧騒の中を歩いて帰るところだった。
「ちっ、檸檬野郎のやつしくじりやがって。」
 (だがタピオカを捨てるのがよくないのは事実だな。今回は食べ物を粗末に扱う作戦を建てちゃって失敗したゾ。これからは気を付けねば…ん?)

「あいなちゃん、おいしいかい?」
原宿の街を小学生くらいの女の子を引き連れて、ゲラッチが歩いていた。
クロボー師「あのヤロー作戦をさぼってまた幼女誘拐してやがるな…」

あいな「ンぐ…ゲラッチ、おいしくないよ!」
ゲラッチ「何っ!じゃあこんなおいしくないものはインスタに上げるだけ上げてポイだ!ポイっ!」
ゲラッチは半分以上残っているタピオカドリンクをゴミ箱に投げ捨てた。
クロボー師「ぶっ殺---------------------------す!!」
ゲラッチ「ぴえーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

174 :げらっち
2020/07/28(火) 23:57:40

番外編2
「爆喰い戦隊カバレンジャー結成!?」

CGRのエース、ルルの最大の敵とは…っ!


ルルは立ち尽くしていた。
確かに、兆候はあった。
こうなることは容易に予想が付いたはずだ。
然しそれは予想をはるかに上回っていた。
自分はこの1か月間、一体何をしていたのだろう。
何度も自分に言い聞かせたはずだ。だがそれはことごとく用を成さず、遂に禁断の領域に踏み込んでしまった。

「よ、40キロ・・・」

ルルは半裸で体重計の上に立ち尽くしていた。
まさか、このタイミングで、ついに40㎏オーバー。
1か月前は36㎏だったはず。それにクラスの友達は大抵35㎏とか、軽い子だと30㎏とか…
私カバじゃん

ルルの最大の敵は自分自身、自分の体重だった。


ルルは誰よりもまずあの人に相談してみようと、ラインの無料通話をかけた。
「はいもしもし!今日もかわいい潤ちゃんでーす(`・ω・´)w」
「あっ潤先輩!実はかくかくしかじかなんですぅぅぅ!」
ルルは慌ててわけを話す。
潤「事情は分かったけど…それでなんで私なんだ!タレとかりんごとかでいいだろー!www」
ルル「でもあの2人はスリムですし…」
潤「…ルルって意外と毒舌だよね。」
ルル「え?別にそんなこと無いですよー(´・∀・`)」
潤はちょっとムカッとしたようだが、結局その後2時間はルルの愚痴を聞かされた。そして週末にダイエットを指導する約束をしてしまった。

175 :げらっち
2020/07/29(水) 01:28:12

魔の週末が訪れた。
ルルと潤は公園のベンチに座っていた。潤はジャージ、ルルは学校の体操服のようなものを着ている。

潤「で、ルルは何キロなんだっけ?」
ルル「ちょーデブだから!ショックで倒れないでくださいね?改めて……40㎏…です、チーン。」
潤「別にそんなチーンってなるくらいの体重じゃないよ!普通だと思うよ。私なんて50…」
ルル「50!?」
潤「いや大丈夫まだ50はいってないいってないいってないからねからね」
ルル「潤先輩、一緒にダイエットしましょうっっ✨」
潤「ハイ・・・」
2人はベンチからすっくと立ちあがった。

ルル「2人であの《十キロ痩せるダンス》二週間踊るってのはどうですか?」
潤「いや、それよりもいい方法があるぜ。2人で戦隊を結成するんだ!」
ルル「なるほどです。つまり・・・」

潤・ルル「「爆喰い戦隊カバレンジャー!!」」

2人が大声を上げてキメポーズを取ったため、園内を散歩していた子供や老人が振り向いた。

ルル「・・って、何ですかコレ( ゚Д゚)」
潤「こうやって恥をかくことで、痩せなきゃ痩せなきゃと、精神的に自分を追いつめる!そうすればきっと痩せる!」
ルル「きっとって…それで痩せたためしがあるんですか?」
潤「…」
ルル「潤先輩はポテチの食べ過ぎですぅう!」
潤「うるさーい!醤油マヨは銀河一なんだあああああああ!!」
2人の頭の中に醤油とマヨネーズのコクをブレンドしたまろやかな旨味のポテトチップスがモワモワと浮かび、パチンと消えた。

潤「そうだ!私たちCGRとして戦ってすごい運動してるし、それが一番のダイエットになってるんじゃないかな?」
ルル「でも戦うと疲れて、そのあとメッチャ食べちゃうんですよね…」
潤「食べるって何を?」
ルル「うどんです!私の大好物なんで!多い時だと、おかわりを2杯くらいして・・・あっ」
潤「それだよ!運動していっぱい食べてるから、体が大きくなったんだよ!そう言えばルル、初めて会った時より背が伸びたんじゃない?」
ルル「そ、そうですか?(*σ∀σ)」
ルルの顔が急に乙女チックに輝いた。

ルル「潤先輩!ご指導ありがとうございました!これにて私はカバレンジャーを脱退します!」
ルルはキラキラしながら潤に背中を向け走り去っていった。
結局潤だけが取り残されてしまった。
潤「私は成長期すぎちゃっただぜ…ま、いいか。醤油マヨ買って帰ろ。」

329 :げらっち
2020/08/05(水) 23:51:54

🍎RINGORIN誕生日記念でテキトーに作った短編


はじめまして俺はりんご‼
今は兵派亜中等学校で授業中‼
それにしても昨日オールだったから眠いwwwwww
よし、ちょっとだけ寝るぜ
ちょっとならばれない…はず…
「zzz」
「おい!」
「ン?( ・∀・)」
隣の席の女子が小声で話しかけてきた。
「ねるな!せんせいにおこられっぞ!」
「余計なお世話だよーwwwww」
あいつは俺の相棒のタレ。
4月に関西から引っ越してきて、一緒のクラスになってからは色々あったっけな。
とにかくおもろい関西人。
でもたまーに馬が合わなくて…
タレ「起きろや!内申点下がるぞアッポー!」
りんご「アッポーはさすがにやめろ!(💢・∀・)」
先生「くらー!授業中にうるさいぞ!林、藤田!お前らは放課後居残りで掃除だ!」
りんご「ほら、タレが余計なことするから💢💢」
タレ「うわ最悪やん。」

6時間目が終わり、りんごとタレは2人きりで教室、廊下、階段を掃除した。約2時間を浪費した。
次はだだっ広い体育館を雑巾がけすることになった。
りんご「まじで嫌すぎwwwww全部タレのせいだからね💢💢」
タレ「いい加減人のせいにすんのやめろや。そうだ、ただやるだけじゃつまらんから2人でどっちが早く雑巾がけできるかやってみ幼女。」
りんご「受けて立つよー!絶対負けないからww」
2人は体育館の端と端にしゃがみ込み、一斉に雑巾がけをスタートした。

りんご「おらああああああああああああ!」
りんごは長い茶髪を振り乱して一気に駆け出した。
タレ「⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン」
一方のタレは鼻歌交じりに踊るように進んでいた。だがりんごより足が長いので結構速い。独特のリズム感でテンポよく進んでいる。
りんご「もうまじで頭きた💢」
りんごは雑巾がけをやめスマホを取り出した。
タレ「試合放棄か?( ˘ω˘ )」
りんご「コミュニティアプリ起動!電気の使者、ガールズイエロー!」
タレ「あっずるい。」
りんごは変身し急加速。雷のようなスピードで一気に体育館の中心まで駆け抜けた。そして、
タレ「うわっこっちくんなあほ!」
りんご「わっちょ止まんなあああああああいa」

ごっちんこ★


2人は体育館の床に倒れた。

343 :げらっち
2020/08/06(木) 01:40:07

たんこぶを作った2人は続いて体育館の女子更衣室にやって来た。
りんご「ヤバイな、ここは。」
タレ「ああやばい。」
2人は扉の左右にぴったりとくっつくと、視線を交わした。
タレが頷いた。
次の瞬間、りんごは一気に扉を開け放った。
りんご「ぐわああああああ!」
タレ「りんご、しっかりしろ!リンゴォォォォォオ!!」

ガンッ!

2人は竹刀で頭をぶっ叩かれた。
先生「くらー!ふざけてないで掃除しろ掃除ィ!」
りんご・タレ「ハイ・・・」

確かにオーバーリアクションだったのは事実だが、兵中女子更衣室は「魔窟」と異名を持つほどの場所だったのだ。
とてつもなく臭い。

りんご「くちゃい…(。・´д`・。)」
タレ「臭すぎて草。」
りんご「ン?タレ何そのマスク?」
タレはいつの間にかマスクを装着していた。
タレ「タレノマスクや。ほれお前にも一枚やる。」
りんご「サンキューd(*`・(エ)・´*)b」
マスクのお陰で少しは臭気を防ぐことが出来た。2人は部屋に入った。

そこは魔窟の異名にふさわしいごちゃごちゃっぷりだった。
食べかけのコンビニ弁当、菓子袋、ペットボトルやカロリーメイト、何日も洗ってないような下着や水着、いつの物かわからないカビの生えた応援旗等が散乱し、部屋の隅は埃と虫だらけだった。
タレ「あのはげおやぢ。」
りんご「それなwww体罰受けたって訴えちゃえばいくない?wwwww」
2人はぶつくさ言いながら掃除を始めた。
りんご「タレ、ところで彼氏は?」
タレ「ぎく。わしは理想が高いんや。べ、別にできないわけじゃないからね!」
りんご「本当かなー?( ・∀・)」
りんごはモップの手を止め髪をくりんくりんと弄るお決まりの動作を始めた。
タレ「お前の恋人?はどうなっとん?」
りんご「あー、上手くいってるよ!(〃 ́ω`〃)」
りんごの顔が林檎色に染まった。
タレ「きしょいな。さすがCGR唯一のリア充。」
りんご「(*゚∀゚)*。_。)*゚∀゚)*。_。)」
りんごはタレの肩に額を持たせかけ、タレの脇腹をちょんちょんと小突いた。
りんご「うちらが出会ったあの日、いきなり雪華司令にスカウトされてびっくりしたよねーww」
タレ「ほんまにあの時はびびった/^o^\」
りんごはCGRのことを考えた。何故か一番に思い出したのはCGRの新入生、ルルのことだった。

りんご「ねー、タレはルルのことどう思う?」
タレ「あっ!今ちょうど私もそのこと聞こうと思ってたねん。」

ガールズレッド・猫野瑠々。
りんご「何て言うかナマイキwwwwwwだけど、」
あれはうちら以上に未熟で、ちっちゃくて、ほっとけない奴。
りんご「可愛い後輩だよ‼」
タレ「せやな。」

先生「くらー!いつまでも喋ってないで・・・」
りんご・タレ「はいはーい!!」
2人は早くCGRの皆に会いたくなり、慌てて掃除を再開した。

つづく





ルル「今回出番無かったんですけど…」

928 :迅
2020/10/12(月) 22:50:23

4〜5レス無駄遣いしちゃうかもだけど許してくれ

────────────────────────

 架空に響き渡る1発の銃声。目の前で倒れる上司。
 そして、血溜まりの上に倒れる彼女をどこか哀しげな瞳で見下ろし、銃口から煙を上げる玩具のような拳銃を右手に提げた悪の幹部。

『くっそォォォォォ!』

 視界に焼き付けられた悲劇は、必死に忘れようと瞳を閉じても、瞼の裏に映し出される。

「(あの日から……もう5年か……)」

 あの日、私は全てを失った。



《ーCommunity Girls Ranger:REー》



ー2026年:東京都千代田区ー

「ヴハハハハハ!なんだなんだァ!?ちったァ楽しませてくれると思ったんだがァ、この程度でへばられちゃァ拍子抜けもいいとこだぜ!」

 半身が機械と化した筋骨隆々の大男は、豪快な笑い声を上げながら頭部から流血した警官の頭を掴み上げ、乱雑に外へ投げ捨てる。
 たかが喧嘩慣れした程度の一般人に遅れを取るほど、彼ら警察官は決して弱くはない。
 ただ、目の前の大男が強過ぎたのだ。

「そんな……署長が……!」
「おいおい、一体どうしたァ?まさかたァ言わねェが……お偉いさんがやられたからブルっちまったとはァ言わねェよなァ……?」

 怯える警官達を一瞥し、大男は背中に背負った鞘から長大な三日月刀・ショーテルを抜き放ち、近くにいた女性に切先を突きつける。

「いやぁぁぁ!」
「騒ぐんじゃァねェ!俺が知りてェのはただ一つ……ルルとか言う小娘の居場所のみよ!」
「ふざけんな!そんなガキ知る訳ねェだろうが!」

 大男は甲高い悲鳴をあげる女性を脅し、女性の彼氏と思しき男性が二人の間に割って入る。

「つーか、アンタは一体誰なんだ!?」

 男性は声を荒げ、大男に問いかける。すると彼は口角を上げ、唐突に自己紹介を始めた。

「特別サービスだ。名乗ってやる。俺の名は迅、メンズスターの幹部にして───「私の抹殺を依頼された……そうでしょ?」
「誰だ!?」

 すると、突然どこからか凛とした声が響き渡り、慌てて立ち上がった大男・迅は周囲を見渡す。

「(なんだったんだ……今のは……?)」

 ───ただの幻聴か。そう気を取り直した次の瞬間、迅の巨体は大きく吹き飛んだ。

「どぉわぁぁあぁぁあああああ!?」

 近くの木々を薙ぎ倒しながら吹き飛ぶが、器用に身を翻して着地。地面を引き摺りながら停止する。
 衆人環視の視線が集まる中、彼は血を流す頭部を左手で押さえながら立ち上がる。

「(警察の拳銃程度じゃァ俺の身体は吹き飛ばせねェ……つまり、さっきのヤケに重い一撃は《キズナパワー》による攻撃……)まさか……テメェ自ら来てくれるとはなァ……!」
「ピーピー騒ぐな、弱く見えるわよ?」

 ゆっくり立ち上がる迅を心の底から軽蔑するように、右目に眼帯を付けた少女は握り拳の親指を立て、その指先を地面に突きつけた。

「さァ、地獄を楽しみな」

931 :迅
2020/10/13(火) 20:04:49

「死なない程度に……殺してあげる」

 巨漢の男・迅にそう告げた少女は、憤怒と憎悪が複雑に入り混じった瞳で彼を睥睨する。
 しかし、相手は腐ってもメンズスター幹部。少女の気迫程度で怖気付く様子はなく、逆にクツクツと静かに笑いを漏らしていた。

「なにか可笑しい事でも?」
「クハハ……!可笑しいとも。何だ?仲間の敵討ちってか?良いねェ、そう言う絵空事をぬかす馬鹿野郎ほど躾甲斐があるってもんよォ!」

 瞬間、身体を低く屈めた迅は、まるで弾丸のような速度で走り出した。その威力、速度共にダンプトラックに引けを取らないだろう。
 直に受ければ死ぬ。今思えば、CGRにいた時はこの手の攻撃は避けてばかりだった。
 だが、今の彼女は避ける必要はない。───否、そもそもこの程度の攻撃なら、回避に移る動作すら今の彼女にとっては無用の長物だ。

「死に晒せやァァァァァ!」
「……」

 迫り来る砲弾もかくやのタックル、直に受ければもちろん即死。しかし、少女は揺らめく水面のように構え、真正面から受け止めた。
 刹那、戦車砲の如き轟音が大気を震わせ、両者の衝突は大地を砕き土煙が舞い上がる。

「うわぁぁぁぁぁぁ!?」
「きゃぁぁぁぁあ!」

警官を含む市民達は───ただ悲鳴を上げ、その場にうずくまる事しか出来なかった。

「お、おい!煙が晴れてくぞ!」
「ま、まさか……!?」
「いやぁ……!」
「!オイ、あれを見ろ!」

 衆人環視が集中するは、土煙の向こう側。

「何で……何で俺が、地面に倒れてんだ!?」
「自分がぶっ倒れてる事が……そんな驚く事?」

 少女の身体には傷一つ付いてなく、仰向けになって地面に倒れる迅は逆に無数の傷を負っていた。迅は眼を白黒させ、ある予想が脳裏をよぎる。

 「(受け流された……!?俺の攻撃が!?)」

 なんの苦もなく、まるで暴漢をあしらうように真正面から受け止められ、その刹那に満たない一瞬の間に無数の打撃を全身に叩き込まれたのだ。彼はフラつきながら立ち上がり、両手に持ったショーテルで一閃。彼女の首を刎ねようと薙ぎ払うが───

「何で当たらねェ!?」

 渾身のラッシュも、警官をまとめて薙ぎ払った拳打も、全て流れるような動きで捌かれる。
 迅の攻撃は次第に単調になり始め、一撃、また一撃と受け流されてはカウンターを叩き込まれる。しかし、少女の激流の如し猛攻は止まらない!

「(攻撃が速くなってやがる……!)」

 焦り故か攻撃に粗が出始める迅と対照的に、少女の技はスピードとキレが更に上がっていく。

「メンズスターだかギャングスターだか忘れたけど、楽にしてやるから安心して逝け!」

 少女は叫び、連打の速度を更にあげる。
 彼女の流星群の如き連打は、両腕を交差させ防御に徹する迅の肘や膝の関節部を始め弱点という弱点を的確に抉り、彼の巨体を地に押し倒した。

933 :迅
2020/10/14(水) 22:10:54

「それで?本当に君があの大男を?」
「だーかーらー、さっきから何度も何度も言ってるでしょうが。私は被害者なんですってば」
「いや……過剰防衛ってのがあってだね……」

 大男───迅との交戦から数分後、応援要請を受けた警視庁本部の警官が到着。当の迅はノックアウトしていた為、当事者の一人である少女は彼の代わりに取調べを受けている真っ最中だった。

「君、保護者は?」
「いないです」
「即答……」

 ルルの乱雑な答えに、質問の悉くを雑に返された男性警官は顔を手で覆い、ため息を漏らす。
 二人が戦った千代田区公園前はまるで戦争後のような惨状になっており、所々大きなクレーターがぶち空いていたのは言うまでもないだろう。
 警官はため息と共にメモ帳とペンを取り出すと、眠たそうにあくびをする彼女に問いかける。

「とにかく、君の名前と住所……あとは通ってる学校名とかも教えてくれるかな?」
「チッ……言いますけど、変な事には使わないでくださいね?名前はルルです。院丁第二高等学校普通科2年、もぎたてフレッシュ16歳です。あ、後バイクの免許も持ってるんで一応見せときます」

 少女……ルルは舌打ちをした後、カンペを読み上げるように棒読みで自己紹介を行い、制服の胸ポケットの中から学生証とバイクの免許証を提示。
 メモを書き終え「一条だ」と名乗ったイケメン警官は、虚空を見上げてはポツリと呟いた。

「……話変わるけど、最近見なくなったよね」
「……何がですか」
「ほら、CGR……だったかな。ローカルVみたいなコスプレした人達の集団でね、娘が憧れていた時期があったんだ」

 「もっとも、今となっては看護師を目指してるんだけどね」と、苦笑いを浮かべる一条警視。
 どうやら。CGRは一部の人達からすると『突然どこからか現れるコスプレ集団』と思われていたらしい。まぁ、それに関しては否定しないが。

「それじゃ、僕は報告書書かなくちゃならないから本部に戻るけど、何かあったらここに連絡してね」

 彼はルルに自身の名刺を手渡すと、ビシッと敬礼してパトカーに乗り込んで発車させる。
 一方、ルルは一条警視にはどことなく既視感があり、その記憶の根拠を探り出そうと脳みそをフル回転させていたが、なぜか思い出せずにいた。

「(私は、あの人と会った事がある……?)」

 中学校最後の夏、憎き悪友の取り巻き達にいじめられていたあの日、彼女を助けてくれた警官。

「(……いや、まさかね)」

 彼女は一縷の可能性を振り払い、マフラーを風になびかせながら千代田区公園前を後にした。

937 :迅
2020/10/15(木) 13:05:43

─警視庁本部─

「CGRか……」
「どうしたんすか?警視」
「ん?あぁ、少し気になる事があってな」
「あの子の事っすか?」

 「概ね合ってる」と一条警視はコーヒーを飲み、机の上に置かれた数枚の資料を眺める。
 最近話題になっている『連続爆破事件』、『メンズスター』なる謎のテロリスト集団、そしてメンズスターの幹部と交戦したとされる女子高生。最近見なくなったCGRについて、何か知ってるのだろうか。

「取り敢えず、俺は警視総監に報告書を提出して来るから、後で飯に行こう。僕が奢るよ」
「マジっすか!?ありがとうございます警視!」

 部下の警官は「よっしゃぁぁぁぁあ!」とガッツポーズし、嬉しそうに執務室を出て行った。

「(あの子は、もしかしたら───)」

 一方、執務室に一人残った一条警視は、赤いランドセルを背負った少女の写真と、赤いマフラーを靡かせる女子高生の写真を眺めていた。

***

「一条警視ねぇ……あの人警視だったんだ」

 一条警視の名刺を見ながら、ルルは意外そうに呟く。警察の階級にはそこまで詳しくないが、警視とはかなりの上の立場である事は分かる。だが、派遣するなら近場の警察署からで十分なはずだ。

「(警察……しかも警視庁のお偉いさんが来るって事は、メンズスターについて何か───)」
「ルル……?」
「ッ!」

 刹那、後ろから声をかけられる。聞き慣れた優しい声色、ルルは声の方に振り向くと───そこには、いつも自分を励ましてくれた彼女がいた。
 
「木村さん……」
「ルルちゃん……大きくなったね……」

 木村と呼ばれた女性は優しく微笑み、喫茶店を指さす。お茶でもしようと言いたいのだろうか。
 2人は、喫茶店の中に入っていった───

「……」
「……」

 のは良いのだが、あまりの気まずさに思わず目を逸らすルル。電話での交流はそれなりにしていたのだが、直接会うのは実に5年ぶりだった。
 それは当の木村にも言えた事らしく、彼女もおずおずとしていたが、やがてゆっくりと口を開いた。

「その……背、伸びたね」
「まぁ、今165ありますし……」
「そっか……もう、昔みたいに『キーさん』って呼んではくれないんだね……」
「そりゃあ、私だって高校生ですし。それに、木村さんも変わりましたよね……色々と」

 木村の容姿は、5年前に比べ少し痩せたように見える。表情もどこと無く落ち着いており、5年前のように快活な彼女はいないのだと思い知らされる。

「それでね、ルルちゃん。よく聞いて───」

【■■■■■■■■■■■■】

彼女のか細い声色は、蝉の鳴き声にかき消されていった。

947 :迅
2020/10/15(木) 22:07:12

 「クソッ!クソッ!クソがァッ!なァぜいつまで経ってもォ!アイツは戻ってこんのだァ!」

 場所は変わり、富士山上空に浮かぶ円盤の内部。怒り心頭のメンズスター日本支部首領・ゲラッチはコンソールパネルを力一杯に殴りつける。(そして彼の言う『アイツ』とは、ルルと交戦して敗北し、警察に身柄を確保された迅の事だ)
 髪をバリバリと掻き、腹いせと言わんばかりに近くにいたキノコ(?)の怪人を蹴り飛ばすが、怒りが収まらない彼は怒号を撒き散らす。

「大体!CGRは壊滅したんじゃなかったのか!?あの日私は雪華を殺し!その後、5年に渡り刺客を送り続けたと言うのに!」
「落ち着けよ。話によると、迅の野郎をブチのめしたのは年端もいかねェ小娘だそうじゃねェか?」

 「アンタはどう思う?」と、ゲラッチとは対照的に、冷静を保つ幹部・クロボー師は問いかける。

「奴はここぞと言う時によく負けるが、戦闘面に関しちゃメンズスター随一の実力者だぜ?そんなアイツが遅れを取るほどの相手ってなりゃァ……」
「CGRだ……!」
「は?」
「CGRはまだ壊滅などしていない!」

 ゲラッチはコンソールパネルを弄り出し、人工衛星を通してある女子高生の写真を画面に映し出す。

「私の最大の失態はァ、貴様が生きている事を見逃していた事だ……!猫野瑠々ゥゥゥゥゥ!」

 そして、彼は大気はおろかメンズスター日本支部全体が震える程の怒号を、大音量で叫んだ。

***

「CGRの生き残りは……私と玲子ちゃんと琴ちゃん、そしてルルちゃんの3人だけなの」
「は……?」

 木村から告げられた言葉はルルの横っ面を殴り飛ばし、彼女は唖然とした表情で木村を見つめる。

「その、嘘……ですよね……?」

 ルルの顔色はみるみる蒼白になり、彼女は唇を震わせながら恐る恐る木村に問いかける。5年振りの再会とは言え、会って早々いきなりそんな事を言われても、理解出来るわけがない。
 嘘であって欲しかった、タチは悪いが冗談であって欲しかった。───しかし、現実は残酷だ。木村は俯き、振り絞るような声色で打ち明ける。

「実は貴方以外のCGRのメンバーは一度、貴方がいなくなった後に私の家に集まったの。……でも、本当は集まるべきじゃ無かった……!」

 彼女曰く集まったは良いものの、肝心の別荘にはメンズスターの刺客が潜んでいたらしく、そこで襲撃を受けた彼女達は散り散りになったと言う。

「お願いルルちゃん……貴方の力を貸して……!」

 木村は弱々しく頭を下げる。
 しかし、ルルの表情は絶望に塗りつぶされていた。

956 :迅
2020/10/18(日) 12:15:06

「お願い、もう一度……力を貸して」

 風が木の枝を揺らし、木漏れ日が差し込むカフェのテラス席にて、深々と頭を下げる木村。
 しかし、彼女の目の前に座る少女はまるで醜い物を見る様な目で、彼女を睨み付ける。

「なに……都合の良い事言ってるんですか……?」
「……」
「貴方達はあの時!私を止めようとしなかった!止めて欲しかったのに……『私には仲間がいる』って実感させて欲しかったのに!なのに今更になって『力を貸して欲しい』?ふざけないで!」

 少女・ルルは怒号を上げ、テーブルを強く叩きながら立ち上がる。そして、彼女は木村の胸ぐらを掴み上げ、自嘲気味に歪な笑みを浮かべた。

「私、この5年間で気付いたんですよ……私が最後の、七つ目のキャスストーンだって事に!」
「!!!」

 刹那、木村の身体がビクッと震える。
 そこで彼女は確信した。
 ───ああ、やはりそう言う事か。【お前らは、私がキャスストーンだと言う事実を知っておきながら、自分で気づくまで黙っていたのか】。

「私は貴方含むCGRのみんなを恨みましたよ。だって……私にだけ教えてくれないんだもん」
「ちがっ……!」
「何が違うんですか?貴方達は私だけ知らなかったのをいい事に、笑ってたんでしょ!?バカにしないでよ!」

 申し訳なさそうに目線を逸らす木村を押し倒し、ルルは修羅の形相で睨み付ける。

「私は……仲間なんて信じない」

 そして彼女は、吐き棄てるように呟いた。

──────

 一方、別のカフェでは襲撃の後に合流した玲子と琴の2人が、ルルの説得に行った木村を待っていた。

「キーさん……大丈夫やろか……」

 5年経った今でも、あの日の出来事が瞼の裏に蘇る。
 焼け落ちる木村の別荘、まるで陽炎の様に炎の中で揺らめく巨大な影、抵抗する事さえ許されない程に理不尽で圧倒的な暴力による蹂躙。
 あの日、ただ逃げる事しか出来なかった玲子は、己の無力さを誰よりも嘆き、怨み、悔やんだ。

「ウチにもっと力があれば……!」
「それは違うでしょ」

 琴は口から血を流す程に歯を食いしばる玲子にピシャリと告げ、彼女の手を優しくそっと握る。

「私もキーも、アイツには全く歯が立たなかった。全部貴方が悪いんじゃない、私達の責任でもある」
「でも……!」
「あの子(ルル)が戻って来さえすれば、こっち側の戦力は増強される。もっとも、戻って来るかどうかは全てキーの説得にかかってるけどね」
「!じゃあ───」
「きゃぁぁぁぁあ!!!」
「「!?」」

 刹那、市街地に甲高い悲鳴が響き渡り、数秒後に爆発音。慌ててカフェから飛び出した2人の目の前には、両手にグレネードランチャーを持ったガスマスクの男が人混みの中央に佇んでいた。

958 :迅
2020/10/19(月) 20:40:15

 琴はキズナフォンを右手に構え、両腕をダラリと下げるガスマスクの男を見て舌打ちする。

「まさかアイツが来るなんてね……!!」
「なんや、琴の知り合いなんか?」
「少しね」

 琴に続き、遅れて左手に薄緑色のキズナフォンを構える玲子。そして2人はキズナフォンを持った手を前に突き出し、変身の合言葉を叫ぶ!

「「コミュニティアプリ、起動!」」

 刹那、玲子の足元に草花が生い茂り、琴の背後から紫色のドロドロしたオーラが迸る。そして2つは2人の身体を包み込み、緑と紫のスーツを纏った姿へと変える。
 対するガスマスクの男は、その一連の光景をただぼんやりと眺めているだけだった。

「草の猛者!ガールズグリーン!」
「病み上がりの武者、ガールズバイオレット」
「「キズナ戦隊!コミュニティガールズレンジャー!」」

 2人は名乗りと共に決めポーズをキメ、背後で謎の巨大な爆発が起きると共に名乗る。

「メンズスター突撃部隊隊長・ボーンクラッシャー」

 ガスマスクの男はボソボソした声で名乗り、すかさず4回、グレネードランチャーの引き金を引く。ガオンッ!と獣の咆哮もかくやの轟音と共に、ランチャーの砲口から放たれるは大質量の榴弾。
 ランチャーから打ち出された計8発の榴弾は、CGRの2人をチリも残さず粉砕する────

「プロテクトツリー!」

 しかし、そこはCGR。玲子は地面に拳を打ち付けると、巨大なもみの木が地面から生え伸び、降り注ぐ榴弾の驟雨から2人を守る壁となる。

「どうや!」
「ほう……」

 ボーンクラッシャーは両太腿のホルスターにグレネードランチャーを納め、腰裏に装備した鞘の中から大振りな2本のナイフを抜き放つ。

「遠距離戦は不利と判断、近接先頭に移行」

 彼は機械的な声色で告げ、獲物を定めた狩猟豹(チーター)の如く身を低く屈めた次の瞬間、玲子と琴が反応出来ない速度で跳躍した。

「「!?」」

 そして彼は2人の背後に着地。玲子も遅れて反応するが、遅過ぎる。

「早───!」
「亡べ」

 ボーンクラッシャーは玲子の喉元にナイフを突き出し、彼女は逃れられぬ『死』を覚悟した───

しかし

「!!!」

 突如現れた夥しい数の炎の槍がボーンクラッシャーの身体を貫き、数メートル程横にぶっ飛ばす。
 しかし彼とて簡単にやられず、吹き飛ばされる途中器用に受け身を取り、転がりながら起き上がる。
 そして折れたナイフを投げ棄て、代わりに両太腿のホルスターからグレネードランチャーを取り出した彼は、炎の槍が現れた方向を睨み付ける。

「ホンマか……!?」
「やったんだね、キー……」
「貴様は……!」

 ボーンクラッシャーと琴、そして玲子の視線の先には、燃え上がる焔を背にしたルルが立っていた。